2021年6月のYouTuber対TikTokerの動画プラットフォーム対決のファイトマネー未払い騒動について続報です。
イベントに参加していたTikTokスターのヴィニー・ハッカーやテイラー・ホールダー、ブライス・ホールが「報酬が未払いである」とポッドキャストなどで告発していました。PPVの購入者はわずか13万6000人だったというウワサまで浮上しています。フォロワー数が多いタレントが参加したイベントにも関わらず、予想を大幅に下回る収益だったようです。
度重なる訴訟
イベントを主催していたのは、家族チャンネルエース・ファミリーの父親であるオースティン・マクブルーム(会社名はSimply Greatness Productions)でした。オースティンはPPVの配信元となるLiveXLiveと提携してイベントを行いました。LiveXLiveはイベント後にオースティンに対し100億円の損害賠償を請求する訴訟を起こしています1。YouTuberのスペンサー(Spencer Cornelia)の動画によれば、訴状には「オースティン側は200万人以上がPPVを購入すると言っていたが、実態は13万6000人だった。」と書かれているそうです。
この200万人という数字は、フロイド・メイウェザー・ジュニア対サウル・アルバレス戦のPPV購入者220万人とほぼ同じです。これほどの有名ボクサーの試合と同じくらいPPVが購入されると思ったオースティンは、幻想の世界に生きているようです。
確かに出場したYouTuberやTikTokerにはフォロワー数が1000万人を超える人もおり、フォロワーの何割かがPPVを購入していたら大変な売り上げになったはずですが、それだけの訴求力はなかったことがわかりました。しかもオースティンはフォロワー数にあぐらをかき、事前の宣伝活動を怠っていたとも訴状に書かれています。
オースティンが起こされた訴訟はこれだけではありません。
ジェームズ・ハーデンに訴えられる
オースティンはNBA選手のジェームズ・ハーデン(James Harden)にも訴えられています。ブルックリン・ネッツ所属のハーデン選手は、今回のボクシングイベントに2億円を出資していました。訴訟では、約2億円($2ミリオン)の返済と約束されていた4000万円($400,000)の利益を含めた合計2.4億円の返済をオースティンへ要求しています。
さらに、イベントに参加していたTikTokスターのテイラー・ホールダー(Tayler Holder)も2億円のファイトマネーの支払いを要求する訴えを起こしています。訴訟によれば、テイラーは約束されていたファイトマネーの2%に当たる約850万円($85,000)しか支払われていないそうです2。テイラーの訴訟では、「オースティン側は『PPVを1000万人が購入する。史上最大級のPPVボクシング・イベントになる。』と豪語していた」と暴露されています。
イベントでオースティンと対戦したブライス・ホール(Bryce Hall)は5億円のファイトマネーを受け取る契約でしたが、未払いのままです。パパラッチの取材で「法的な話し合いをすすめている」と話していましたが、執筆時ブライスは訴訟を起こしていません。テイラーに続く可能性もあります。
オースティンの私生活も災難続きです。収入以上の華美な生活をしていたため、自宅が差し押さえにあう可能性が出ているとウワサになっています。浮気の常習犯であることもYouTuberの間では有名なようです。
以上の内容はSL04Nが動画にしています3。
訴訟を起こしても、ない袖は振れないのでオースティンからお金は支払われない可能性が高そうです。オースティンは会社の破産申請をして逃げ切る計画なのでしょうか。
注
- Lixexlive Media Incの株価は6月3日に$5.33となったのを直近の高値として、8月4日には年初来最安値の$3.31まで下落している。時価総額が100億円以上下落しており、これが損賠償請求額の根拠のようだ。
- ファイトマネーの2%であれば、ファイトマネーは4億円だったはずなので、テイラーは訴訟で半額しか要求していないのか?
- SL04Nの動画は、Pagesixの記事を参考にしている。