不気味なTikTokのライブ映像が話題になっています。まずはTikTokerピンキードールリアル(@pinkydollreal)さんの動画を見てください。
ピンキーさんは「パク、ポン、ペロペロペロ、ガルルル、ギャングギャングギャング、アイスクリーム美味しい」などと連呼しながら、ストレートアイロンでポップコーンを作っています。
I was just scrolling TikTok and I just wanna say.. some of you bitches are literally psychotic 😭 pic.twitter.com/Ca7YLzIMys
— 🅱️ (@ayeitsbritbrat1) July 10, 2023
一体これは何なのでしょう? もしかするとピンキーさんは実在の人物ではなく、AIの生成した動画なのでしょうか? それとも、ピンキーさんはマッドサイエンティストにコントロールされてしまっているのでしょうか? ピンキーさんのTikTokライブのクリップを見た人々は、この奇妙で不気味な動画を話題にし始めます。
投げ銭ができるTikTokライブ
ピンキーさんはAI生成動画でもなければ、マインドコンロールされているわけでもありません。TikTokライブの配信者は視聴者からギフト(投げ銭)を受け取れます。
ピンキーさんが「ギャングギャング、アイスクリーム美味しい」と言っているのは、投げ銭へのリアクションでした。
That wild TikTok live performer vid makes so much more sense when you see the pricing of the gifts.
“GangGang” and “Ice Cream” are the cheapest (1 coin) while “Hat and moustache” break the bank (99 coins). pic.twitter.com/htRviJuE56
— Trung Phan (@TrungTPhan) July 14, 2023
一番安い投げ銭が「ギャングギャング」と「アイスクリーム」なので多く入ります。結果としてピンキーさんが「ギャングギャング」と「アイスクリーム」を連呼するようになったようです。ピンキーさんはマッドサイエンティストではなく、視聴者にコントロールされていたことになります。
このようなTikTokライブ動画の視聴者はNPC(ノンプレイヤーキャラクター)フェチがあるのではと指摘されています。NPCはゲームに出てくる、決まった文章を繰り返ししゃべるだけのキャラクターのことです(「村人1」など)。同じセリフをくり返し話させ、行動を操作できるのが面白さの一つなのでしょう。
こちらも同様のTikTokライブですが、ピンキーさんと同じように投げ銭に反応して同じセリフを連呼しています。
Cut from the same cloth… pic.twitter.com/1IAP6BszfZ
— Splucy on Twitch (@splucy) July 12, 2023
ピンキーさんのライブ配信が話題になると、ピンキーさんのOnlyFansにもお客さんが増えたようです。「ネットの仕事はまともな仕事じゃないと言われるけど、私は立派な家に住み新車を買っている」と投稿しています。
ライブ配信中にも一瞬、子どもが映り込んでいますが、ピンキーさんは一児の母だそうです。子どものためにTikTokライブもして稼いでいるようです。
投げ銭をしてライブ配信者を操作して遊ぶのはギャンブルの入り口なのではないか?と指摘する声もあります。TikTokのバーチャルアイテムポリシーによれば、欧州・インド以外で適用される規約では各国の成人年齢以上でないとコインは購入できないようです。しかし、子どもたちが親のアカウントでやっていない保証はありません。
Z世代の楽しみ?
TikTokライブはZ世代の間でしばらく前から流行していたようですが、上の世代に見つかったので話題が大きくなったようです。
ここまでの内容はインターネット・トゥデイの動画で紹介されています。
TikTokは個人のアルゴリズムで表示される動画が異なります。そのためTikTokの島宇宙が無数にあり、別の島宇宙の人々からすると異常としか思えない動画が発掘されることもあります。TikTokを利用していない人から見ればピンキーさんの動画は不気味に見えることでしょう。
インターネット・トゥデイは「TikTokライブ動画の存在を知ると、石を動かすと石の下に大量の虫がいたのを発見したような感覚になる」と表現しています。「TikTokライブ動画が出てきて、訳がわからなくて途方に暮れるとは、俺たちも歳をとったもんだなあ」と慨嘆するインターネット・トゥデイの二人でした。