大失敗のYouTuberイベントTanaCon その真相に迫る

炎上

TanaCon(タナコン)騒動を紹介します。

ことの発端はYouTuberタナ・モジョ(Tana Mongeau)がVidCon(ファンが動画クリエイターに実際に会うことができる催し)で2、3年に渡って経験した屈辱を動画にしたことでした。タナはVidConの広告塔になっていたにも関わらず、クリエイターパスをVidConの運営側から渡されていませんでした。そのため、セキュリティが無い状態でファンの前に出てしまったタナに興奮したファンたちが押し寄せるというハプニングが何度も起こりました。この騒ぎで会場を危険にさらしたという理由で、タナは出入り禁止を言い渡されました。

これらはVidCon運営側の度重なる判断ミスで起こっています。

  1. 広告塔にし集客に利用したにも関わらず、クリエイターパスを渡さないという判断。
  2. ファンが押し寄せる危険な場所をタナに歩かせるという判断。
  3. ファンが殺到した後も、クリエイターパスを渡さないという判断。

なお、VidConではクリエイターはボランティアで参加するようです。(がめつい商売ですね。)

そこでタナは、VidConと同じ日に、VidConの会場から徒歩圏内の会場で、TanaConをすると発表します。(完全にケンカ売ってます。)

実はタナ以外にもVidConで不当な扱いを受けたYouTuberたちがいました。彼らはつぎつぎにTanaConに参加すると発表していきます。大物YouTuberシェーン・ドーソン(Shane Dawson)もその一人でした。

そして当日、会場前の駐車場には長蛇の列ができていました。

入場できないファンは炎天下で食事も水も無く、トイレも無い状態で5時間立ち続けます。ついに会場に入ろうとファンが押し寄せ、チケットを返金しろと暴徒化し、失神する人も出てきて、救急車が呼ばれます。最終的に警察が来て、解散となりました。

YouTuberたちもTanaConに参加するため、仕事を休んで会場に向かっていたのに、イベントはキャンセルとなります。

なぜ、こんなことが起こったのでしょうか?

こちらの動画はシェーン・ドーソンの3部作のドキュメンタリーです。

The Truth About Tanacon

会場はマリオットホテルで、通常は結婚式やミーティングに使うような広さでした。収容人数は最大で1018人、そこにチケットを購入した5200人のファンを詰め込もうとしたのです! さらにセキュリティはバイトの学生で、ゆるいものでした。

シェーンは自分のために全国から集まったファンに悪いと思い、真相解明のためドキュメンタリーを作ります。誰の判断が悪かったのか、チケット代は返金されるのか、などです。

The Truth About Tana Mongeau

動画の中で、イベント・オーガナイザーを務めたGood Times Showの社長、Michael Weist(以下マイケル)に話を聞いています。マイケルの言い分はこうです。タナはほとんど打ち合わせに現れず、イベント1週間前にハワイ旅行をしたり、業界の仕組みをわかっていないような無理(チケット購入者にはチケットの4倍の価値があるギフトバッグを渡すこと、万全のセキュリティを配置すること、ファンには豪華な食事やドリンクが準備されること)を要求した、と言うのです。マイケルはタナのイベント開催にあたっての認識の甘さを指摘します。ここで、マイケルの年齢が21歳で、会社での実働は彼1人であることが判明します。

The Real Truth About Tanacon

この動画では言い分が食い違うマイケルとタナに直接FaceTimeで話をさせます。

FaceTimeの会話で明るみに出たのは、マイケルとタナのずさんな計画でした。

  • たった2ヶ月の準備期間
  • チケットの4倍の価値を約束したギフトバッグ
  • 発注すらされなかった豪華な食事
  • 見通しの甘い人員配置(通常の半分の人数)

非現実な計画だったと分かります。しかも、2人とも売りさばいたチケットが会場の収容可能人数を大幅に上回っているのを知っていた、と言うのです。

シェーンは、イベントを運営した経験がほぼない素人同然の2人はそもそもイベントを仕切るべきではなかったとし、もし希望通り発注ができていたとしても、ファンを会場に収容できないのでいずれにせよ失敗に終わったと結論づけます。TanaCon開催の動機が純粋にファンのためを思ったものだったなら、時期をずらし慎重に準備を整えたはず、とシェーンは指摘します。(通常イベントは1年の準備を要するとのこと。)

現在もチケットの返金交渉中で、一連の騒動は完全に終わっていません。若い二人がノリでイベントを開催しようとしたら、大失敗に終わった例として語り継がれることでしょう。

2019年6月30日:表記を改めました。

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