ユージニア・クーニーへの攻撃は不当だった？批判されたクリエイターが方向転換を表明

YouTuberユージニア・クーニー(Eugenia Cooney)が話題の中心になっています。ユージニアが長い間ゴシップチャンネルから不当にいじめられてきたと指摘する声が上がったのです。

ユージニアが批判される背景

ユージニア・クーニーは化粧をする動画や購入品紹介、ブログ動画などを投稿してきたYouTuberです。2011年にチャンネルを立ち上げ、YouTube登録者数は215万人です。

近年のユージニアは摂食障害を患っていることで注目されています。大物YouTuberのシェーン・ドーソンは、2019年に摂食障害の治療のため入っていた施設から退所した直後のユージニアにインタビューをしていました。ユージニアはYouTube仲間のジャクリン・グレンから5150（自傷他害の恐れがある人を医師が診断して強制入院させる処置）に通報され、入院していました。

ユージニアは入院の騒動を振りかえり「事前に何も心配する様子を見せていなかった人から通報されショックだった。裏切られた気分。」と明かしています。

ユージニアのYouTube動画には平均して80％の低評価が付いています。退院直後は標準体重に近づいていましたが、最近はまた極度な低体重に戻っていることから「ユージニアは再度入院した方がいい」、「どうして病気が進行しているのに治療しようとしないのか」、「ガイコツみたい」などのコメントが書き込まれています。

Twitchストリームでも、ユージニアの体型について悪口を言う人が後を絶たないようです。

ユージニアを攻撃するのは、悪質な視聴者だけではありません。一部のドラマチャンネルは「ユージニアは若年層を摂食障害に陥らせる動画を投稿している。このような危険なクリエイターの活動は中止させるべきだ」と話してユージニアをSNSから追放する署名活動を呼びかけています。

この一部ドラマチャンネルが指揮する署名活動は極端であり問題の解決にならない、むしろユージニアを悪者にする言いがかりだ、と指摘したのはYouTuberのウィリー・マック・ショー(WillyMacShow)です。

以下の内容はこちらの動画の内容に基づいています。

ユージニアはプロアナ？

プロアナ(Pro-ana)とは、「摂食障害(Anorexia nervosa)を宣伝し、摂食障害を推進する投稿をする人」を指します。一部のドラマチャンネルはユージニア・クーニーをプロアナだと決めつけていました。代表的なのは、YouTuberのベル(Belle Aubrey)¹です。ベルはユージニアを批判する動画を10本以上投稿しています。

例えば、こちらの動画です。ベルは「ユージニアは靴を購入して商品紹介をしているが、途中で下着が見えている。これは再生回数を稼ぐためにユージニアと母親が仕込んだものだ。わざと下着を見せた証拠に、下着の色とアイシャドーの色が一致している。」と話しています。

（2022年10月3日：削除されたYouTube動画をキャプチャ画像で置き換えました。）

ウィリーは「この理屈は強引すぎる」と指摘しています。

ドラマチャンネルはさらに「ユージニアの病気が悪化しているのは母親のせいだ」と話しています。ウィリーはユージニアの家に一週間滞在したクリエイターのドリュー(DrewIsSharing)に話を聞いています（動画15分13秒から）。

ウィリーは「ユージニアは摂食障害を患い、存在しているだけなのに批判されるのはおかしい。ドラマチャンネルはタロット占いの結果を理由²に、ユージニアの家族を攻撃している。動画プラットフォームから追放して収入源を絶つことがユージニアの治療につながると思うのか？」と話しています。

その後

ベルはTwitterで動画内容の方針転換をすると発表しています。

（2022年9月4日：削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。）

ウィリーの言うとおり、ユージニアや家族を攻撃してもユージニアの病状はよくなりません。しかし、若年者への影響の懸念が払拭されたわけではありません。ユージニアの自由や収入源を制限するのはよくありませんし、若年者に万が一悪影響があればそれもよくありません。難しい判断が必要になりますが、これは専門家やユージニア本人の判断にゆだねるべきなのでしょう。

Image: The Rewired Soul

1. もともとパステル・ベル(Pastel Belle)という名前で活動していた。
2. YouTuberのantphroditeがユージニアの両親についてタロット占いをして、治療を阻んでいるのは両親だ、などと話していた。antphroditeの動画の内容を根拠に、ドラマチャンネルは両親を批判していた……。