子どものけんかに親が介入し、こじらせてますます問題を大きくしてしまうことがあります。最近起こった一例を紹介します。
最初にハラスメントを互いにしあっていたのは未成年のTwitchストリーマーたちです。当事者は17歳のキリック(Kilik)と16歳のロベルト(Roberto)、そしてロベルトの妹で15歳のガブリエラ(Gabriela)です。ロベルトとガブリエラの両親はYouTubeチャンネル『ビーファミリー(The Bee Family)』を運営しています。この両親が子どもたちのけんかに介入し、批判を浴びています。
問題の発端
2022年1月8日、キリックとロベルトはDiscordで面白半分でロースト・セッション(互いの弱点をあげつらう遊び)をしていました。
1月14日、キリックのライブストリームがロベルトたちからヘイトレイドに遭います。ヘイトレイドとは自分の視聴者を別のストリーマーに送りつけて攻撃させることです。主としてキリックのゲームの技術力不足を攻撃する内容でした。ヘイトレイドを受け、キリックはロベルトをチャットから出禁にします。
1月26日、ロベルトはまたもキリックを標的にしたヘイトレイドを行います。怒ったキリックはロベルトの妹ガブリエラの写真を出して不適切なコメントをし始めます。この発言に怒り、ガブリエラとロベルトの両親(ビーファミリー)がキリックを批判する動画を1月27日に公開します。
その内容は、「これはハラスメントだ。ガブリエラに性的なコメントをしたのは許せない。キリックは動画プラットフォームから排除されるべきだ!」と強い口調で批判するものでした。
この動画では、「キリックは19歳の男性で、15歳の娘に悪意ある性的なコメントをしています。」と話していました。キリックは17歳ですが、必要以上にキリックの立場を悪く見せるためにウソをついているようです。さらにビーファミリーは「YouTube社の担当者と連絡をとり、キリックのチャンネルが存続できないように通報しました。あなたはチャンネルを持つべき人ではありません!」と断罪しています。
ビーファミリーは天狗ぶりを発揮する珍発言もしています。「ガブリエラは女王だけれど、キリックは王ではない。キリックは道化師。」などと表現しています。尊大です。
その後の展開
キリックはガブリエラに謝罪して、状況を説明する動画を複数投稿しています。キリックは、ロベルトから嫌がらせを受けたので怒っていた、仲直りをしようと連絡をとっていたが、ロベルトから無視されていたことを証拠付きで説明しています。さらに、ビーファミリーの偽善も指摘しています。
状況を見ていた視聴者からは、ガブリエラの両親へ批判の声が噴出しました。ガブリエラの両親が運営するYouTubeチャンネル『ビーファミリー(The Bee Family)』は953万人の登録者がいます。キリックのYouTubeチャンネルの登録者は4万人です。子どものけんかに親が乗り出してきて、未成年の弱小クリエイターであるキリックを大物家族チャンネルが攻撃した不公正さが視聴者からは指摘されています。
批判を受け、ビーファミリーがキリックを批判している動画は検索では見つからない状態(アンリステッド)になっています。登録者数が減ったため、けんかが人目につくのはまずいと思ったようです。
その後、ロベルトが人種差別用語を使用しているメッセージまでリークしています。
(2024年9月20日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
このリークを受けて、ディスコードのモデレーターが「ロベルトのアカウントはクラッキングされていました。人種差別用語を使ったのは乗っ取られていたからです」と釈明しています。真偽は不明です。ロベルトの人種差別発言については以前にビーファミリーはツイートで否定していましたが、そのツイートは現在削除されています。
ここまでの内容はスピルが紹介しています。
家族チャンネルの罪?
不適切な発言をしたキリックにも非がありますが、17歳の少年なら仕方ないような失敗に思えます。一方、家族YouTuberのビーファミリーは巨大な登録者数を利用してキリックのチャンネルを消そうとしていました。これは過剰反応でしょう。結局、ビーファミリーはキリックを批判する動画をアンリステッドにしているので、分が悪いと気付いたようです。
個人的には、児童就労を課したりプライバシーを侵害したりするので、家族チャンネルは禁止するか適切な規制をして欲しいと思っています。このままでは彼らのような思い上がった人々はまだ活躍し続けるのでしょう。
Image: The Bee Family Lied To Us, World’s Best Videos