びっくりニュースが飛び込んできました。大人気YouTuberが自分の経営するレストランを訴えたのです。大人気YouTuberとはミスタービーストで、2020年に開業したミスタービーストバーガーを訴えています。正確には、名義貸しをした先の会社に契約を解除したいと訴訟を起こしたようです。
ミスタービーストバーガーはゴーストキッチンのチェーン店を運営する会社バーチャル・ダイニング・コンセプツ(Virtual Dining Concepts) と契約していました。
ミスタービーストバーガーとは
ミスタービーストのYouTube登録者数は1億7600万人、動画を投稿すれば1億回再生されるほどの人気です。
バーチャル・キッチンあるいはゴーストキッチンは2020年、コロナ禍を受けて大きく広がった業態です。客足の衰えた各地のレストランが、インフルエンサーや大手食品ブランドから請け負って料理を作り、デリバリーする商売です。
ミスタービーストバーガーも例に漏れず、コロナ禍だった2020年にミスタービーストバーガーは大々的に宣伝され、開業時は多くのYouTuberが商品レビュー動画を積極的に投稿していました。
世界中の合計2000店のレストランと契約して事業を順調に拡大していました。
2022年にはニュージャージー州のモールに初となる実店舗を開業しています。オープン初日にはファンが長蛇の列をなして、1日で10000食という記録的な数のバーガーを売っています。一見順調でしたが、ミスタービーストは不満だったようです。
ミスタービーストは、ミスタービーストバーガーのレビューが悪く品質が不安定であることから、ミスタービーストのブランドが汚されたと訴えています。ミスタービーストは損害賠償として10ミリオンドル(約14億円)と弁護士費用などを要求しています。
このミスタービーストの訴えに、バーチャル・ダイニング・コンセプツ(以下VDC)は全面対決の姿勢を見せています。VDCはミスタービーストへ100ミリオンドル(約140億円)の損害賠償を求めています。VDCはミスタービーストの契約不履行と営業妨害を主張しています。
ここまでの内容はLaw By Mikeが動画で紹介しています。
契約に不満があった?
ミスタービーストは訴訟を起こす前からSNSでミスタービーストバーガーに不満があると投稿していました。2023年6月には「契約している2000店舗の品質を管理するのは困難だった。これからはチョコレートブランド『フィースタブルズ』に全力投球する」と投稿して、削除しています。
さらにミスタービーストは「契約解除したいのに、会社が認めてくれない。契約したのは若きビーストの失敗だった」とも投稿していました。こちらの投稿も削除されています。
RedditやX(元Twitter)には「ミスタービーストバーガーが生焼けだった」や「マズいし、商品写真と全然違うものが届いた」といった投稿が少なからず投稿されていました。
Finally ordered our first Mr. Beast burger and then realized after the first bite that it was mostly just raw meat 🙁
by u/killaqueenmac in Wellthatsucks
ミスタービーストはこれらの悪い商品レビューが、自身のブランドに悪影響があると判断したようです。
ミスタービーストが直接ゴーストキッチンを運営しているわけではないので、契約している各地のキッチンの品質を管理するのはさぞかし難しいだろうと思われます。ゴーストキッチンと契約したと発表があった時、多くのYouTuberがミスタービーストのビジネスの才覚を褒めていましたが、3年経ちそれほど良い話ではなかったと気付かされます。
契約を交わし、ビジネスが本格的に動いてしまった後での訴訟なので、解決まで長くかかりそうです。
YouTuberの副業は一般に、この手の名義貸しのような商売はトラブルになりやすいのですが、一方で自分で100%やろうとしてもOompavilleのようにトラブルになることがあります。
工業生産品であれば品質の問題が発生しにくいので、フィースタブルズの方が安心なのは理解できます。ローガン・ポールとKSIのPRIMEも同様です。
不満があったとミスタービーストは言っていますが最初の二年間は特に文句を言わず、実店舗の開業日には現地にも顔を出していました。何か表には出てきていない事情もありそうです。