お騒がせコメディアンのサム・ハイド(Sam Hyde)が司会を務める生配信企画『Fishtank Live(フィッシュタンク・ライブ)』が話題になっています。
一部の視聴者からは2023年上半期で最もおもしろいコンテンツだと言われています。
Fishtank Liveとは?
『フィッシュタンク・ライブ』の参加者は8名です。参加者はスマホを没収され、6週間同じ家に住み、毎週課題を出されます。課題に失敗した者は追放され、最終的に残った優勝者に賞金$10,000(約130万円)が与えられます。
司会進行はサム・ハイドが演じるキャラ、ジェイソン・ゴールドストライカー(Jason Goldstriker)が務めます。
参加者の様子は各部屋に取り付けられたカメラによって24時間生配信されます。
視聴者は課金をすれば、参加者にメッセージを送ることもできます。家の温度調節を操作して低温にしたり、高温にしたり、部屋の電気を消したり、推しの参加者にお菓子を贈ったりすることも可能です1。
生配信は2023年4月18日から公式サイトFishtank.liveで始まっていましたが、開始後3日でアクセス過多によりサイトは閉鎖しています2。その代わりに一時的にYouTubeチャンネルSam & Nick’s Perfect Clips で配信されています。
Fishtank Liveの参加者たち
こちらは参加者の紹介をしている動画です。
参加者はビオレッタ(カナダ)、シモンズ(中国)、シルビア(アメリカ)、ジョージー(アメリカ)、マウロ(アメリカ)、ジョナサン(アメリカ)、ヴァンス(アメリカ)、ダミエル(アメリカ)です。
参加者については「活発で元気いっぱいな23歳」と紹介されている人が「無職でDiscordをたまり場にしている」(ビオレッタ)だったり、「歌手」と紹介されている人がInstagramで披露している歌が微妙(シモンズ)だったりします。
ほかの参加者の紹介文も、「型破りで尖った人格」で「コートニー・ラブ3の大ファン」(シルヴィア)、「部屋にはゲーミングチェアがアニメシリーズのぬいぐるみとともに誇らしげにその位置を占め」ている「自称アニメオタク」(ジョージー)、「リアリティ番組についてはどんなトリビアでも知って」おり「該博な知識を誇る」(マウロ)、「言語障害がヨーロッパなまりだと勘違いされることで逆にカリスマが増す」(ジョナサン)、「野球大好き」で「撮影されているのを忘れて裸になってしまわないか心配」(ヴァンス)、「フィリピンとアイルランドのハーフだけど冗談かもしれない」(ダミエル)など、テレビのリアリティ番組の人物紹介としては規格外です。
視聴者の一番人気はジョージーです。椅子に座りくるくる回る様子や、ぬいぐるみを抱いている様子、数を数えながら部屋をぐるぐる回る様子がミームになっています。
YouTuberのフラメンコはひたすらジョージーについてツイートをしています。
I can see Josie took Jason’s advice to spin more to heart. #fishtanklive pic.twitter.com/KAMlyOiqr0
— FlamencoTV (@FlamencoTV_YT) April 21, 2023
フィッシュタンクの参加者の投票では「一番早く帰りそうな人」に選ばれてしまったジョージーですが、ファンは応援しているようです。
視聴者の間では、ダミエルはサム・ハイドの仕込んだ手駒ではないかと疑われています。素人にしてはキャラがおもしろすぎる、というのが理由です。
(2023年11月5日:削除されたInstagram投稿をキャプチャ画像で置き換えました。)
危険な企画?
フィッシュタンクの参加者は知名度を得て、すでにファンが付いています。
フィッシュタンクだけを扱うTwitterアカウントが複数出現し、YouTubeでも名場面を抜粋しているチャンネルが登場しています。
その反面、見世物としていじられている場合もあります。YouTuberのターキー・トムは一人の参加者を知能が低いと表現しています。
その人物は女性蔑視発言や人身売買容疑で家宅捜査されたアンドリュー・テイトの信者ジョナサンです。ジョナサンは一部の視聴者からすでに嫌われています。
サム・ハイドからアンドリュー・テイトがこの企画を見て君のことをツイートしたぞとウソを吹き込まれたり、ジョナサンの「ビジネス」の変なサイトも発掘されています。
視聴者から一番人気のジョージーは、多くの視聴者からは発達障害があるとみなされています。
それ以外の参加者もテレビやSNSで人気になるキャラクターではなく、少しクセがある人たちばかりです。ターキー・トムはなんと2000ドル(約26万円)以上を投じて4参加者たちに悪口を送ったり地味な嫌がらせをしたりしています。
一方、YouTuberのボーブラックスは「Netflixの番組『ラブ・オン・スペクトラム ~自閉症だけど恋したい!』や『ユニークライフ』よりフィッシュタンクの方がずっと良い」とツイートしています。ボーブラックス本人も発達障害を公表しています。
Josie is the real autistic representation we need in media! not stupid shit like “love on the spectrum” or “atypical”
— Josh (@Bowblax) April 22, 2023
フィッシュタンクの参加者をいじりの対象として見る人もいれば、共感の対象として見る人もいるようです。
炎上の可能性あり
生配信を見て強烈なパラソーシャル関係を築く視聴者がいますが、攻撃やいじめの対象にもなっています。
配信6日目には撮影現場の住所が暴かれ、偽の通報で警官隊の訪問を受けて(スワット)います。
(2024年10月27日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
フィッシュタンクは脱落者の出るリアリティ番組ですが、参加者は和気あいあいとしていて6日目までの雰囲気は良い印象です。
熱心な視聴者は「観るのをやめられないが時間の無駄なのは自覚している」と話しています(ツイート)。
しかし課金した視聴者が電気をつけたり消したり、睡眠中の参加者にスピーカー越しに声をかけたりして、だんだん参加者の疲労が蓄積していくことが考えられます。
7日目にはサム・ハイドの仕込んだ手駒(?)ダミエルが放逐されています。スマホを部屋でいじっているのが発見されたためです。正式な追放ではないので、今後ダミエルは復帰する可能性があるかもしれません。
サム・ハイドはMrBeastがリンクをシェアしたので25万人が観ているぞと参加者にウソをついたり、参加者に嫌がらせをしたり3しています。参加者を危険にさらす展開も想定され、今後、フィッシュタンクの企画が炎上する可能性も大いにあります。
注
- ストリーマーのControl My Room Liveのような形式。
- ホスティングのため1日に1万ドル(約130万円)がかかってしまったそうだ。数万人が接続しているとデータ転送料金だけでこれぐらいの金額になることはありうる。
- コートニー・ラブは夫カート・コヴァーンの死に関与した疑いをかけられたり、娘の親権を奪われたりしている人物。
- 家の中のすべての電気を消すのに2000ドルかかるなど、決して安くない。