仮想通貨が人気です。投資目的で参加する人が多いようですが海外YouTuberも例外ではありません。今回はうさんくさい仮想通貨を宣伝して、ファンを騙す違法行為を告発されたFaZe ClanのメンバーやInstagramモデル、YouTuberなどを紹介します。
コフィズィラの動画
YouTuberのコフィズィラ(Coffeezilla)は詐欺師を告発し、うさんくさい「インフルエンサー」の実態を暴露する動画を専門に投稿しています。コフィズィラは「インスタグラムの王」ことダン・ビルザリアンがハッタリ吐きの金持ちのドラ息子であることを指摘していました。
コフィズィラが2021年7月1日に公開した動画は、仮想通貨詐欺を行った可能性が高いFaZe Clanのメンバーのフェイズ・ケイ(FaZe Kay)とその弟のジャーヴィス(FaZe Jarvis)、インスタグラムモデルのサマー・レイ(Sommer Ray)、YouTuberのライス・ガム(Rice Gum)などを告発しています。
フェイズ・ケイらは、最近チャリティー・トークンと呼ばれる仮想通貨1をファンに宣伝していました。彼らのフォロワー数を累計すると5000万人以上になるので、それだけの人が彼らの宣伝を見たことになります。仮想通貨で富を再分配するという名目でしたが、実態は全く違っていました。
フェイズ・ケイらは「セイブ・ザ・キッズ・トークン」のアンバサダーを務めていると語り、素晴らしい活動なので投資しようなどとファンに呼びかけていました。
Save the Kidsトークン2は、取引するたびにBinance Charity Walletに寄付がされると謳われていました。ちなみに、ロゴはSave the Childrenのものとよく似ており、他人のふんどしで金を稼ぐ気まんまんのようです。名前はこちらの財団とよく似ていますが、ロゴが違うので無関係です。ほかにも同様のチャリティーを謳っているSAVE KIDSトークンなるものもありますが、これもまた別物のようです。
こちらは、すでに閉鎖された「セイブ・ザ・キッズ・トークン」の公式サイトのリンクです3。
「セイブ・ザ・キッズ・トークン」は公開後、2分で価格が50%も暴落していました。執筆時、フェイズ・ケイらは「セイブ・ザ・キッズ・トークン」を宣伝していた投稿を既に削除しています。パンプ・アンド・ダンプ(風説の流布)を疑われたフェイズ・ケイはツイートで釈明していました。
このフェイズ・ケイのツイートにコフィズィラは「嘘っぱちだ」と返しています。
well this is a lie lmao. https://t.co/OyplNkvtwr
— Coffeezilla (@coffeebreak_YT) June 27, 2021
コフィズィラは、フェイズ・ケイ、フェイズ・ジャーヴィス、フェイズ・ニカン(FaZe Nikan)の削除された過去ツイートを掘り起こし、ウォレットを特定します。すると、フェイズ・ケイは過去にさまざまな仮想通貨を宣伝しては売るをくり返していたことが明らかになりました。
動画でコフィズィラはこのように結論づけています。
- 取引履歴を見るにフェイズ・ケイは過去にも複数の仮想通貨を宣伝しては即売るをくり返してきた常習犯である。
- 「セイブ・ザ・キッズ・トークン」に関して、大口取引の制限(anti-whale code)があると言って安心させていたが、公開直前にコードが書き換えられていた。これは詐欺である。
- 「セイブ・ザ・キッズ・トークン」のアンバサダーを務めていたインフルエンサー以外のYouTuberも関与していた。YouTube登録者数2万4000人のジョエル・モリス(Joel Morris)など。
- 被害者は、彼らを信用して買ったファンである。
- 主犯格が誰かは不明だが、慈善目的だと関心を集めて詐欺行為をはたらいたのは悪質極まりない。
コフィズィラの動画が公開されると、FaZe Clanは公式にフェイズ・ケイの除籍を発表します。違法行為に関わった可能性を指摘された事態を深刻に捉えているようです。ファンを騙したのであれば当然の報いですが、まだまだ余罪がありそうです。
さすがはCS:GOスキン賭博など犯罪すれすれのビジネスにも手を染めてきたFaZe Clanです。マフィア並みの尻尾切りの早さ危機管理能力を見せています。