自宅で過ごす時間が増えてNetflixやHulu、Amazonの動画配信を楽しむ人が増えています。YouTubeも例外ではなく、動画の視聴時間は伸びる一方です。しかし意外なことに、動画の再生時間が増えてもYouTuberの収益が増えているわけではないようです。
今回は2020年4月16日に公開された、こちらTubefilterの記事を元に書いています。
ハンク・グリーンの問いかけ
VidConを立ち上げたグリーン兄弟の一人、ハンク・グリーンがYouTuberにこのように問いかけました。
YouTuberのみんな、CPMを公開してくれ! これがうちの全チャンネルの過去28日間だ。これは2013年の1月以来の最低値だが、みんなはうちよりもっと下がったのではないかと思っている。
YouTubers, please share you CPM! This is our whole network over the last 28 days. Our lowest since January 2013, but I assume we’ve dropped less than many. pic.twitter.com/8WcVyPxSdY
— Hank Green (@hankgreen) April 15, 2020
CPMは1000再生あたりの広告費を指します。CPMが下がるとYouTuberにとっては収入減になります。
ハンク・グリーンは系列のチャンネルすべてのCPMが下がったと話しています。クラッシュ・コース(Crash Course)、サイショー(SciShow)、サイショー・キッズ(SciShow Kids)は過去28日間で平均して28%下がっています。再生回数は15%伸びたのに。
YouTube登録者数37万人のScrapManはチャンネル開設以来の低いCPMだと話しています。38%下がっています。
Recent days have had CPM lower than my entire channel history. pic.twitter.com/Ux7OeG7WEI
— ScrapMan (@ScrapManYT) April 15, 2020
YouTube登録者数66万4000人のテクノロジー・コネクションズ(Technology Connections)は21%下がっています。
(2022年12月17日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
YouTube登録者数1810万人の美容YouTuberのジェームズ・チャールズは20%下がったと話しています。
mine is down 20% ?
— James Charles (@jamescharles) April 16, 2020
一方でCPMが上がったクリエイターもいます。
YouTube登録者数9万人のザ・フルート・チャンネル(The Flute Channel)は44%上がっています。しかし今週下がってきたそうです。
Overall we’ve been okay but this is our last 30 days and it’s stayed around like that for the past year. But we’ve noticed a drop this week. pic.twitter.com/0nUK6tpwKO
— The Flute Channel (@theflutechannel) April 15, 2020
YouTube登録者数1万5400人のネイチャー・リーグ(Nature League)は過去6週間かつてなく順調だったそうです。視聴時間は300%以上伸び、CPMは3%しか下がっていません。
Interestingly enough, @Nature_League has been doing better over the last 6 weeks than in the lifetime of the channel. Here’s the CPM factor, but for the record, my watch time for the last 28 days is up ~400% pic.twitter.com/EdzB5yeHCe
— Brit Garner (@BritGarner) April 15, 2020
YouTube登録者数5万8300人のRosianna Halse Rojasは26%上がっています。
(2020年7月12日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
何が起こったの?
なぜCPMが下がったのでしょう? Tubefilterの記事では、COVID-19で経営が傾きそうな中小企業が経費削減のためまず広告費を減らす方針をとったと推測されています。比較的余裕のある企業でも、新規のキャンペーンを延期していると思われます。そのため全体としてYouTubeに流入する広告費が減り、動画再生回数がかつてなく順調なチャンネルでも、CPMが下がっているようです。COVID-19の流行が続く限り、改善の見通しはありません。
Image: vlogbrothers, Christian Wiediger