人気YouTuberのジェフ・ウィティック(Jeff Wittek)のドキュメンタリーが話題になっているので紹介します。
全5エピソードのうち、本記事では最後のエピソードを主に扱います1。前編はこちらです。
ジェフのYouTube登録者数は300万人で、人気YouTuberグループのVlog Squad(ブログスクワッド)のメンバーです。2020年の夏に事故を起こし、何度も手術を繰り返したとファンの間ではささやかれていましたが、詳細はこのドキュメンタリーシリーズが出るまで明かされていませんでした。事故の原因や、いきさつ、葛藤をテーマにドキュメンタリーは進行しています。
ドキュメンタリーシリーズの概要とエピソード5の内容
ドキュメンタリーでは、ジェフの生い立ち、薬物の売人になり大金を稼いでいたこと、逮捕され財産を没収され無一文になったこと、カリフォルニア州に移住してYouTuberとして再起したことなど、浮き沈みの激しいジェフの人生をたどってきました。
ユタ州で危険なスタント行為を撮影していたジェフは、友人のデイヴィッド・ドブリック(David Dobrik)が操作するショベルカーで事故を起こしました。大けがの結果、何度も手術を繰り返しています。エピソード5は事故後の人相が変わった自分、頭部を強打したことによる後遺症への恐怖、これからどのように活動していこうかというジェフの葛藤を描いています。
(2024年5月26日:削除されたYouTube動画をキャプチャ画像で置き換えました。)
ジェフはエピソード5で、「今回の事故はすごくバカなことだし、恥ずかしいことだけど、ここでどん底を経験したからきっとまたここから上り調子になる兆しだと思っている。」と言っています。「この困難を乗り越えて笑いに変える。人を笑わせられるような人にならないといけないと思う。」とも明かしています。抜糸のときに失明する可能性があると伝えられて動揺し、視力が大幅に失われていることに気づいて絶望する場面も含まれていました2。
ジェフのメッセージ
視聴者からは、なぜ半年以上も大けがのことを秘密にしていたのかという声がありました。ジェフが答えています。
事故が起こった当日、デイヴィッドだけ病院に入ってずっとそばにいてくれた。病院が他の人の立ち入りを禁じたから、他の人は病院の外で一日中祈りながら待ってくれていた。誰も動画なんて撮ってない。ただ祈ってくれた。この写真はマライア3が母親に送ったもの。
The reason no one spoke out about my accident is because I asked them not to. I felt stupid and needed the time to process, heal and figure out how, when and if I wanted to tell my story. I appreciate everyone for respecting that and letting me be the one to tell it.
— Jeff Wittek (@jeffwittek) April 27, 2021
The day of my accident they only allowed David inside with me to make sure I stayed conscious. They wouldn’t allow anyone else in, so they all waited on the lawn the entire day and prayed I would make it. Nobody filmed anything. Just prayed. This is a photo Mariah texted her mom pic.twitter.com/35n9iz7rEk
— Jeff Wittek (@jeffwittek) April 28, 2021
事故の原因はショベルカーの操縦に不慣れなデイヴィッドの操作ミスです。ジェフは失明していた可能性もあったので、視聴者からはデイヴィッドへの批判の声があります。
ジェフはPatreonのライブストリーミング中に、訴訟を起こさないのかという視聴者からの質問に答えています。
動画の最後では「どうせ100年後にはみんな死んでるんだから、どれだけ人にいい影響を与えられたかが大事なんだと思う。」と語り、おちゃらけた歌を歌っています。歌詞は「俺を湖に連れて行ってくれ。ショベルカーなんてない湖に。よろしく。」です。人生が変わるような大きな事故に遭っても自分の中で折り合いを付け、ユーモアと笑いに変えて視聴者に希望を持たせてくれるドキュメンタリーでした。
YouTubeの疑問が残る対応
ドキュメンタリーは5エピソードのすべてでYouTubeによって年齢制限(age restrict)をつけられてしまっています。年齢制限がつくと動画再生回数が抑えられ、おすすめにも入らず、収益化できなくなります。ジェフはYouTubeに苦言を呈しています。動画の収益を全米精神障害者家族会連合会(National Alliance on Mental Illness)へ寄付することにしていたのに、できなかったからです。
It means the video gets suppressed from getting viewed and isn’t able to earn any money from Adsense. So now NAMI gets no money from it. But I promise if they don’t fix this I’ll make it up with my earnings from my Patreon.
— Jeff Wittek (@jeffwittek) May 16, 2021
YouTubeの対応には疑問が残ります。
ドキュメンタリー全編を観るのは時間がかかりますので、最後のエピソードの16:40からだけでも是非ご覧ください。面白い歌です。