2019年のYouTubeはクリエイターの大炎上や、ケンカが頻発していました。クリエイターの炎上やケンカが過熱すると、誹謗中傷に近いと思われても仕方がない動画が投稿され始めます。このような他人を批判し、恫喝するような動画を規制しようとYouTubeは対策に乗り出しました。
YouTubeのCEOスーザンは著名なクリエイターたちと対談し、ハラスメント対策について意見交換をしてきました。
古参YouTuberのシェーン・ドーソンや、2019年に大炎上した美容YouTuberのジェームズ・チャールズ、詐欺まがいの商品をファンに売りつけ批判されてきたゾエラ(Zoella)1のパートナーのアルフィー・デイズなどです。スーザンが対談したクリエイターたちは、「クリエイター代表」とは言えないような、特殊な意見を持つYouTuber2ばかりです。彼らの意見がどの程度反映されたのかは、不明です。
アルフィー・デイズは「他人を批判するような動画を公開するコミュニティには属したくない、非収益化するべき」と話していました。
ジェームズ・チャールズは「(自分を批判する)ドラマチャンネルは削除されるべき」と過激な発言をしています。
どちらも、批判の的になった経験があるクリエイターの意見です。しかし、気に入らない意見だからと封じ込めても良いのでしょうか? 批判の中には建設的なものもあります。人気が出ると天狗になって傍若無人な振る舞いを見せるYouTuberは少なくありません。そのような人々を批判するのは必要なことでしょう。すべての批判が「ハラスメント」なのではありません。
本日から、YouTubeの新しいハラスメント規約が施行されました。この規約は、有名なクリエイター・セレブ・政治家・その他の公人についての人種・性表現・性的指向を標的にした攻撃などを対象にしています3。
ガイドラインの反響
YouTuberのIdubbbzのツイートです。
(YouTubeから動画を削除したお知らせを添付して)お気に入りの「いじめ動画」が消される前にダウンロードしてね。
Download ur favorite bullying vids, before yt takes them down pic.twitter.com/3YajQJbr5G
— German dad from the 70s (@Idubbbz) December 11, 2019
【速報】YouTuberのGokanaruがH3H3を批判した動画がハラスメント規約に違反しているとして削除された。よくない兆候だ。
(2020年3月25日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
(未成年や女性に暴行してきた疑いがあるクリエイターの)オニシオンはそのままYouTubeにいるのに、ドラマチャンネルは非収益化される
When Onision still has a platform and drama channels get demonetized. #youtubeisoverparty
— TubeTeaYT (@TubeTeaYT) December 11, 2019
もう我慢の限界。YouTubeで働いている人は、本当にクリエイターと視聴者のことを考えているのか? 広告主と利益しか見ていないのか。新しい規約はムカつくし、YouTubeのよかったところを全部ダメにしてしまった。
(2020年5月24日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ネタになってるが、YouTubeがどれだけクリエイターやコミュニティをむちゃくちゃにしているか自覚してほしいね。YouTubeを支えているのが誰かも、YouTubeで生計を立てている人がたくさんいることも忘れてしまったようだ。
(2024年10月27日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
YouTubeが人気になったのは、YouTuberどうしのケンカや炎上があったからだ。批判と、ハラスメントの境界線があいまいになり、規約が何を意味しているのか誰にもわからない。
The entire reason YouTube became massive was YouTubers having beef and drama.
The line between criticism and “harassment” is now so blurred, nobody knows where they stand.#youtubeisoverparty
— Paul Joseph Watson (@PrisonPlanet) December 11, 2019
#youtubeisoverparty(#ユーチューブ終わった祭)がツイッターでトレンド入りしてる。YouTuberのIdubbbzのコンテント・コップ4がYouTubeから消えてしまうのは、がっかりどころじゃない。みんなが影響を受けてる。あの動画は何週間もかけて制作された芸術だ。クリエイター、クリエイターたちが築き上げたコミュニティ、ネットの歴史への配慮はなし。
#youtubeisoverparty trending.
beyond disappointed to see @Idubbbz content cop deleted completely from youtube. so many effected. that video took weeks to make and IS ART.
no regard for their creators, the community we’ve built together and important parts of internet history.
— Jesse Tyler Ridgway (@McJuggerNuggets) December 11, 2019
ドラマ界隈のツイッターはカオス状態の今日の午前
drama twitter is in SHAMBLES this am
— Here For The Tea (@HereForTheTea2) December 11, 2019
CEOのスーザンへの批判の声が高まっています。
YouTube’s new Harassment policy just removed the Leafy Content Cop.
Thank @SusanWojcicki pic.twitter.com/Rj027Btwoo
— Comment Cop (@CommentCopped) December 11, 2019
今後、削除がどの程度の広がりを見せ、ドラマチャンネルやコメンタリーチャンネルにどのような影響が出るのかは不明です。続報が入り次第お伝えします。
Image: The Rewired Soul, Memology 101
参考:YouTube expands anti-harassment policy to include all creators and public figures
注
- 【2021年3月8日追記】ゾエラについてはこちらの記事で少しだけ触れている。
- 紹介している3名のYouTuberは、視聴者やコミュニティから批判されても仕方がない振る舞いをしてきた過去がある、問題発言が多いクリエイターである。「VIPのYouTuber」なので、一般のクリエイターの声を代表しているわけではない。
- An update to our harassment policy
コンテンツが本契約に違反している、またはコンテンツがYouTube、ユーザー、もしくは第三者に損害を及ぼす可能性があると合理的に判断する場合、YouTubeは独自の裁量によりコンテンツを削除できるものとします。削除する場合、YouTubeはその理由とともに通知します。ただし、通知を行うことにより(a)法律もしくは司法当局の指示に違反する、またはYouTubeもしくはその関係会社が法的な責任を果たせなくなる、(b)本サービスの調査、完全性、運用に支障が生じる、(c)ユーザー、第三者、YouTube、関係会社のいずれかに損害を及ぼすと合理的に判断される場合を除きます。再審査請求を行う方法など、報告や違反措置についての詳細は、ヘルプセンターのトラブルシューティングのページをご覧ください。
正当な理由に基づく YouTube による解除および停止
(a)お客様による本契約への違反が深刻である、または繰り返される場合、(b)法的義務または裁判所の命令に従うために必要である場合、(c)他のユーザー、第三者、YouTube、YouTubeの関係会社のいずれかに不利益または損害を与える(またはその可能性がある)行為が行われていると
YouTube が判断する場合、YouTube はお客様もしくはお客様の Googleアカウントによる本サービスの全部もしくは一部へのアクセス、および、お客様の Googleアカウントを停止または解除できるものとします。 - 【2021年3月8日追記】Idubbbzのコンテント・コップについてはこちらの記事で触れている。