サイバー攻撃で世論を動かし女性を犯罪者扱いした黒幕は誰だ シエナ・メイ対ジャック・ライト事件の真相

炎上

男性TikTokスターのジャック・ライト(Jack Wright)が女性TikTokスターのシエナ・メイ・ゴメス(Sienna Mae Gomez)を性的暴行で告発して1か月あまり。シエナがポッドキャストに出演して、ジャックに再度反論しています。さらに何者かが、ボットを利用してシエナに中傷コメントをしていた事実も発覚します。

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これまでの経緯

シエナは2021年5月にジャックの友人複数から「男性に不適切な行いをする人だ」とSNSで告発されました。ジャックの友人は編集された「気を失ったジャックに無理やりキスをするシエナの動画」を公開しています。ジャックのファンの一部はこの動画を決定的な証拠とみなし、「シエナ・メイは性犯罪者」と主張しています。

ジャックの友人たちがシエナを告発する間、ジャック本人は沈黙を貫いていました。ジャックは半年以上経った2022年1月20日になりYouTubeで17分の動画を公開して自らシエナからされたイヤだったことを告発します。

ジャックは告発動画に先駆けてTikTokで予告をしていました。予告動画のジャックは、シエナがしたことは「ほぼ性的暴行犯の所業だ」と音楽に合わせて口を動かしていました。

ジャックの告発の数日後、シエナは文書で反論しています。

シエナはジャックに反論していますが、TwitterやTikTokではジャックに同調しシエナを糾弾する意見が大多数です。しかし、ジャックの主張も盤石ではありません。ジャックはシエナを性的暴行犯と呼んでいますが、警察に通報した記録もなく、そのため捜査も行われておらず、法的に訴える様子もありません。人を犯罪者呼ばわりするからには、確固たる根拠が必要なはずですが、ジャックは決定的な証拠は出していません。それにも関わらずジャックはシエナを暴行犯だと表現しています。

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シエナの反論

シエナは2022年2月23日に公開されたBFFのポッドキャストに弁護士と犯罪捜査の動画解析の専門家とともに出演しています。

SIENNA MAE GOMEZ SPEAKS ON JACK WRIGHT ALLEGATIONS — BFFs EP. 71

専門家は「ジャックの友人が暴行の証拠として公開した動画は法廷では証拠として採用されません。動画は2.5秒と短く、編集が加えられ、音声も加工されているからです。この動画を犯罪の証拠として扱うわけにはいきません。」と説明しています。

シエナはジャックの告発内容を改めて全面的に否定しています。シエナは「ジャックと最後に会ったのはハワイ旅行のとき。そこでジャックに、思わせぶりな言動をして私を利用してきたのはひどい、ファンに私たちは交際していませんって動画でハッキリ報告しよう、と提案した。ジャックとケンカになり、その後相次いで『告発』がされた。」と話しています。

シエナとジャックの話はかみ合いません。それぞれが自分の視点で出来事を語っているようですが、事実はどこにあるのか不明です。

シエナの弁護士は「ジャックへ名誉毀損の訴えを起こす可能性も含めて状況を見ている」と話しています。さらにサイバーセキュリティの専門家が見つけた、何者かがボットを使いSNSに大量の悪質なコメントを残している証拠も紹介しています。

怪しいボットの数々

BFFの動画1時間4分から、シエナへ行われたサイバー攻撃を分析した専門家の見解が紹介されています。4名の専門家は、シエナのYouTubeコメントやInstagramで悪質なコメントをしているアカウントに大量のボットが含まれていたことを証拠付きで報告しています。

司会者のデイブ・ポートノイは「この報告書みても意味ないけどね。インフルエンサーは世論を味方に付ける戦争をしているから、ボットを使うなんて常識だ。汚い手段だけど、この業界でボットが使われているのは確かだ。」と話しています。

シエナの弁護士は「このようなボットを使った攻撃は違法です。」と話しています。シエナは「動画が公開されたたった17秒後に悪質なコメントがあり不気味だった。」と話しています。司会者のジョッシュ・リチャーズは「最初のコメントはコメント欄全体に影響を与えるので、ボットを投入したのだろう」と納得しています。

シエナへのボット攻撃を誰が依頼したのか現時点では不明です。

Twitterでシエナを批判するアカウントを見ると、ボットが多いことに気付きます。例えば、こちらのアカウントです1。このアカウントは2022年1月に作られたアカウントで、6件のツイートをしています。すべて、シエナを批判するツイートです。2件はジャックが告発動画を出した直後、4件はBFFのポットキャストに出演した直後にツイートしています。

Sienna mae jack w

怪しいアカウント

熱心にジャックを擁護していますが、ジャックのフォロワーではありません。不思議です。

さらに、このアカウントがフォローしているアカウントの多くは、ジャックがシエナを告発した2022年1月20日もしくはその前後に作られていました(クリックで拡大)1

どれもほぼツイートをしていない、怪しいアカウントです(クリックで拡大)。

黒幕は誰か?

このTwitterアカウントを作ったのがジャックのファンだとしましょう。すると、まず、ジャックが告発動画を投稿した当日、このファンはいてもたってもいられずアカウントを作ります。直ちにジャックの動画の一部を切り取ってツイートします。前後の日に作られたばかりの、まだ何もツイートしていないアカウントをたくさんフォローします。しかしなぜかジャックのTwitterをフォローするのは忘れます。その後、1個だけリプライツイートをすると満足し、丸々1か月間、何もツイートしません。ところが1か月後、BFFポットキャストにシエナが出演すると立て続けに4回ツイートし、どうやらまた満足して何もしないことに決めたようです。ボットでなければ実に奇怪な人です。

このアカウントと、このアカウントがフォローしている怪しいアカウントの数々がボットなのはほぼ確実でしょう。これは氷山の一角です。ボットは多数あるでしょう2。何者かが組織的にシエナを攻撃しているようです3。ボットでシエナを攻撃するためには業者に多額の費用を払う必要があります。シエナを攻撃すればその費用を払ってもあまりある利益を得られる人物が黒幕なのでしょう。

なお、ジャックは告発動画を出した後、TikTokのフォロワー数を数百万伸ばし、総フォロワー数1000万人を達成しています。

  1. このアカウントのツイートはこちらの記事で紹介していた。
  2. InstagramやTikTokでもボットが使われていたと報告されている。
  3. もちろん、ジャックに好意的なコメントを書いているのはボットだけではない。たとえば、ボットで工作をしていない可能性が高いと想像されるスペイン語圏のYouTube動画のコメント欄もジャック・ライトに好意的である。しかし、ボットで世論を誘導することはできる。
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