あなたは賛成?反対?ネットは終わった!と叫ぶYouTuberに賛否両論 8つの論点を整理

YouTuberニュース

古参YouTuberのキームスター(Keemstar)が「ネットは終わった!」と吠えています。

キームは主に炎上事件をとりあげるYouTubeチャンネルDramaAlertの司会者です。DramaAlertの登録者数は571万人で、米国のYouTuberの事件や騒動を報道するチャンネルではトップの座を占め続けています。そのキームがコミュニティが死んだと言っているのはなぜでしょうか? 本当にコミュニティは死んだのでしょうか?

キームのツイートに賛成意見も反対意見も多数ついていました。主な意見を8つに整理して紹介します。

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死んでない、おまえが歳を食っただけ

まず反対意見から紹介します。辛辣な声が多数です。

 

「そうだよ。ネットは死んだんだ。『ドラマアラートマガジン』を印刷してスーパーで売りな。」というツイートもありました。キームは時代に逆行していると言いたいようです。キームは昨年、40歳を目前にして引退を表明しましたが、その後撤回しています。ニュースサイトも始めました。迷走ぎみなのは否めません。

さらに辛辣な意見もあります。

 

事実、この半年ほど、DramaAlertの登録者数は減少傾向です。しかしYouTuberのニュースを扱う業界一位のチャンネルが衰退傾向にあるなら、悪いのはそのチャンネルだけでもないでしょう。

同意、あのころは楽しかった……

キームの「ネットは死んだ!」に賛成する意見も多数あります。数はこちらの方が多いようです。キームのツイートを見ている人たちはキームと感覚が同じなのでしょう。「最近そう思う」というツイートが多数ありました。

もしキームや、キームに賛成する人々が言うとおり「ネットが死んでしまった」なら、ネットもいつかは生きていたはずですが、それはいつ頃なのでしょうか。ある程度の幅はありますが、2010年代半ばまでのようです。

「2016年から2017年ごろに比べるとみんなネットに関心が薄いよね」というツイート、「2016年以来ネットが死んでる」というツイート、「YouTubeのピークは2016年から2018年」というツイートがありました。

この時期には何があったのでしょうか? キームが活動拠点にしているYouTubeでは、Vinerが大量流入して様々な騒動を引き起こし、話題を振りまいたのが2016年から2017年です。この頃が黄金時代だったという共通認識があるようです。

炎上が足りない

2016年から2019年にかけて、YouTuberの炎上が頻繁に発生し、話題になっていました。ローガンジェイクのポール兄弟や、ジェフリー・スターがその代表格です。

「黄金時代」を懐かしむ人々は炎上が華やかだったこの時代が忘れられないようです。

リーフィー(LeafyIsHere)は炎上を扱うコンテンツを作っていたため、YouTube運営に嫌われ、追放されてしまいました。キームは生き残ってはいますが、ごらんの通りニュースの不足を嘆いています。アイダブズ(idubbbz)は他のYouTuberの悪行を暴くコンテンツを作ることで恐れられていましたが、結婚し、丸くなったようです。H3H3 Productionsのイーサン・クライン(Ethan Klein)はかつての不謹慎ギャグは封印し、社会派・正義派を気取っています。過激なネタと炎上が話題を集める時代ではなくなったようです。

「みんな歳をとってポッドキャストを始めたから」というツイートもありました。お騒がせYouTuberや炎上系YouTuberは長く続けられる仕事ではないかもしれません。ポッドキャストには近年ハリウッドセレブから中小インフルエンサーまで進出しています。人気になるものもありますが、つまらない人が省エネモードでおしゃべりをしているだけのものも少なくありません。

「2–3か月に1回誰かをキャンセルしないとネットが死んじゃう」というツイートもありました。誰かが話題の中心になるとき、その人は嫌われ、キャンセルされている最中であることがほとんどです。最近、炎上が起こらなくなってきている印象があるようです。

一方で、「そこら中で炎上が起こってないとネットが死んでるだなんて、ちょっとは落ち着きなよ」というツイートや、「ネットの炎上が消えたからネット全体が死んだと言うのはおかしい」というツイートもありました。

商業主義が悪い

では、なぜ炎上は減ったのでしょう。いくつか説明があるようですが、有力な説は二つあります。商業主義が悪いという意見と、プラットフォームによる規制が悪いという意見です。商業主義批判から紹介します。

YouTube運営は炎上を嫌っていると以前から言われてきました。炎上は広告主受けが悪いからです。広告主受けが悪い炎上を起こすクリエイターは非収益化(広告収入を得られない状態にすること)し、抑圧する方針をYouTubeはとり続けてきました。この方針が功を奏し、クリエイターが全般におとなしくなったというのです。

クリエイターとして新たに参入してくる人々の質が変わったと指摘する人もいます。

YouTuberとして生き残ることを最優先するなら、危険な炎上は避けるべきで、話題になることも避けるべきでしょう。手堅くやっていくのが一番です。しかしそれは視聴者からすれば、ある意味ではつまらなくなったことになります。

また、コンテンツビジネスがビジネスとして成立するなら、参入するのは個人だけではありません。「会社が運営してるような洗練されたコンテンツばかりになって、元の魅力がなくなった」というツイートもありました。企業が動画を大量生産していると指摘される例は複数あります。2020年から2021年にかけてクリエイターハウスが大量に発生したのも、金になると見込んだ投資家がいたからです。

このような意見もありました。

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(2022年4月10日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

確かに、趣味でやっている人にとっては状況は大きく変わっていないかもしれません。とはいえ、この人の運営するYouTubeチャンネルの最近の動画の再生回数は数十回程度で、同じような人が増えてもYouTubeが盛り上がるかは不明です。

規制が悪い

続いて、YouTube社による規制のせいでYouTubeがつまらなくなったという意見です。YouTubeの利用規約は徐々厳しくなっています。

「規制やルールがネットを殺す」というツイート、「検閲のせいで観るものがない」というツイートがありました。

炎上を扱うコンテンツを作り、YouTubeから追放されてしまった元YouTuberのリーフィーもキームにリプをしていました。

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(2022年5月10日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

リーフィーは作っている動画がいじめだとされて追放されたので、現状に不満が強いようです。もっと好き勝手にできる場がほしいのでしょう。

キームやリーフィーのように炎上で儲かる人にとってはまずい状況かもしれないが、YouTube社にとってはそうでもない、という指摘もあります。

商業主義と規制の強化はコインの両面なのです。

みんなネットに飽きた

ネットに人々が飽きたのではないか?という意見もありました。

 

 

視聴者そのものが減っているのでは?という意見もありました。

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(2022年3月6日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

この話はややマユツバです。新型コロナウイルス感染症で死亡した人はネットの活気がなくなるほどは多くないでしょう。また、パンデミックの時代にネットのビューが下がったり、テレビを観なくなったりするものでしょうか?

端的に「ネットの外の世界の方がもっといいから」というツイートもありました。外出できず、リアル(ネット以外)での付き合いが難しいからこそ、リアルの良さを再確認した人は多いかもしれません。

人生の各段階で、関心が移り変わっていくのは自然なことです。2016年頃にネットの炎上を話題にしていた人々が、成長とともにネットの外に目を向けるようになったのは事実かもしれません。しかし、彼らより年少の世代が参入してきてもおかしくないはずです。

TikTokやTwitchに移っただけ

新しい世代がYouTubeにいないとすればどこにいるのでしょう? TikTokやTwitchに移っただけという意見がありました。

 

 

 

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(2022年3月1日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

もちろん、TikTokに人が移っているのはキームもわかっていると思います。キームも「人々はTikTokに行ってしまったのか?」といぶかしんでいるからです。おそらく、キームが問題にしているのは、「TikTokに移ったにせよ、ネットコミュニティ全体が話題にするネタがなくなったのはなぜだろう?」ということです。

細分化する未来?

シェーン・ドーソン、デイヴィッド・ドブリック、ジェームズ・チャールズのキャンセルは、YouTube発の事件ですが、TwitterやTikTokでも人々は盛んに語っていました。彼らのキャンセルのような、様々なプラットフォームを横断できる話題が減っているとキームは言っているのです。

YouTubeと比べて、TikTokはより個人にカスタマイズされた動画が表示され、全体像が見えにくくなる特徴があります。「ネット全体のトレンド」のようなものが発生しにくくなったのかもしれません。

時代がテレビからYouTubeへ、YouTubeからTikTokへ移るにつれ、よりチャンネルやコンテンツが多様化・細分化してきたことを考えれば、今後、ネットが今以上に賑わってもネット全体を巻き込むようなトレンドは消滅する運命にあるのかもしれません。TikTokerは世間の0.01%の人から、5分間だけ名声を得て、その後10分間だけ炎上し、消えるような印象があります。だとすれば、ネットは死んでいないが、ネットのトレンドとコミュニティは死んだということになりそうです。

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