人気フィットネスYouTuberのクロエ・ティング(Chloe Ting)が2件の訴訟を起こすと動画で報告しています。クロエのYouTube登録者数は2180万人、Instagramフォロワー数は340万人です。ブルネイ生まれで、現在オーストラリア在住です。
2020年にパンデミックが発生して自宅で過ごす時間が増え、運動不足に悩む人が多くいました。クロエは自宅で可能なワークアウトを紹介して再生回数を大幅に増やしています。2020年の5月だけで再生回数は2億4000万回以上です。驚異的な数字です。
YouTubeのアルゴリズムに乗って宣伝され、新規ファンを増やしたクロエでしたが、同時にアンチや嫌がらせのコメントをする人も多く発生していました。今回、クロエが2件の訴訟を起こすまでの背景を動画で明かしています。
クロエの悩み
こちらが2021年8月25日に公開された動画です。約17分の動画で紆余曲折を話してます。
まず、クロエはとあるクリエイターから何度も誹謗中傷をされた経緯を話しています。クロエは動画でクリエイターの名前は出していません1。
クロエはこの人物に、これは中傷であると弁護士を通して警告をしていたそうです。その際は謝罪のメールが返ってきて、反省の様子を見せたので、和解をしていました。しかしその後、その人物はまた中傷の投稿を再開しています。何回か警告と和解をくり返すうちに、その人物は「自分の方が被害者だ」とSNSに投稿するようになりました。ここで、クロエは話し合いで解決できないと判断して、訴訟に踏み切る決断をしたそうです。
さらに、クロエはメディア会社を訴えると報告しています。このメディア会社の名前も動画では出していません。
そのメディア会社も「クロエはトレーナーの資格は無く、一般人が到達不可能な美の基準を宣伝している。視聴者を摂食障害や身体醜形障害に陥らせている。」と書いていたそうです。クロエはこのように反論しています。
YouTuberが突然、名声を得ると多くの批判の声にさらされることがあります。許容範囲内の批判もあれば、度を超した批判もあります。クロエは1年以上ハラスメントに悩み続けた結果、法的に対処する判断をしています。
YouTuberの名誉毀損訴訟
YouTuberがほかのYouTuberに中傷され、ハラスメントだと主張することは少なくありません。弱小YouTuberが耳目を集めるため有名YouTuberを攻撃することはよくあります。しかし、攻撃で有名YouTuberの人気が陰ることは少なく、無視できてしまうため、名誉毀損訴訟へ踏み切るケースはわずかです。
珍しく訴訟に踏み切った例が美容YouTuberのタティがWithout a Crystal Ballを訴えた事件でした。この訴訟ではタティの主張は認められず、訴訟の結果タティは人気を回復できたわけでもありません。
はたから見ていると訴訟をしてもあまり意味はなさそうですが、クロエは動画で多大なストレスがかかっていると言っており、訴訟は自分自身の精神の健康のために必要なのだと思われます。勝訴したとしても投稿を続けることは難しいかもしれません。
Image: Jack Walker