YouTubeの家族チャンネルが批判されることが目立ってきました。
過去には、いたずら動画のために子どもを虐待したダディオーファイブ(DaddyOFive)や泣く子どもをサムネに利用した母親ブロガーが批判されてきました。
2023年9月には厳しいしつけを動画で紹介してきた8Passengersの母親が児童虐待容疑で逮捕されています。
家族チャンネルは広告の反応が良く、イメージが良いため、旬が過ぎたタレントが安定した稼ぎ方として選ぶ傾向にあるようです。子どもを出産すれば再生回数が跳ね上がる特徴もあり、家族チャンネルは子だくさんになる傾向があると指摘されています1。
今回、批判されているのはレブラント家です。YouTube登録者数は1300万人、TikTokフォロワー数は両親(母親サヴァンナ、父親コール)のアカウントを合計して5300万人の人気家族チャンネルです。レブラント家は過去に山火事に関するウソ情報を動画にしたり、中絶を反対する動画を投稿したりして批判されたことがあります。
レブラント家の長女エヴァリー(Everleigh)が新曲を発表したことで批判されています。
エヴァリーの新曲
2023年9月4日、10歳のエヴァリーが新曲『テイラー・スウィフトのように(Like Taylor Swift)』を発表しました。米国の経済にテイラー・スウィフトほど影響力のあるアーティストはいません。そのテイラー・スウィフトの曲名をふんだんに盛り込んだ歌詞になっています。
エヴァリーは Dear JohnやBad Bloodなどのテイラーの曲名を出して、テイラーのようにテネシー州に移住して楽しく過ごす様子を歌っています。
エヴァリーのファンは喜んで聴いているようですが、大人たちからは批判の声が出ています。一部を紹介します。
批判の声
こちらのTikTokユーザーは「テイラー・スウィフトに訴えられるよ」と投稿しています。動画には120万以上のいいねが付いています。
こちらのユーザーは「歌詞は母親サヴァンナが書いているでしょう。」と指摘しています。たしかにテイラーの曲に思い入れがあるのは母親サヴァンナでしょう。10歳のエヴァリーが生まれる前に発表された曲も入っています。
一部の人から2011年の奇跡『フライデー』を歌ったレベッカ・ブラックのようだ、との声が出ています。エヴァリーもレベッカのようにいじられ続けることになるのでしょうか。
余談ですが、テネシー州を拠点に活動するアーティストのdrewさんは「同じセットで撮影したよ」と投稿しています。
テネシーではよく使われているスタジオのようです。
いじられ、批判されてしまったエヴァリーですが、擁護する声も出ています。子どもの頃からテレビで活動していたジョジョ・シワです。
ジョジョの擁護
こちらがジョジョの投稿です。
ジョジョは「現在20歳、ネットにさらされて育った10歳の私からすれば、エヴァリーを批判している人にはもっと冷静になってほしいと思う。まずこの曲はとってもキャッチーだし、かわいらしい。次にいじめはよくない。特に初めて曲を発表した10歳の子どもをいじめるのは絶対にダメ。いい年した大人でこの曲をいじった人は反省してください。私から言えるのは、エヴァリーは優しく本当に努力家だから、もっと成功して人気者になって当然だってこと。」
エヴァリーの曲を冷やかしている人も、悪いのはエヴァリーではなく両親だろうと指摘しています。
the whole taylor swift song by everleigh labrant totally backfired because the parents definitely had her do it for clout but it flopped and now their child is being bullied online. she’s adorable and probably genuinely likes taylor too, she doesn’t deserve hate :/
— ♡ 𝕕𝕠𝕣𝕠𝕥𝕙𝕖𝕒 ♡ (@tupelodorothea) September 8, 2023
エヴァリーは小さい頃から私生活をネットに晒されています。プライバシーを侵害され、幼い頃から中傷されることが子どもの心にどのような影響があるのでしょうか。ハリウッドの子役スターたちを見ていても、家族チャンネルで活躍して成人した人たちを見ても、悪影響の方が大きいように感じます。エヴァリーの歌を聴いても、背後に親の思惑が透けて見えるようで、気の毒な気分になります。
一方、テイラー・スウィフトやアリアナ・グランデは裕福な家族の協力を得て有名アーティストになっています。幼少期から歌手になるためかなりの支援を受けたようです。エヴァリーも同じように将来のスーパースターになるべく着実な歩みを進めているのかもしれません。だとすればよいのですが。