未成年に相次いで暴行してきた疑惑があるYouTuberのオニシオン(Onision)について、ディスカバリーチャンネルがドキュメンタリーを公開しています。2020年1月4日に第一話が公開され、多くのYouTuberが話題にしているので紹介します。
オニシオンは2006年からYouTubeに動画を公開しています。彼は未成年のファンを狙い連続して暴行してきた疑惑が以前から指摘されています。
多くの被害者が名乗り出て残酷な虐待の様子を告発していますが、捜査の進展はないようです。多くのYouTuberがオニシオンの実態を告発してきました。
オニシオンを批判してきた代表的なクリエイターは以下のとおりです。
- エドウィン(Edwins Generation)登録者数28万1000人
- レプシオン(Repzion)登録者数77万人 レプシオンはオニシオンに訴えられたことがあります。
- レプズィラ(Repzilla)登録者数17万人
- ジェイ・オーブリー(j aubrey)登録者数54万人
- テミミ(TehMimi)登録者数11万人
- クリープショーアート(CreepShow Art)登録者数40万人
- ザ・ライト・オピニオン(The Right Opinion)登録者数100万人
- ブレア・ホワイト(Blaire White)登録者数93万人
多くのYouTuberが様々な動画を作ってきた後なので、ディスカバリーチャンネルは徹底的な調査をしたドキュメンタリーを出してくることが期待されますが、どうやら期待外れだったようです。
信用を失ったクリス・ハンセン
話は少しさかのぼります。2019年、多くのYouTuberがオニシオンを批判しているなか、騒動に介入してきた人がいました。「ジャーナリスト」を自称するクリス・ハンセン(Chris Hansen)です。クリス・ハンセンはテレビ界から追い出され、最近はYouTubeに手を出していました。
クリス・ハンセンは2004年から放送された番組『To Catch a Predator』の司会を務めていましたが、いきすぎた番組の演出のせいで死者を出し、私生活では不倫も暴露され司会をクビになりました。その後は、うさんくさい商売に手を染めてきたようです。
落ちぶれた有名人がYouTubeを始めるとYouTuberの批判を浴びることがよくあります。YouTuberを見下していたり、空気の読めない行動をしたりするからです。YouTuberのジョン・スワンはクリス・ハンセンのYouTubeでの行状を批判しています。
これに対し、クリス・ハンセンはYouTubeで批判してきたクリエイターに対し著作権侵害を申し立てチャンネル閉鎖へ追い込み、個人情報をさらしました。その上、オニシオンの被害者のパソコン(重要な証拠品)をFBIへ提出すると宣言しましたが、実行には移していなかったようです。
結局、クリス・ハンセンはYouTuberたちにいやがらせをしたのは、チャンネルのプロデューサーであったヴィンセント・ニコトラ(Vincent Nicotra)だと話し、責任回避しています。クリス・ハンセンはヴィンセントをクビにして逃げているようです1。
落ちぶれ「ジャーナリスト」のクリス・ハンセンですが、しばらくオニシオンの周辺を探っていました。一部の視聴者は彼が警察に情報提供をして捜査が進む可能性を期待していたのですが、彼が考えていたことは違ったようです。
オニシオンの周辺を探ったクリス・ハンセンは「これらの内容を大手メディアへ売り込む」と話して、オニシオンへの捜査が開始すると期待していた視聴者を落胆させます。
結局、クリス・ハンセンは金の臭いを嗅ぎつけオニシオン関連の動画を作っていただけでした。そして、クリス・ハンセンがオニシオンのネタを売った先がディスカバリーチャンネルだったのです。
“Onision: In Real Life”第一話について批判
多くのYouTuberがクリス・ハンセンとディスカバリーチャンネルが作ったドキュメンタリーを批判しています。批判内容は以下のとおりです。
- ディスカバリーチャンネルの広報担当が「無料でドキュメンタリーの宣伝をしてほしい」とYouTuberに依頼していた2。
- クリス・ハンセンが介入したことで、オニシオンの捜査が本格化すると思っていたが、ドキュメンタリーが制作されただけ。
- クリス・ハンセンはオニシオンの被害者たちを取材していたが、ドキュメンタリーを制作する許可を得ているのか?
- クリス・ハンセンはYouTuberが調べた内容を横流ししているだけ。クリス・ハンセンは手抜きをしている。
- 「クリス・ハンセンがYouTubeでオニシオンを扱ったおかげでオニシオンが批判され始めた」とドキュメンタリーのプロデューサーであるスティーブン(Steven Asarch)3が話しているが、事実ではない。
- ドキュメンタリーに出演したYouTuberのエドウィンは無償で参加している。※エドウィンは構わないと話している4。
YouTuberのジョン・スワンです。
なんでドキュメンタリーの第一話が『僕はバナナ』なんだよ!5クソワロタ
(2021年1月5日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ドキュメンタリー内で「□リ」というコメントをそのまま表示しているので笑われています。
(2021年6月6日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
クリス・ハンセンが解雇したヴィンセントはモザイクをかけられた状態で出演しています。
(2021年1月18日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ネットに慣れていない人にわざわざネットのあれこれを説明する気は起きないが、何が起こっているのかはよくわかる。60歳のブーマーにオニシオン騒動をうまく扱えるわけがない。
(2021年1月18日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
オニシオンのドキュメンタリーにプロデューサーとして参加したスティーブンはこのように釈明しています。
いくつか説明を
私は編集に口出ししていないし、全エピソードを観たわけではない。私も一般公開と同時に観ている。
私が「クリス・ハンセンの介入のおかげで捜査に進展があった」と話したくだりは皮肉のつもりだったが、ドキュメンタリーでは違う印象を与えてしまった。
A few things about the doc:
– I had no involvement with the edit and still haven’t seen all the episodes, I’m seeing it when you are.
– That quote that makes Hansen seem like he was the start of the Onision investigation was meant to be sarcastic but didn’t come off that way.— Steven Asarch ? Home (@IAmAsarch) January 4, 2021
ドキュメンタリーの第一話に出演していたシャイロ(オニシオンの被害者の一人)は、当初「絶対にドキュメンタリーに出演しない」と話していましたが、出演しています。
(2021年1月7日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
評判の悪い人物を取り上げたドキュメンタリーに評判の悪い人物が出演して評判を下げたというさんざんな結果になったようです。今後、続きが公開されるので評価が変わる可能性もありますが、第一話は批判の声が目立ちました。
参考:エドウィンの動画です。彼はYouTuberとしてドキュメンタリーに出演していますが、クリエイターから批判の声は出ていません。むしろ、クリス・ハンセンよりオニシオンを理解している人がドキュメンタリーに出演するべきなので必要だったという意見もあります。
ティップスターの動画です。ドキュメンタリーを観た感想を話しています。
(2022年4月17日:削除されたYouTube動画をキャプチャ画像で置き換えました。)
レプズィラの動画です。依頼を受けるも、ドキュメンタリーに出演しなかった理由を話しています。