低評価を消すことにしたYouTubeに苦情が殺到 創設者は「YouTubeの衰退」を警告

YouTuberニュース

11月前半、今後YouTube動画の低評価を非表示にする仕様が発表されました。発表当初から批判が多数出ていましたが、相変わらずクリエイターから苦情が殺到しています。

低評価数が表示されていれば、ひとめで動画の質が判別できたり、クリエイターの不祥事の有無が判別できたり、スパムや不適切な動画を判断できたりしたのに、その機能が失われてしまった、低評価の結果を表示する必要は大いにある、などの意見が出ています。

YouTube側は「小規模クリエイターの精神衛生を考慮した結果だ」と発表していますが、この理由も疑われています。

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撤回するように要求

テックチャンネルのライナス・テック・ティップス(YouTube登録者数1410万人)も、低評価の結果を排除する方針に反対しています。

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(2024年8月18日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

テック・レビューチャンネルのマーカス・ブラウンリーも低評価を非表示にする仕様に反対しています。

Dear YouTube!

マーカスはクリエイターとしてだけではなく、利用者の視点でも意見を述べています。

抄訳:時間は有限です。ぼくが調べ物をしたり、何かを学びたいと思ったりしたときに『時間を消費する価値がある内容なのか』を一瞬で判断する材料になるのが、評価の結果です。できる限り質の良い、最新の情報が含まれている動画を判別するためには、評価の結果を参考にする必要があります。
YouTubeは利用者に長く滞在してもらい、多くのコンテンツを視聴して、広告収益を上げたいのでしょう。しかし、低評価を隠すことは利用者にとって不便です。
クリエイターとしては、たしかに低評価の結果をさらすことは気になりますが、そのうち慣れます。それよりも低評価を隠すことで本来発散されるべき悪意がコメント欄に集中するようになるのではないか、懸念が残ります。コメント内容を規制する策はとられていますが、それでもクリエイターにもっとも悪影響を及ぼすのはコメントです。
一律に低評価の結果を非表示にする方針に反対です。もう少し融通が利く策があるのではないでしょうか。

低評価の撤廃に反対しているのは、クリエイターだけではありません。YouTuberの設立者の一人であるジョード・カリムも声明を出しています。YouTubeに最初に投稿された動画『Me at the zoo』の概要欄が書き換えられていました。

要約すると「プラットフォームが余計な介入をすると、いずれ衰退する」と警鐘をならしています。措置を公表した動画の語り手が、ベトナム戦争中に捕虜になり、テレビカメラに向かってモールス信号でTORTURE(拷問)と瞬きをしたジェレマイア・デントンのようだとも述べています1

YouTubeの「クリエイターのみなさまは大切です」という発言に怒りの声が出ています。

不透明で不親切な利用規約や、動画内容の不必要な検閲には苦情ばかり聞こえます。妙な変更を加えることで、YouTube独自の良さが失われています。今後、クリエイターや視聴者の声は反映されるのでしょうか?

Image: COnTV

  1. ジョード・カリムはYouTubeが措置を公表した動画では高評価と低評価の数を隠しても視聴者の行動は変化しなかった(視聴者は低評価の数を気にしていない)という調査が引き合いに出されているが、これについても批判している。YouTube社の調査にバイアスがあると言いたいのか、単に直感に反しているとだけ言っているのか不明。YouTube社には隠された意図があるとほのめかしているが、ほのめかすだけにとどめている。
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