米国一の富豪と言われているテスラ社のCEOイーロン・マスク(Elon Musk)がTwitter社の買収に動き出しているようです。マスクはしばらく前に新しいSNSの立ち上げを検討していると報道されていましたが、それは断念し、代わりにTwitterを買収することにしたようです。
マスクはすでにTwitter株の9.2%を保有しています。マスクは持ち株を15%まで増やし、Twitterを言論の自由の場にするとぶち上げています。現金$41ビリオン(約5兆2000億円)をTwitter株の購入に投じ、非公開化を狙う計画です。
マスクの強引な買収に大株主は抵抗しています。大株主でサウジアラビアの王族の一人アル=ワリード・ビン・タラール(Alwaleed bin Talal Al Saud)はマスクの乗っ取りに反対する声明を出しています。
Twitterの一般ユーザーたちはマスクの計画をどう考えているのでしょうか? ツイートを一部紹介します。
Twitterの反応
Twitterではマスクの計画を批判する声や皮肉る声が目立ちます。
(2024年11月17日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
これは若かりし頃のマスクの写真です。どこがとは言いませんが、今の方がふさふさです。マスクは植毛手術をして若返ったようです。一部利用者からマスクにリプでこの写真を送ったらブロックされたという声が出ています。マスクが言論の自由を守るというのは本当なのでしょうか?
批判的な記事を書いたことのあるブロガーがテスラ車を注文したら、強制キャンセルされたそうです。その記事を引用してこのような意見を言っている人がいました。
Ah yes, the guy that’s concerned about free speech. pic.twitter.com/188dncny9J
— David Doel (@daviddoel) April 14, 2022
自己利益しか考えていなそうなマスクが、本当に言論の自由を重視しているのか疑問しかありません。
過去のマスクの失態を引きあいに出す人もいます。
“elon musk said he would fix twitter.”ok but he also said he made an unsmashable window and then smashed it immediately
— soul nate (@MNateShyamalan) April 15, 2022
これは2019年のサイバートラックの発表会見の出来事です。鉄球を車の窓ガラスに投げるパフォーマンスをしたら窓ガラスがヒビだらけになるという事件が起こりました。マスクは事前に自信満々で「割れないよ」と語っており、ヒビが入ると気まずそうに笑ってごまかしていました。実は、防弾ガラスだからといって割れないのではなく、むしろヒビが入ることで衝撃を吸収する性質もあるので、これ自体はおかしなことではありません。問題は、社内で連絡ミスがあったのか、マスクが窓ガラスの性質をよく理解していなかったことです。Twitterでも同じような失態を演じないとよいのですが。
マスクは先日アーティストのグライムスとの間に第二子を授かりましたが、不仲がウワサされています。マスクがTwitter社をコントロールするようになっても、このようなことについて自由に語らせてくれるのでしょうか?
マスクは何をするのか?
2021年1月6日の米議事堂占拠事件の後、当時のトランプ大統領のTwitterアカウントは停止されました(本サイト記事)。ロシア軍のウクライナ侵攻後、ロシアの政府系メディアはYouTubeなどでブロックされています(本サイト記事)。必要な検閲と言論の自由の境界線を引くのは難しい問題です。マスクがよい解決策を出せるとは思えませんが、また富豪がメディアの買収に乗り出した例になりました。過去にはAmazonの創業者ジェフ・ベゾスがワシントン・ポストを個人的に買収しています。
また、先日はマスクが「Twitterに編集ボタンがあった方がいいと思う?」とツイートし、Twitter社の株を大量購入するとTwitter社が編集ボタンの導入を検討し始めたという記事もありました。いいねしたりリプしたりしたツイートが知らない間に書き換わってしまうことも今後はあるかもしれません。
どうやらマスクが大株主になるとTwitterの未来は明るくなるとは言えないようです。Twitter社は買収への対抗策を打ち出しています。動向に注目です。
Image: Elon Musk Buys A Big Share In Twitter… Effects on Twitter’s Censorship…