Netflix『ハイプハウス 〜TikTokスターのリアルライフ〜』レビュー あまりにもつまらないので、楽しみ方を教えます

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セレブ・エンタメ

待望のNetflixシリーズ『ハイプハウス 〜TikTokスターのリアルライフ〜』が公開されました! あのトーマス・ペトロが、アレックス・ウォーレンが、クーヴァー・アノンが共同生活する注目のクリエイターハウスであるハイプハウス(The Hype House)! 大人気(?)インフルエンサーたちの日常をのぞき見できるファン垂涎のドキュメンタリーやいかに? 徹底レビューします。

予告編はこちらです。

Hype House | Official Trailer | Netflix
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結論:つまらない

「注目のクリエイターハウス」と書きましたが、クリエイターハウスは瀕死です。解散が相次ぎ、ジェイク・ポール率いるTeam 10は崩壊状態で、ブライス・ホールを擁するスウェイ・ハウスも2021年に解散し、ハイプハウスは分裂しました。ハイプハウス……? そう、このNetflixシリーズのハイプハウスです。ほぼ終わりかけているものをNetflixはシリーズにしたようです。

クリエイターハウスはYouTuberやTikTokerが共同生活をして動画を制作する場です。くわしくはこちらの記事をごらんください。愉快で個性的なキャラクターが相乗効果でより面白い動画を撮れるのがクリエイターハウスの利点ですが、欠点は、元々つまらない人たちが集合しても別に面白くならないことです。そして残念ながら、ハイプハウスの面々はつまらないのです。結果として、このNetflixシリーズも面白くありません。

なお、以下この記事にはネタバレがありますが、このシリーズはわざわざ観るほどのものではありませんので、気にせずネタバレしています。

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あらすじ

「あらすじ」と書きましたが、あらすじというほどのものはありません。

  • メンバーが何か動画を撮影したり遊んだりしている
  • とくにオチもなく次のシーンに移る
  • ニキータ・ドラゴンが派手に登場し場を引っかき回す
  • 誰かと誰かがケンカ、その後仲直り
  • 自分は利用されている!と誰かがめそめそする
  • ヴィニー・ハッカーが美少年ぶりを発揮する
  • 唐突なお涙ちょうだい(家族に会う、墓参りをする)

これを繰り返し、ハイプハウスは分裂・解散して終わり、となります。

一応、登場人物紹介

登場人物の多くはTikToker兼YouTuberで、Twitchストリーマーもいます。

トーマス・ペトロ(Thomas Petrou)はハイプハウスの発起人で、元はYouTuberジェイク・ポールのクリエイターハウスTeam10にいました。このシリーズ内では自分勝手なインフルエンサーたちをまとめようとする苦労人として描かれていますが、実はとんだハッタリ野郎です。ハイプハウスが有名になったのは大スターの名前を勝手に借りたからでした。このハッタリ能力の高さからすると、Netflixがシリーズを作ることになったのは彼の口車に乗せられたからだろうと思わされます。

アレックス・ウォーレン(Alex Warren)についてはこちらの記事で詳しく書いています。幼くして父を亡くし、それをきっかけに母はアルコール依存症になり、苦労の多い少年時代を過ごしました。個人的には、YouTuberデイヴィッド・ドブリック質の悪いコピー品だと思っています。作中で交際相手のクーヴァー・アノンと偽結婚式を挙げましたが、これが一回目ではありません。

チェイス・ハドソン(Chase Hudson)、通称リル・ハディ(LILHUDDY)はTikTokスターで歌手であり、チャーリー・ダミリオ(Charlie D’Amelio)の彼氏として知られている人物です。

ニキータ・ドラゴン(Nikita Dragun)は美容YouTuberとして有名になりました。詳しくはこちらの記事をごらんください。コロナ禍の中、誕生日パーティーを催し批判を浴びたこともあるトラブルメーカーです。シリーズ中、唯一ファッションを見るに値する人物です。ちなみに最近謎の入院をして心配されていました。

ラリー(ロレイ、Larray)はコメディ動画で人気のYouTuberです。

ヴィニー・ハッカー(Vinnie Hacker)は美少年TikTokerで、ゲーム配信でも有名です。熱狂的なファンがヴィニーとキスをした女の子に殺害予告を送るシーンが出てきます1

つまらなくなったのにはわけがある

このように主要登場人物を並べてみると『ハイプハウス 〜TikTokスターのリアルライフ〜』は(すごく面白くはならないにせよ)それなりに面白くなりそうなのですが、まったく面白くなりません。

それには理由があります。

そのヒントがこちらの記事にも貼ったNetflix公式アカウントのこのツイートです。

実は、シリーズを観てからこのツイートを見ると何かがおかしいことに気づきます。このツイートの写真に入り、名前も挙げられているシエナ・メイ・ゴメス(Sienna Mae Gomez)とジャック・ライト(Jack Wright)がどういうわけかシリーズに登場していません1

なぜなのでしょう? 彼らはそこにいたはずなのに、登場シーンがカットされているのです。

撮影が始まってからしばらく経ったと想像される頃に、ジャックがシエナから性的に暴行されたと訴えました(サイト内記事)。結果、シエナは大炎上し、その後釈明しますが人気は低迷しています(サイト内記事)。

この事件にはいろいろと不透明なところがあり、真相は今もはっきりしていません。確実なのは、Netflixの制作陣が、彼ら2人をシリーズに出すわけにはいかないと判断したことです。

おそらく、今公開されている映像よりは面白い映像もすでに一定量は撮れていたのではないかと想像されます。二人の退場によってシリーズには大きな穴が開きました。それを埋めるためにあえて追加で撮影したのではないかと思われるシーンもあります。例えば、メンバーが全員車に乗って砂漠に泊まりに行くシーンなどです。

なんとか面白く観るヒント

なお、このレビューを読んだ上でNetflixシリーズをごらんになる方がいらっしゃるかもしれません。そのような奇特な方に面白く観るためのヒントをご提供します。

ヒント1:制作陣の苦労に思いをはせる

撮れるはずだったものが撮れない、撮ったはずのものが使えない、そもそもメンバーがみんなつまんない……制作陣の苦悩は想像するにあまりあります。苦労の跡をたどってみましょう。撮影は4月から6月にかけて行われたはずですが、それ以外の時期に撮影している部分もあるかもしれません。

最後のプロムのシーンはいつ撮影されたのでしょう? トーマス・ペトロのYouTubeチャンネルには、Netflixによる制作発表の直後に投稿された動画にプロムのシーンが入っています。

HYPE HOUSE IS COMING TO NETFLIX!!

ということは、ラストシーンから撮影されたのでしょうか? しかしラストシーンの位置づけは撮影時から公開時までに変化したのかもしれません。この動画のサムネには、シリーズから消されたはずの人物も写っています。

Netflixの重役が会議室で責任をなすりつけあっている様子も想像すると楽しいかもしれません。

ヒント2:チャーリーを探せ!

チェイス・ハドソンの彼女のチャーリー・ダミリオとその姉のディクシー・ダミリオが各エピソードで一瞬だけ映り込みます(大体TikTok動画)。チャーリーについてはこちらの記事をごらんください。

シリーズでのチャーリーの登場を数えてみましょう。実は彼女たちの方がTikTokでは大スターで、トーマス・ペトロが彼女たち(とアディソン・レイ)の名声をうまく利用して宣伝したのがハイプハウスでした。この件についてはいずれ書きます。このシリーズも彼女の人気にあやかるためか、彼女の姿をたびたび登場させています。

なお、Netflixはハイプハウスよりも大スターのダミリオ姉妹のシリーズを撮りたかったのでしょうが、残念ながらHuluにさらわれてしまいました。Huluのシリーズについてはこちらの記事をごらんください。姉妹は大スターですが、こちらのシリーズも残念なできばえです。

ヒント3:小ネタを楽しむ

最終話でTeam10のジェイク・ポールが一瞬映ります。ジェイクについてはこちらの記事をごらんください。樹海で事件を起こしたYouTuberローガン・ポールの弟で、最近はガラの悪いボクサーになっています。なお、シリーズの中でヴィニー・ハッカーがボクシングで対決したデジ(Deji)はイギリス人YouTuberで、ジェイク・ポールとボクシング対決したこともあります。どちらもデジが負けました。ヴィニー・ハッカーのボクシングの様子はこちらの記事をごらんください。

シリーズの中で言及されるYouTubeゴシップチャンネルのアナ・ウープ(Anna Oop)の動画は本サイトでも何回か紹介しています。Anna Oopの語源はこちらをごらんください。本記事のサムネもAnna Oopの動画です。

Image: who let these RACIST Tiktokers have a NETFLIX tv show?!!

  1. ヴィニーのファンは悪名高く、その後も似たような事件を起こしている。
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