YouTube登録者数410万人のマイキー(MykieまたはGlam&Gore)が過去の友人に告発されたので紹介します。
(2021年12月26日:削除されたInstagram投稿をキャプチャ画像で置き換えました。)
告発者はYouTube登録者数21万5000人の美容YouTuberスパンキー(SwoopまたはSpankie Valentine)です。
彼女たちは過去2年半にわたって友人関係でしたが、マイキーの陰口、人種差別的発言、LGBTQ差別的な発言をスパンキーが告発しています。
告発動画
2020年10月11日に公開されたスパンキーの動画です。タイトルは『どのようにしてグラム・アンド・ゴアはジェームズ・チャールズやジェフリー・スターおよび黒人コミュニティを利用したか:もうマイキーとは終わり※証拠あり』です。1時間6分の動画でマイキーとの個人的なメッセージを公開して告発しています。
動画の内容をスパンキーが語った順序とは変えて、人種差別関係と陰口関係に整理しました。人種差別関係は以下のとおりです。
- マイキーは2015年頃に「人種差別はどの人種にも起こる問題。白人も差別を受けている1。」などとツイートしている。
- 黒人クリエイターであるスパンキーは「私は美容界で評価されていない、精神的に追い込まれてしまった」とうつになりマイキーに相談するも、マイキーに「美容界は白人女性にも厳しい。LGBTQ+に属するか、人種的にマイノリティに属していないと評価されない世界でもある」と返された。人種差別で苦しんでいるスパンキーに、このような発言をするのは差別的。
- 反差別運動が米国で広がる中、スパンキーの気持ちを蔑ろにしていたマイキーが、ソーシャルメディアで表面上の運動に参加していたのは偽善的。
- 黒人クリエイターのケネス(Kenneth Senegal)がトレッドミルで走りながら化粧をする動画2を投稿した1か月後、マイキーも同じ動画を投稿するもクレジットがなかった。指摘した後も、クレジットを入れようとしなかったのでひどい3。
- スパンキーが黒人差別やこころの問題をテーマにした動画4を投稿した際も、マイキーは応援のコメントをしてくれなかった。
陰口関係は以下のとおりです。
- マイキーがYouTuberのジェームズ・チャールズ、ギャビー・ハナ、タナ・モジョ、ノーヴィナ、ジェフリー・スターについて陰口を言っているメッセージを公開。
- マイキーは「ジェームズ・チャールズやジェフリー・スターのような炎上ばかり起こし努力を怠って才能もないゲイ男性たちが美容界の上位を席巻しているのは納得いかない」と発言していた。
- ジェームズやジェフリーの陰口を言いつつ、マイキーが2人とコラボをして登録者数を増やしたのは卑怯。
これ以外に、マイキーは、歌手のリアーナがDV被害を受けた写真をメイクで再現する動画(2014年)や、飛行機に搭乗して暴行されたアジア人男性をメイクで再現するような動画(2017年)を公開してきたのも不適切だとスパンキーは語っています。
一時期は仲が良かったが、次第にマイキーの発言に疑問を感じて距離をとるようになったとスパンキーは話しています。
視聴者の感想
動画を見た視聴者は、マイキーの私生活での発言と公のイメージが異なるので落胆したと投稿しています。
6年間マイキーのファンだったけど人種差別的でホモフォビアな発言をしていたのは、がっかり。スパンキーの動画を最後まで見てないけど、マイキーへの見方は変わった。もう応援はしないと思う。マイキーは人の話を聞いて、学び、人として成長する必要があると思う。
(2022年8月21日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
マイキーは黒人クリエイターの話を蔑ろにして、白人女性は弱い立場にあると主張して、黒人クリエイターを踏み台に再生回数を稼ぎ、マイクロアグレッションを軽視して、他の文化を盗用し、白人差別はあると信じている。美容界から追放しよう。
(2021年5月9日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
マイクロアグレッションとは、はっきりした差別発言ではなくとも、言葉の端々に差別意識が感じられる発言のことです。YouTuberのタナ・モジョは友人からマイクロアグレッションで告発され、異様な釈明動画を出しました。
また、タナはパフォーマティブ・アクティビズム(ソーシャルメディアでは反差別を装うが、実際には反差別運動に参加しないこと)でも批判されましたが、マイキーも同様に批判されています。
マイキーのInstagram謝罪
人々が騒いでいると、マイキーはInstagramストーリーに謝罪文を4枚公開します5。
要約:過去の動画で糾弾されることを恐れるあまり、謝罪することさえ臆病になっていました。過去を振り返り、自己中心的で、自信のなさを他人のせいにして、常に保身に走り、人の意見を無視してきた自分を恥ずかしく思います。去年は個人的な問題を乗り越え、また多くのことに気付きました。私は共感力に乏しく、忍耐力に欠け、意気地なしでした。改めて傷つけてしまった方へ申し訳なく思います。反省をこれからの行いで示していこうと思います。反差別運動に共に参加する者の役割を生涯を通して学んでいかないといけませんが、これからはより話を聞き、学び、成長していきたいと思います。
異人種間の友情を育むのは難しいと思わせる騒動です。黒人が評価されにくいと悩むスパンキーに白人女性の状況も厳しいとマイキーが答えたのは明らかに不適切です。とはいえ、ジェームズ・チャールズやジェフリー・スターは炎上ばかり起こしているのに人気が衰えないので、なぜ彼らが上位にいるのかと愚痴を言いたくなるのは無理もありません。マイキーのこの発言はLGBTQ+差別だとスパンキーは言っていますが、断言できるのかは判断が分かれそうです。
また、陰口を言いつつコラボするのは美容YouTuberの常なので、キャリアが終わるほど批判されるべきではありません。スパンキーの動画をマイキーが応援してくれなかったことを責めるのも変です。「差別に反対する動画を一つでも応援しないのは差別主義者」とは言えないでしょう。
スパンキーは公に出すべきではないような個人的なメッセージの内容も告発しています。友人を信用して打ち明けた内緒話を公開するのはルール違反でしょう。告発のためそこまでする必要があったのか疑問が残ります。
彼女たちが友人ではなかった時期まで遡り、マイキーの不適切なツイートや動画を掘り起こして晒しているのも気になります。スパンキーは友人だったときはマイキーの過去を問題視していなかったのでしょうか?
お互いの立場を理解する姿勢が欠けると、人間関係は簡単に崩壊してしまうと感じる騒動でした。
注
- マイノリティーが各方面に進出してきて白人が以前よりも活躍しにくくなっていると感じているらしい。
- こちらの動画。
Doing Our Makeup ON A TREADMILL!! (EPIC FAIL)
- オリジナルに対する敬意が欠けていたため美容YouTuberが炎上することは多い。たとえばこちらの記事で取り上げたChelsie Worthyの演出をマニー・MUAとパトリック・スターがクレジットなしに模倣した件など。
- こちらの動画。
UNSPOKEN | short film by swoop
- 2枚目はこちら。
3枚目はこちら。
4枚目はこちら。