2023年の10月頃からTikTokではモブ・ワイフ(Mob Wife)トレンドが始まっています。毛皮のコートに厚化粧、黒いブーツにブランドバッグが定番のアイテムのようです。
Mob Wife Aesthetic
これまではクリーン・ガール(Clean Girl)のトレンドが主流でした。髪をまとめ、ゴールドのアクセサリーを付け、清潔感のある化粧で、クワイエット・ラグジュアリー（ブランドロゴがない高級品）の装いでした。代表例はソフィア・リッチーです。
ところが2024年の年始には「クリーン・ガールの次はモブ・ワイフだ」と提唱する動画が次々に投稿されています。モブ・ワイフはギャングの妻、極道の妻を指します。
動画によればモブ・ワイフの装いには「葬式に行くような黒ずくめの服、できればレザーアイテムが入れば良い。お母さんのお古の毛皮のコート（80年代）を着て、過剰なほどゴールドのアクセサリーを付ける。フープイヤリングを付ければなお良い。アクセサリーが見えるように髪をまとめて、2003年頃のサングラスをかけて、できればイタリア製のブランドバッグを持てば完成！」と音声で紹介されています。
アニマルプリントや赤いネイルもポイントのようです。
装いだけではなく、お化粧方法としても多くの動画が投稿されています。
フルカバーのファンデーションに細い眉、しっかり発色するアイシャドーにつけまつげ、髪はボリュームを出すのが特徴のようです。
クワイエット・ラグジュアリーとは真逆で、派手でやや下品な印象になるトレンドのようです。
本物のモブ・ワイフは怒る
洋服のトレンドとして出ているモブ・ワイフですが、本物の元モブ・ワイフは「そんなに素敵なものではない」と怒っています。TikTokアカウントanonymousally198さんの動画です。
anonymousally198さんは「イタリア系じゃないのにモブ・ワイフなんて格好してたら、ただの薬物密売してる人の女にしか見えないよ。脱色した髪はプリンになってて、服は安物。彼氏は造園業をしていると言っているのに自宅は麻薬取締局に家宅捜索されてるような。札束を持ち歩き、スロットにつぎ込むような暮らし。それってただのバカな女じゃないかな。」と話しています。
モブ・ワイフについてAnnalise Woodが動画で紹介しています。
Annalise Woodは動画で「2023年の10月にトレンドが始まっているけど、モブ・ワイフは昔からイタリア系アメリカ人の文化です。リアリティ番組『モブ・ワイブズ』やドラマ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』、映画『グッドフェローズ』で描かれているような女性たちです。ただのトレンドとして扱うのは危険なようですね。ただのマイクロトレンドとして終わる可能性も高そうですが。」と話しています。
こちらはリアリティ番組『モブ・ワイブズ』の出演者のInstagramです。
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TikTokには多くのトレンドが提唱されていますが、どのトレンドがどの程度浸透するかは予測できません。グッチのブランドロゴを見せびらかすトレンドからクワイエット・ラグジュアリーに、そこから今度はモブ・ワイフにとファッションの振り子は大きく振れています。昔から存在しているモブ・ワイフですが、TikTokではおもしろい流行のひとつになっています。
