エマ・チェンバレン(Emma Chamberlain)がYouTubeの活動を休止すると発表しました。エマのYouTube登録者数は1130万人、Instagramのフォロワー数は1520万人です。
人気YouTuberエマ
エマは2017年からYouTubeに動画を投稿しています。自然体で飾らない性格と、独特の動画編集が人気でした。人気絶頂の2018年には美容YouTuberのジェームズ・チャールズとドラン兄弟と『シスター・スクワッド』という名前でコラボ動画を公開しています。コラボ動画はいずれも1000万回以上再生されています。
2019年末からコーヒーブランドをプロデュースしたり、モデルとしても活躍したりしています。
2022年にエマは「TikTokは時間を浪費する原因」だと話して、アカウント削除しています。
YouTubeでの活動は、休止をくり返しながら継続していました。エマは動画の編集に強いこだわりがあり、編集がうまくいかないと何時間も納得がいくまで編集すると話しています1。ポッドキャストでは燃え尽き症候群に何度も陥っていると話していました。
YouTubeに疲れた
最新ポッドキャスト回『The Truth About Youtube』で、もうYouTubeの活動をできない理由を明かしています。
(2023年2月12日:削除されたYouTube動画をキャプチャ画像で置き換えました。)
- YouTuberは高頻度で動画を投稿しないといけない→強迫観念にとらわれて頑張ってきた
- エマは毎週の動画投稿をするために時間をとられて、個人的に興味がある体験を積む時間がなかった→動画内容が凡庸になる
- 実生活で豊かな経験を積めず、少しずつ自分が作る動画に興味が失せた→自己嫌悪になる
- 4年前の16歳から動画を作ってきた。人気になったが、自分の何が魅力で成功したのか理解できないまま活動していた
- 4年間ずっと起きている間はYouTubeのことを考えてきた→何度も燃え尽き症候群に
- 燃え尽き症候群になる度に「世界で一番楽な仕事してるくせに、燃え尽きるなんておかしい!」と思って自らを鼓舞していた
- 実生活を充実させるために動画編集者を雇った→エマのYouTubeへの情熱は撮影ではなく、動画編集にあったと気付く→さらに自己嫌悪に
エマが常々語ってきた動画編集への情熱を貫くと、実生活を充実させる時間的な余裕がなくなってしまう葛藤が休止の原因のようです。エマはようやく、YouTube活動に一区切りを付ける決断をしたようです。
ここまでの内容はSpill Plugが紹介しています。
ポッドキャストでは同じことを何度も繰り返して言っている印象がありました。あまり編集をせず、コアファンだけに語りかけるのがポッドキャストです。コアファンにとっては素のエマを知ることができてうれしいのですが、さほどコアでないファンにとっては魅力は(しっかり編集された動画と比べると)高くありません。新規ファンの開拓をする気はないということでしょう。
手間をかけた編集をしないことが多いTikTokや、無編集でストリーミングし続けるTwitchとは違う、作品として完成された動画があるのがYouTubeの特色でした。この特色が魅力ではなくなってきているのかもしれません。
短いスパンで動画を出すこと(TikTok)や、視聴者とチャットすること(Twitch)のように、インタラクティブな要素がある方が受けがよくなってきている印象があります。ポッドキャストの流行も含めて、深く狭いファンを獲得するのもトレンドなようです。キームスターが言ったように、ネットと動画メディアを取り巻く環境が変わってきているようです。
エマは2018年に人気を得たYouTuberのなかで、もっとも成功しているクリエイターでした。近年はYouTubeだけではなく、メインストリームでハリウッドセレブと共演する機会が増えています。
多くの先人たちが通ってきたYouTube活動の休止ですが、とうとうエマまで休止を発表してしまいました。
注
- 2018年の動画。