2020年に注目を浴びて、将来の活躍が期待されていたTikTokスターの現状を紹介します。TikTokアプリから急成長した彼らは楽曲を発表しポッドキャストを開始して、YouTubeチャンネルを開設しています。映画界まで進出できるTikTokスターもいれば、アプリの枠から抜けられないTikTokスターもいます。
今回は独断でTikTokスターのチャンネルを評価して、成長できない理由を辛口でレビューします。
ダミリオ家のチャンネル 評価13点(100点満点)
TikTokスターの中で無視できないYouTubeチャンネルがチャーリーとディクシーのダミリオ姉妹がいる『The D’Amelio Family』です。言わずと知れたTikTokフォロワー数1億人以上のチャーリーと歌手として活動しているディクシー、父御のマーク、母御のハイディが出演しています。
YouTube登録者数164万人、動画数は11本、総再生回数は6300万回超です。
このチャンネルの問題は、TikTokスターに便乗した素人のおじさんとおばさんが一緒に動画に写り込んでいる点です。父御と母御はなぜタレントとして活動しているのか、なぜ彼らの需要があると勘違いしたのか、問いただしたい気持ちでいっぱいになります。娘たちの活動を陰で支えるよりも、一緒に活動したかったのでしょうか。好感度がどうしても上がりません。
ディクシーの個人YouTubeチャンネルの企画『The Early Late Night Show』ではディクシーが司会を務め、旬のTikTokスターや歌手をゲストに呼んでいます。テレビのような贅沢なスタジオとセットを使用して、スタッフが大勢関わって制作されています。制作費が高そうです。ディクシーの新曲を盛り上げるための宣伝動画も複数公開していますが、再生回数が8万6000回しかありません。
チャーリーの個人YouTubeチャンネルは、商品宣伝のために存在している印象です。チャーリーが視聴者と交流してファンを増やす場所はTikTokなのでしょう。
ノア・ベック 評価2点(100点満点)
TikTokフォロワー数のノア・ベック(Noah Beck)のYouTubeチャンネルの登録者数は158万人です。ノアはディクシー・ダミリオの彼氏として(だけ?)有名です。
動画数は47本、動画再生回数は7200万回超です。
TikTokもそうですが、サムネにディクシーがいると動画再生回数が跳ね上がる傾向があります。つまり、ノアはディクシーの彼氏として人気があるだけで、単独での人気はありません。
ディクシーの元彼グリフィン・ジョンソンはディクシーから浮気を告発され、干されてロサンゼルスにいられなくなりました。グリフィンはフロリダ州に移住して釣りを楽しみ、早くも定年退職後の高齢者のような暮らしをしています。彼の現役時代は20代前半にして終わってしまったようです。ノアがグリフィンと同じ悲惨な結末にならないことを祈ります。
mornin pic.twitter.com/GKEfbEtF25
— Griffin Johnson (@lmgriffjohnson) September 23, 2021
チャーリーの金魚のフンがディクシーなのであれば、ディクシーのおかげで注目されているノアは金魚のフンのフンになります。チャーリー・ダミリオの経済効果を感じます。
アレックス・ウォーレン 評価20点(100点満点)
TikTokスターの中にはYouTubeは片手間で、再アップロードしかしない手抜きをする人が少なくありません。そのなかでは珍しくYouTubeに情熱を注いでいるのがアレックス・ウォーレン(Alex Warren)です。
YouTube登録者数268万人、投稿数181本、動画再生回数は4億4000万回超です。
アレックスはYouTubeで注目された当初から、「デイヴィッド・ドブリックのパクリをしている人」と言われてきました。批判されたので芸風を変えるかと思いきや、相変わらずデイヴィッド・ドブリックのモノマネ動画を投稿しています。最近は、動画内容が似過ぎて一周まわって面白くなってきました。
しかし、いくら模倣をしてもオリジナルを超えることはできないので、アレックスのチャンネルも天井が見えています。余談ですが、デイヴィッド・ドブリックが炎上している時期にアレックスの登録者数も連動して減る現象がありました。視聴者もアレックスとデイヴィッドの違いがわからなかったのでしょう。今後はもう少し独自性を出してほしいと思います。
アレックスが所属する『ハイプ・ハウス』はNetflixで番組が制作されると発表されています。さぞかしつまらないのだろうな、と期待せずに公開を待ちます。
成功する人、失敗する人
TikTokとYouTubeは種類の違う動画メディアです。それゆえTikTokで人気を得たスターがYouTubeで人気になるとは限りません。
特にTikTokスターにはダミリオ姉妹のように特段の覚悟もなく、スターになりたかったわけでもなく、偶然当たってしまった人もいます。そのような人がYouTubeで再び同じ幸運に見舞われることはまず期待できません。YouTubeではTikTokスターの動画をトレンド入りさせ、動画が再生されるように後押しがされていますが、限界があるのでしょう。
数々の炎上騒動で評判が悪くなったブライス・ホールなどもアレックス・ウォーレンなどと同様に再生回数が低下の一途をたどっています。
2020年は話題性でTikTokerのYouTubeチャンネルの勢いがありましたが、話題性のブーストは終わってしまったようです。それぞれの動画アプリで人気になるには才能以上のものが必要です。
TikTokアプリでもYouTubeでも成功した例がエマ・チェンバレンです。彼女はブログ動画やコメディ動画を投稿するYouTuberとして人気になりましたが、TikTokでもファッションを参考にするクリエイターとして人気になっています。
TikTokアプリでもYouTubeでも成功した二例目はトーマス・ペトロです。トーマスはジェイク・ポール率いるTeam 10で冴えない端役を務めていましたが、TikTokコンテンツハウス『ハイプ・ハウス』をいち早く立ち上げ、成功したので注目されました。クリエイターとして彼本人には魅力はありませんが、マーケティングは上手です。Netflix上層部にハイプハウスに人気があると錯覚させ、ドキュメンタリーシリーズを制作させた手腕は一流です。
TikTokスターのアディソン・レイはティーン映画のリメイク『ヒーズ・オール・ザット』の視聴回数が好調だったためNetflixでの契約を更新しました。これはプロレス会場でトランプ前大統領に挨拶するような、業界遊泳術に長けるからなのでしょう。アディソンはYouTubeは無視して、ハリウッドセレブに一直線です。
TikTokアプリ上で成功していればそれ以上の努力は必要ないと思っているのかもしれませんが、将来のキャリアのためにもTikTokスターにはYouTube動画投稿にもう少し力を入れてもらいたいものです。
Image: RANKING TIKTOKERS YOUTUBE CHANNELS (Tier List) // charli d’amelio, addison rae, bryce hall, and more