暗号資産詐欺をしたオンライン牧師が「神のお告げだ! でも聞き間違いかも」と主張

社会・政治

天啓を受けたと自称するオンライン牧師が暗号資産詐欺をしていたと話題になっています。イーライ・レガラド(Eligio Regalado)は妻と共にコロラド州に詐欺容疑で起訴されています。

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あっさり罪を認める

レガラド容疑者は妻ケイトリン(Kaitlyn Regalado)容疑者と共にほぼ無価値の暗号資産を信者に売り詐欺行為をはたらいていたとして起訴されています。売っていたのはINDXcoinです。オンライン牧師は、ネットで牧師をしている人を指します。実生活でも牧師をしている人が多いようですが、近年はネットのみで活動しているぽっと出もいるようです1

レガラド容疑者は9分間の動画を公開して、あっさりと罪を認めています。こちらの動画です。

夫妻はコロラド州デンバーのキリスト教徒たち300名以上から2022年6月から2023年4月の間に合計3.2ミリオンドル(約5億円)を巻き上げていたようです。低リスクで収益が得られる確実な投資と売り込んでいました。

レガラド容疑者は「集めたお金の3.2ミリオンドルのうち1.3ミリオンドルを着服した容疑がかかっていますが、事実です。1.3ミリオンドルのうち0.5ミリオンドルは税務署にとられ、残りの数千万ドルは神の思し召しで自宅の改装費に使用しました。2021年に、神から新たな事業を始めなさいとお告げがありました。『神様、こんなことはしたくありません。どうやってしたらいいのかもわかりません。暗号資産の経験がまるでありません。自分が何をしているのかもわかりません。事件に巻き込まれたくもありません。』と返しましたが、神は『信じなさい』と言われました。今でも奇跡を信じて祈っています。このプロジェクトはまだ終わっていないのです。」と動画で話しています。釈明になっているのか、なっていないのかわからない釈明です。信心深い人ならこの釈明で満足するのでしょうか?

信者たちからだまし取ったお金で夫妻は贅沢な暮らしを楽しんでいたようです。天啓を受けた内容については「もしかしたら聞き間違いだったのかもしれない」とも話していますが、神様のお告げなら仕方ありませんね。……ところで、暗号資産で信者を騙せというのは一体どんな神様なのでしょうか。キリスト教でもほかの宗教でもありえないでしょう。

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州当局と第三者機関の見解

コロラド州証券当局によれば「容疑者たちはあり得ない投資話を言いふらし、金をだまし取り、その金で贅沢な暮らしをしていた」そうです。

容疑者たちは暗号資産の取引が停止に追い込まれたとき、投資した人たちに「マモン2に支配されてはならない」と語り、批判されると「後ろ向きなことを言うのはやめなさい」と説き伏せていたようです。

第三者機関による評価では、INDXcoinのコードはセキュリティが低く、技術的問題があるとされていました。

ここまでの内容はTYTが動画で紹介しています。

Pastor Behind Alleged Crypto Scam Thinks He 'Misheard God'

オンライン牧師が正直に罪を認めているのは興味深いのですが、どう考えても全て神のせいにしているのが納得できません。むちゃくちゃなことをして神の思し召しで済むなら素敵な世界ですね。詐欺師にとって盲目な信者は絶好のカモということでしょうか。

  1. 検索すると、「オンライン牧師になるには?」みたいな動画が大量に出てくる。インフルエンサー志望がオンライン牧師になるのかもしれない。
  2. マモンとは聖書に出てくる不正蓄財を表す言葉。
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