アディソン・レイ主演Netflix『HE’S ALL THAT』レビュー やや印象の弱い作品

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セレブ・エンタメ

夏休みは終わり、ティーンが学校に戻る季節です。夏休み明けにふさわしい学園もののロムコムがNetflixで公開されました! TikTokスターのアディソン・レイ(Addison Rae)主演の『ヒーズ・オール・ザット(HE’S ALL THAT)』です。

『ヒーズ・オール・ザット』は1999年公開の映画『シーズ・オール・ザット』のリメイクなこともあり、カメオ出演者に注目です。リメイクは評価が低くなる傾向があると予告記事にも書きましたが、本作はどうだったのでしょうか?

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『ヒーズ・オール・ザット』レビュー

インフルエンサーの少女が、同じくインフルエンサーの彼氏に浮気された腹いせに、さえない少年を学園の人気者に仕立て上げられるか賭けをする、というストーリーです。

主人公がインフルエンサーで、スポンサーもついていることが冒頭から明示されています。演ずるアディソン本人を思わせる造形です。TikTok風のアプリで拡散する動画がストーリーを動かしていきます。お買い物のシーンとダンスシーンがしつこく感じられますが1、TikTok的アイドル映画なので仕方ありません。「SNS時代の2週間前は大昔」、「嫌な金持ちの代表例はグウィネス・パルトロウ」とSNS的な小ネタも仕込まれています。

現代の映画らしく、ネットいじめの問題も取り上げられています。ネットの有名人はスクールカースト上位でもあり、同時にいじめのターゲットにもなるのはリアルです。

ネットいじめ以外に現代の深刻な問題として格差の問題も取り上げられています2。しかしいじめも格差も味付け程度で、正面から扱われているわけではありません。

ストーリーがご都合主義なのは否定できません。主人公の手助けでかっこよくなった少年(タナー・ブキャナン)がパーティー会場で主人公の元彼とケンカになりますが、何の説明もないのにやたら強いのはご愛敬です。たぶん父のかつてのライバルに空手を教えてもらったのでしょう3

監督は『ミーン・ガールズ』『フォーチュン・クッキー』のマーク・ウォーターズですが、本作はこの二作には及ばないようです。

一押しの俳優はイザベラ・クロヴェッティです。前作ではキーラン・カルキンが演じた役を安定感のある演技力で演じています。

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アディソンの意気込み

主演のアディソンは映画の役をオーディションで得たことをSNSで話していました。アディソンはInstagramにこのように投稿しています。

夢みたい。共演者も撮影クルーも、これからもずっと大切な存在です。みんな大好き。忘れられない経験になりました。私の可能性を信じて機会を与えてもらい感謝しています!!! 奇跡のようなできごとです。きゃ〜〜! では、映画を観ます(みんなも見てね)😌
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アディソンはオーディションで役を得た後、準備に余念が無いことをポッドキャスト『Mama Knows Best』で話していました。

週5日、朝8時から10時まで運動をしているの。基本の運動に加えてホットピラティスもしてるよ。映画に出演するなら最高の状態で映らないとね。けど、あんまり変化はないかも。こんなに運動してるのに6か月前の体型と同じだから。

脚本を覚える苦労も明かしています。

最初は、たくさんのセリフがあって驚いたけど、簡単に覚えたよ。問題は演じるときのタイミング。相手が話し終えるのを待って、よくセリフを聞いて、話し始めないと変になるでしょ。実際に会話をしているように自然に話すには、「相手が話し終えるのを待つ」ではなく、内容に応じて話しているように見えないといけないから。

アディソンは子どもの頃から演技の指導を受けていたと話していますが、初出演ということもあり初々しさを感じます。

カメオ出演したのは?

本作はカメオ出演した俳優にも注目です。

TikTokスターのブライス・ホール(Bryce Hall)がカメオ出演しています。撮影時はアディソンと交際していた時期でしょうか?

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残念ながら、セリフはありません。

YouTuberのデイヴィッド・ドブリックの撮影に同行していたことから、アディソンと仲良くなったコートニー・カーダシアンもカメオ出演しています。

she's all that kourtney kardashian

コートニー・カーダシアン

コートニーが演じたのはジェシカ・マイルズ・トレス(Jessica Miles Torres)というセレブリティなのですが、フォロワー数至上主義のうさんくさい印象がカーダシアン家の人物そのものでした。度重なるボトックスのせいか表情は硬く、セリフも棒読みで、直ちにリアリティー番組にお帰りいただきたいキャラクターです。

主人公の母親を演じるのはレイチェル・リー・クックです。そう、本作のオリジナル『シーズ・オール・ザット』でさえない女の子から大変身するヒロイン、レイニーを演じたレイチェル・リー・クックです。オリジナルの公開から22年を経て、ヒロインは母親役になりました。

実はもう一人、『シーズ・オール・ザット』のキャストが登場しますが、顔出しは最後のお楽しみです。

Image: Addison Rae Practiced KISSING Scenes in Private for ‘He’s All That’

  1. カラオケのシーンはサムい。
  2. 登場人物が金持ちすぎてパーティーシーンは納得できない。なお、映画の開始数分でストーリー展開上重要になる秘密が暗示されている。
  3. タナー・ブキャナンは『コブラ会』のロビー。
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