【ネタバレ】HBOの『The Idol』が残念なデキ 酷評ぶりとその理由を紹介

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セレブ・エンタメ

『ユーフォリア』のサム・レビンソンが監督を務め、歌手のザ・ウィークエンドがプロデューサー兼主役級というHBOの話題作『The Idol』のレビュー記事です。※ネタバレがあります。ご注意ください。

『The Idol』は公開前から話題でしたが、評判は芳しくありません。サム・レビンソン(Sam Levinson)の悪い癖が出ており、ザ・ウィークエンド(The Weeknd)は三文芝居を披露し、リリー・ローズ・デップ(Lily-Rose Depp)は親の七光り(ネポベイビー)、など非難囂々です。

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『The Idol』はどんな物語?

元子役スターで今はポップアイドルとして活躍する主人公のジョセリン(リリー・ローズ・デップ)。ジョセリンは母親をガンで亡くしたばかりで傷心気味です。キャリアに悩んでいるジョセリンが、クラブのオーナーでカルトの教祖をしているテドロス(ザ・ウィークエンド)と知り合うことから物語は始まります。

I Gave The Idol Another Chance. I Regret It.

『The Idol』ではジョセリンとテドロスの歪な関係に焦点が当てられています。

ネットにジョセリンのプライベートな写真がリークして起こる騒ぎ、メディア対応に追われるスタッフ、才能があるのにジョセリンの陰で鬱屈する人々、その嫉妬と裏切り、ジェセリンとテドロスの暴力的な性行為、取引と欺瞞が描かれます。

登場人物たちが薄っぺらに感じられることもありますが、華やかなハリウッドにうごめいているのは薄っぺらな面々であると暴いているのだと好意的に解釈することもできます。

脇を固めるのも豪華スターです。韓国の人気グループBLACKPINKのジェニーはバックアップダンサーのダイアン、スザンナ・サン(Suzanna Son)はカルト信者のクロエ、元YouTuberの歌手トロイ・シヴァンはジョセリンの幼なじみザンダー、デヴァン・ジョイ・ランドルフ(Da’Vine Joy Randolph)はジョセリンのマネージャーを演じています。

‘The Idol’: Lily-Rose Depp REACTS to Britney Spears Comparisons (Exclusive)

脇役たちが歌にダンスに演技にと多芸なのが物語の進行とともに明らかになります。ザ・ウィークエンドの演技を除いて、それなりによくできていると感じられるところもあります。

しかし、視聴者の評判がとても悪いようです。それには理由があります。

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8割の撮影を終えるも撮り直す

そもそも『The Idol』はエイミー・サイメッツ監督が8割の撮影を終えていました。ところが2022年の4月になりサイメッツ監督は降板しています。監督が降板した理由について詳細は明らかになっていません。

一部報道では「ザ・ウィークエンドが『作品が女性視点すぎるのでは』と難色を示した」と伝えられています。

新監督は『ユーフォリア』で有名なサム・レビンソンになり、2023年6月4日から配信されました。当初、全6話と報じられていましたが急遽変更され、全5話のシリーズとして放送されています。

結果として、作品が女性視点過ぎるとザ・ウィークエンドが評したドラマは、男性視点過ぎるドラマになってしまったようです。

低評価の嵐

公開されるとすぐに映画批評サイト『ロッテントマト』や『IMDb』での低評価のレビューが付きます。

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(2023年11月12日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

これでもずいぶん低評価ですが、実態は見かけよりももっと悪いという説もあります。

2023年7月2日には、『The Idol』の高評価レビューはボットではないかと検証する記事が公開されています。

ストーリーのどこが批判されている?

カリスマ性のないカルト教祖テドロス、性豪過ぎるジョセリン、マネージャーとレコード会社の重役たちは金儲けしか考えていない、ジョセリンの取り巻き件アシスタント(幼なじみ2名)はイエスマンという描かれ方です。

  • ジョセリンは母親から虐待されていたと明かしてファンの共感を得るシーンがある。その虐待話にはジェセリンによるウソと誇張が含まれている可能性が示唆されている。
  • ジョセリンの元彼が女性を暴行したと告発されるが、これは虚偽の告発だった。Me Too運動を冷やかしたいサム・レビンソンの意図が見える?
  • ジョセリンは荒いプレイが好みと描かれているが、これはサム・レビンソンの性癖ではないかと批判されている(ユーフォリアにも似たような描写があるので)。
  • ジョセリンはいつでもどこでも乳首丸見え、お尻の割れ目も常に見えている。露出過剰だし、必然性が感じられない。
  • ジョセリンが何を考えているかよくわからないが最終的にテドロスを手玉にとる。これがサム・レビンソンとウィークエンドから見た女性像?
  • ジョセリンが泣きながらタバコを吸うシーンが多い。表現が単調。

最終話まで観ても、説明不足でストーリーが投げ出されたような感覚になります。全6話だったものを5話にしたので意味不明になったのかもしれません。短縮の影響を受けていないはずの第1話も疑問の点はあります。

批判集中

子役スターからセクシーなアイドル歌手に生まれ変わりたいジョセリンは、予定されていたシングル曲に大幅にアレンジを加えています。アレンジを加えた曲は(性的な意味で)生々しく、商業的に成功しそうにありません。

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(2023年8月27日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

ジョセリンのファンが子どもたちであれば、性的だと理解できずに喜ぶ可能性もありますが。

好意的に解釈した意見には厳しいコメントをする人がいます。

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(2024年3月31日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

YouTuberの『The Idol』レビューは、ほとんど全員そろって「サム・レビンソンは虐められる女性を撮りたいだけ。最低な作品だった。」という内容で興味深いです。判で押したようで不気味ですが、これ以外の意見を表明するのは視聴者受けが悪いからかもしれません。

最初の監督エイミー・サイメッツは、ジョセリンが子役スターだった頃の映像を撮っていたようです。

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(2023年9月24日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

リリー・ローズ・デップはアメリカの子役スター……には見えません。子役スターだった過去が描写されれば説得力が増したのかもしれませんが、リリー・ローズのイメージからは不自然な気もするので、カットしてよかったのかもしれません。

公開前に、この夏最高のドラマになるとサム・レビンソンは豪語していました。真逆の結果になっています。

演技力が高くないのに出演した上、プロデューサーとして現場を引っかき回したザ・ウィークエンドの好感度が下がっています。ザ・ウィークエンドとサム・レビンソンが作った『The Idol』はあくまで男性視点です。

ジョセリンが主人公だと思うと物語をとらえ損ねてしまうのかもしれません。「女を支配したと思ったらその女はファム・ファタールで破滅させられたかわいそうで一途なオレ」に酔いたい人のためのお話です。そのような作品が好みであればお勧めします。

『The Idol』で描かれる人間関係が希薄で、すぐに裏切りが発生するのはハリウッドの真実なのだろうと思わされます。過剰な裸体や性行為のシーンは蛇足です。当初の予定通りの作品になっていたらどうだったのかと思わずにいられません。

Image: kayla saysThe Idol: Television’s Most Boring Hate Watch

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