TwitterやYouTubeには速報性重視の「ニュースアカウント」が多くあります。速報ニュースは便利なのでフォロワーが多くなりやすいのですが、信用できないこともあります。「ニュースアカウント」の一つDef Noodles(デフ・ヌードルズ)が最近、他のYouTuberから批判されています。
批判されていたのはデフ・ヌードルズのTwitterアカウントとYouTube動画の内容に、虚偽や誇張、ミスリーディングな内容が多々含まれていたからです。フェイクニュースが深刻なのは政治ニュースや社会ニュースだけではありません。セレブやYouTuberのニュースは気楽な内容ですからフェイクニュースでも問題なさそうな気もしますが、それは間違いです。誤った情報が広まってしまうと、事実を訂正するのは非常に困難です。
こちらはデフ・ヌードルズの「ニュース」のどこがまずいのか、数々の問題を指摘しているニコラス・デオレオ(Nicholas DeOrio)の動画です。
以下の内容は部分的にこちらの動画に基づいています。
Def Noodlesは「猫」
デフ・ヌードルズ(Def Noodles)は何者でしょうか?
Twitterのプロフィール欄によれば「バラエティ番組『The Soup』や『The Colbert Report』を合わせたような風刺をするマインクラフトの家に住む猫」とあります。要するにデフ・ヌードルズは自分は猫耳を付けたマインクラフトの部屋に住んでいる「キャラクター」だと主張しています。
デフ・ヌードルズの本名はデニス・フェイトザ(Dennis Feitosa)です。執筆時のTwitterフォロワー数は10万5000人、YouTube登録者数は51万人です。
デニスはデフ・ヌードルズの発言が批判されると「デフ・ヌードルズはキャラクターであり、猫が誇張や風刺を込めてニュースにコメントをしているので、俺は悪くない。冗談が通じない人が悪い、コメディがなんたるかを理解していないのか。」のように言い訳をすることがあります。
デニスの主張は一見まっとうですが、問題があります。どこが問題なのか、説明します。
誤解を招くツイート
2020年12月、デニスは「ローガン・ポールとデイヴィッド・ドブリックがリベンジポ■ノをポッドキャストで宣伝した」とツイートしました。
(2021年7月17日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
デフ・ヌードルズは「デイヴィッド・ドブリックも同様にポッドキャストでこの動画について話していた! ローガン・ポールもデイヴィッド・ドブリックもポッドキャストが人気だ。彼らは多くのリスナーにリベンジポ■ノを宣伝したことになる!」と主張していました1。
デフ・ヌードルズのツイートを読むと、リベンジポ■ノを宣伝したデイヴィッドとローガンは悪人だと思わされます。しかし、実はステヴァが告発したのはローガンやデイヴィッドがポッドキャストを収録した後だったのです。つまり、彼らは問題の動画がリベンジポ■ノだったとは知らずに語っていたのでした。ですから、「ローガンとデイヴィッドはリスナーにリベンジポ■ノを宣伝した」というデフ・ヌードルズのツイートはミスリーディングです。
当時のリプにも、ミスリーディングだと指摘されていました。
(2021年12月6日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
YouTuberのカボス(Kavos)も批判しています。
Fucking hell this guy is the biggest moron in the community
— Kavos (@KavosYT) December 21, 2020
見た人を誤解させるツイートですが、デフ・ヌードルズの中の人デニスは問題ないと思っているようです。デフ・ヌードルズとは「誇張や風刺を込めてニュースにコメントしているだけの猫のキャラクター」なのですから。過激な主張をする「キャラクター」を使えばフォロワーと動画再生回数が稼げます。しかし、そんなことをして許されるのでしょうか。デフ・ヌードルズの言葉を「キャラクター」の誇張ではなく、事実だと思い込む人もいるからです。
実際、2021年になり、とあるティーチャンネルのYouTubeのコメント欄にこのような書き込みがありました。
猫のキャラクターの風刺を事実だと受け止めたかわいそうな視聴者が、偽情報を信じたせいで友人を失ったそうです。この視聴者は正しいのは自分で、友人ではないとまだ信じているようです2。
コメディ動画を批判するが
デフ・ヌードルズは風刺とコメディの「キャラクター」ですが、コメディの前提を壊すような批判をすることもあります。デフ・ヌードルズは大物YouTuberの炎上をたきつけるため、過去のコメディ動画を切り貼りして拡散しました。炎上はデフ・ヌードルズのような「ニュース」アカウントにとって稼ぎ時だからです。その一例がコメディYouTuberの炎上中の彼の発言です。
有名コメディYouTuberデイヴィッド・ドブリック(とその友人グループの「ブログスクワッド」)が炎上しているとき、デフ・ヌードルズは動画の流れを無視して誇張した見出しを投稿して、「ブログスクワッド」を糾弾していました。
デフ・ヌードルズはYouTuberの「ブログスクワッド」の一員であるジェイソン・ナッシュについても誤情報を流していました。
(2021年7月17日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
このツイートに添付された動画だけを見ると確かにジェイソンがひどいことをしているように見えますが、実はこの動画はコントの一部でした。
ブログ動画には事前にケイティに「できるだけ大げさに嫌がってください」と話している内容が含まれています。指摘しているブログスクワッドの元ファンのツイートです。
(2024年5月26日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
視聴者の誤解を招く切り貼りをして「ニュース」をでっち上げるデフ・ヌードルズの姿勢が批判されています。
フェイトザ氏は恨みを持った相手を攻撃する動画やツイートで名声を得ています。
(2022年12月24日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ジェームズ・チャールズについて誤報
未成年のファンと交流していたと発覚した美容YouTuberのジェームズ・チャールズについても、デフ・ヌードルズは誤ったツイートをしていました3。
YouTuberのカボスがデフ・ヌードルズの誤報を指摘しています。
こんな危険人物は追放するべきだ。
Let’s not forget yesterday when @defnoodles completely fucked up and took a TikTok meme and clearly fake DMs as FACT.
Presenting it as if James legitimately tried to add a 14 year old boy on Snapchat.
This fucker has to go pic.twitter.com/u3grcwG2Yo
— Kavos (@KavosYT) April 6, 2021
フェイトザ氏(批判に過度に敏感)はツイートを削除するも、謝罪はしていないどころか、フォロワーへ誤報だったと訂正さえせず、ジェームズが小児■愛者かもしれない余地を残したままです。
(2022年12月24日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
さらにこの失態の5日後、デフ・ヌードルズはまたもや別の「ウソの被害者の告発」を事実と報じていました。指摘しているキームスターのツイートです。
「被害者」はTikTokでウソだったと認めた。それなのに、Twitterで報じるなんて! 😂😂😂😂😂😂
Hahahahahha Def Noodles posted another FAKE James Charles victim!
The so called victim uploaded a TikTok admitting it was fake. And Deff Noodles reported it on Twitter! 😂😂😂😂😂😂 pic.twitter.com/9anYzNyAUT
— KEEM 🍿 (@KEEMSTAR) April 11, 2021
YouTuberのCordWitの意見です。
風刺はしょうもないことを大げさに表現することで他人や事象を笑いに変える
問題は、デフ・ヌードルズが風刺をしていると認識している人がいないこと
デフ・ヌードルズは笑いのツボを外していると思う
(2021年4月25日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ジェームズ・チャールズには深刻な違法行為をした疑惑はありますが、冗談で投稿されたTikTok動画を事実として報じる軽率さは批判されて当然でしょう。
「女性蔑視するレイシスト」と中傷した
現代アメリカでは差別は深刻な問題です。人気スターが差別主義者だと告発されると社会的地位を失うこともあります。そんな中、デフ・ヌードルズは嫌いな相手を差別主義者だとレッテルを貼り攻撃する卑怯な手を使って、批判を浴びていました。また、差別主義者だと攻撃する以外にも敵とみると手当たり次第に攻撃しまくる悪癖があり、ほかのYouTuberが諫めるのにデフ・ヌードルズは耳を貸そうともしません4。
デフ・ヌードルズと不仲なクリエイターは多くいます。デフ・ヌードルズとイギリスのYouTuberカボス(Kavos)の諍いは2019年から始まっています5。
当時、カボスは若手YouTuberを辛口批評する『Make or Break』という企画をストリームでしていました。批評された若手YouTuberのなかに、当時Redditのネタを読み上げる動画を投稿していたデフ・ヌードルズが含まれていました。デフ・ヌードルズはカボスから「こいつ面白くない」などと徹底的にこき下ろされていました。傷ついたデフ・ヌードルズは『カボスのせいでYouTubeをやめたくなった。6』と題した動画を投稿します。
その後、デフ・ヌードルズはYouTubeの騒動を扱うチャンネルに方針転換します。
しかし、方針転換した後の2020年もデフ・ヌードルズは批判されています。当時の登録者数わずか910人のYouTuberグレイディに『デフ・ヌードルズの問題』と題された動画で批判されていました7。批判動画に気付いたデフ・ヌードルズは怒りながら、ツイートします。
デフ・ヌードルズは既にTwitterのフォロワーが4万人以上あるクリエイターでした。自分のフォロワーに若手YouTuberへ攻撃を仕向けるようなツイートをしたので、デフ・ヌードルズはまたも批判される結果になりました。
これらの経緯については、ボーブラックスが動画にしています。
批判されたデフ・ヌードルズは怒りながら、批判してきたYouTuberを中傷するツイートをします。
(2021年7月17日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
突然、デフ・ヌードルズは「俺は12歳のとき、ブラジルからやってきた。8」と発言して、批判してきたYouTuberを「人種差別主義者」呼ばわりします。……誰もデフ・ヌードルズの人種や外見や話し方を批判していなかったのに。批判されていたのはツイートの内容がまずかったからで、彼がマイノリティだからではありません。
この後は省略しますが、デフ・ヌードルズが特に中傷したYouTuberオーギー・RFCと3時間の話し合いを公開でしています9。この話し合いの中で、デフ・ヌードルズは「DMの内容を偽造したのか?」とオーギーに質問され10、「はい」とも「いいえ」とも言わず、なぜか「DMを偽造するアプリ」を紹介しています。……何を言いたいのでしょう?
(2024年5月26日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
これも長くなるので割愛しますが、デフ・ヌードルズはYouTuberのジョン・スワンを「オルタナ右翼YouTuber」と中傷して、また他のYouTuberから批判されていました
11。
YouTuberのティップスターは比較的温厚なコメンタリーYouTuberですが、仲間を中傷するデフ・ヌードルズに耐えきれず、このようにツイートしています。
俺に不満があるなら対話をしようと試みたが、俺の3人の友だちを中傷したから、もう見切った。
(2021年4月14日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
YouTuberのアシュリーです。アシュリーがデフ・ヌードルズにこのように失望を表明すると、デフ・ヌードルズはアシュリーをブロックしました12。
(2021年7月4日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ほかの多くのYouTuberもデフ・ヌードルズを批判しています13。しかしデフ・ヌードルズは「ニュース」の方針を改めようとはしていません。
コメディと皮肉のキャラクターという割には、ただのYouTubeコメディを問題行為に仕立て上げようとするデフ・ヌードルズは矛盾しています。小児■愛者や人種差別主義者など、致命的になりうる誹謗中傷もしていて周りの忠告を聞き入れようとしません。デフ・ヌードルズが主張するとおり彼がやっていることは「風刺」なのか、それとも多くのフォロワーが信じ込んでしまうフェイクニュースをばらまく「報道」なのかはわかりません。
風刺が風刺として機能するためには、視聴者には風刺のどこが事実で、どこが誇張なのかがわかっている必要があります。視聴者にとって完全な新情報なら、視聴者は風刺ではなく100%事実のニュースだと信じてしまいます。
デフ・ヌードルズのような誤解を招くツイートや動画は、真剣に捉えるフォロワーがいる限りフェイクニュースをばらまいていることになります。SNS上の「ニュース」との向き合い方にはまだ結論が出ていません。
おまけ:デフ・ヌードルズを批判している動画
最後は、デフ・ヌードルズを批判している動画の数々を紹介します。
執筆時、最新のデフ・ヌードルズの失態まで網羅しているニコラス・デオレオの動画です(2021年4月14日公開)。
YouTuberのInternet Unwindの動画です(2021年4月5日公開)。これまでのデフ・ヌードルズのミスリーディングな発言を批判しています。
YouTuberのティップスターの動画です(2021年4月11日公開)。ジェームズ・チャールズを「小児■愛者」だと誤って報じているデフ・ヌードルズを批判しています。
YouTuberのMedium Rareの動画です(2021年2月22日公開)。YouTuberのジョン・スワンを根拠なく「オルタナ右翼」と呼び、他のYouTuberを「人種差別主義者」と呼んだデフ・ヌードルズを批判しています。
YouTuberのオーギーRFCの動画です(2021年4月6日公開)。TikTokスターのチェイス・ハドソンと行為をしたあと「ブロックされたのが不満だ」と話しているTikTok動画を、デフ・ヌードルズは「チェイス・ハドソンに暴行されたと告発する女性が!」とツイートしたので、批判しています。
数え切れないほど、多くの誤解を招く情報をデフ・ヌードルズは日々垂れ流しています。
注
- 他のYouTuberのポッドキャストでも話題になっていたが、リベンジポ■ノだと発覚したのは、話題になった数か月後のことである。
- しかも1600人もの人がこのコメントに高評価をつけている。
- それ以前の2021年1月にデフ・ヌードルズはジェームズを悪く見せるツイートをしていた。これに対するジェームズ・チャールズの当時の返答はこちら。ティーチャンネルのHere For The Teaはデフ・ヌードルズを批判していた。
- デフ・ヌードルズを批判してブロックされたYouTuberは数え切れないほどいる。
- 2021年4月にカボスが公開したデフ・ヌードルズを批判する動画はこちら!
- 動画はこちら! 2019年9月27日公開。
- 動画はこちら! 2020年11月30日公開。
- しかし、デフ・ヌードルズの父親は米国の大手映画会社の役員だと人物紹介サイトに書かれている。ツイート内容に謎が多い。
- 動画はこちら! 2021年1月公開。両者の話は食い違い、溝は深まる一方である。ここまで相性が悪い話し合いは珍しいのではないか。デフ・ヌードルズの性格の悪さが際立つ。
- チャーリー・ダミリオがベイプを使用した動画が拡散した際(本サイトの記事はこちら)、デフ・ヌードルズはチャーリーの父親にDMで確認をしていた。このデフ・ヌードルズのツイート内容が、やりすぎだと批判されていた。
- デフ・ヌードルズはこのようなツイートをした。
批判コメントは以下のとおり。beastghosttの批判コメント。
(2021年4月25日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
Repzilla (@zillarage) の批判コメント。 - アシュリーは、その後ブロックされた。
- デフ・ヌードルズを批判しているYouTuberたちのツイートはこちら!
(2021年4月25日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
@CodeDebYTの意見。(2021年4月25日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
(2021年5月9日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
Bowblaxの意見。