コラボしたYouTuber全員とケンカをして干されてしまったYouTuberがいます。Vineアプリで有名になったギャビー・ハナ(Gabbie Hanna)です。ギャビーが人気の絶頂だったのは2016年頃で、実生活で起こった妙な事件を面白く語る動画で人気になりました。
チャンネル名の「ギャビー・ショー(The Gabbie Show)」は、友人がギャビーに付けたあだ名に由来しています。いつも大声で話して注目を得ようとするギャビーを「ギャビー・ショー」と呼んでいたのです。
ギャビーは2017年にチャンネル名を「ギャビー・ハナ(Gabbie Hanna)」に変更して、歌手や作家としての活動に切り替えようとします。イメージを刷新して、新たなキャリアを歩む計画でした。しかし、うまくいっていません。
度重なる炎上のせいで、ギャビーはいじりの対象になってしまっているからです。歌を出せばミームになり、本を出せば盗作疑惑が浮上し、安物の化粧ブラシを宣伝すれば詐欺疑惑が浮上しています。
炎上だけではなく、ギャビーは多くのYouTuberとケンカもしてきました。代表的なのは、ライス・ガム、ジェシー・スマイルズ、トリシャ・ペイタスなどです。コラボしたYouTuberたちからは次第に距離をとられ、気付けばギャビーは孤立してしまいました。
そんなギャビーは最近、「今まで私をいじめてきたYouTuberたちの悪事をさらしてやる!」と豪語して、ドキュメンタリーを公開すると告知していました。執筆時、プロローグを含めてパート8まで公開されています1。
ギャビーのドキュメンタリーはギャビーの名誉を回復させるどころか、非常に評判が悪く、逆に視聴者や関係者の怒りを買う結果になっています。
今回は、ギャビーが炎上している理由の一端を紹介します2。
ジョーイ・グラセファを批判
2021年6月27日にギャビーが公開した『チャプター4 Escape the Nightmare』はYouTuberのジョーイ・グラセファ(Joey Graceffa)とダニエル・プレダ(Daniel Preda)をやり玉に挙げています。
(2021年10月24日:削除されたYouTube動画をキャプチャ画像で置き換えました。)
この動画タイトルはジョーイ・グラセファが司会を務めていたYouTubeオリジナルの番組“Escape the Night”をもじったものです。ギャビーは“Escape the Night”のシーズン2(2017年)とシーズン4(2019年)に出演していました3。
問題になっているのはシーズン4に出演した際のギャビーの態度です。ジョーイとダニエルはほかのYouTuberのポッドキャストにゲスト出演するたび、シーズン4の撮影が困難だったと話していました。「一人のYouTuberの態度が非常に悪く、現場の雰囲気が悪くなっていたのが悩みの種だった」そうです。ギャビーはこの人物とは自分のことで、ジョーイとダニエルが方々でこの話をしているのは自分に対するいじめだと主張していました。
ギャビーは撮影現場には様々な問題があったと主張しています。主に以下の3つです。
第一に衣装合わせです。ギャビーは摂食障害に苦しんでいることを公言しており、窮屈な衣装を着ることを非常に嫌っていました。衣装合わせで正しく採寸されていなかったため、仕上がった衣装が窮屈で身動きが取れなかったそうです。
第二に食事です。ギャビーは健康的な食事(サラダやたんぱく質)を摂取させてくれるように希望していましたが、撮影現場ではこの希望は叶えられていませんでした。
第三に撮影現場の拘束時間が非常に長く、無駄な時間が多かったことです。彼女はできれば余った時間で何かをしたかったそうですが、それは叶えられませんでした。
ロザンナとジョーイの反論
ギャビーがこの動画を出すと大きな反響がありました。シーズン4まで続いた“Escape the Night”に出演してきた様々なYouTuberたちがジョーイとダニエルを擁護するSNS投稿を開始します。もっとも注目されたのはYouTuberロザンナ・パンシノ(Rosanna Pansino)のTwitter投稿です。ロザンナは長文のメモを投稿し、ギャビーの主張を真っ向から否定しています。
In regards to @GabbieHanna’s video. pic.twitter.com/ljbShvjOsF
— Rosanna Pansino (@RosannaPansino) June 28, 2021
ギャビーは撮影に非常に非協力的でわがままであったこと、彼女だけ特別待遇にするようにジョーイたちに要求していたことなどを暴露しています。さらにロザンナは、「14年間のキャリアの中でギャビーほど意地悪で性格に難がある自己中心的な人と撮影現場で遭遇したがことない」と辛辣に書いています。
このツイートには執筆時で6万件のいいねが付いています。いいねをした人の中には共演していたタナ・モジョ(Tana Mongeau)やアレックス・ワサビ(Alex Wasabi)もいます。
ギャビーに批判されたジョーイも自ら動画を投稿し全面的にギャビーの主張に反論しています。ジョーイの反論は以下の通りです。ギャビーの主張する、衣装合わせと食事と拘束時間について一つ一つ反論しています。
衣装合わせは3回にわたって行われましたが、ギャビーは一度しか参加しなかったそうです。それなのにギャビーは撮影初日に衣装が合わないことに怒り、係に怒鳴り散らしていました。
食事についても、出演者には事前にアレルギーや食事の好みのアンケートをとり、その通りに事前に手配をしていました。しかし、ギャビーはそのアンケートに回答していなかったそうです。そのせいで急遽プロデューサーを務めていたダニエルが毎日スーパーマーケットに行きギャビーのためだけに3種類のサラダを買ってくる手間が生じていました2。
撮影時間についても、撮影現場は予定変更が多く、早朝から夜遅くまで拘束時間が長いものと決まっています。ところがギャビーは少しでも撮影時間がずれるとわめき散らしていたので、非常に撮影現場の空気が悪くなっていました。そこでシナリオを書き換え、第5話でギャビーの演ずるキャラクターが消えるように変更しました。ギャビーが消えると驚くほど現場の雰囲気がよくなりました。
ギャビーは動画で自分の立場を主張していましたが、その主張はウソもしくは現実とはかなりかけ離れたものであったようです。ギャビーのドキュメンタリーシリーズはまだ続くようですが、これからも多くのYouTuberを巻き込んで炎上しそうです。
執筆時、ギャビーのドキュメンタリーシリーズの動画の低評価・高評価は隠されています。
Image: Curtis Price, The Proud Community VS Gabbie Hanna | PewDiePie’s 9 year olds join in