マイナス3度で6時間!Netflix『イカゲーム:ザ・チャレンジ』の過酷な現場

2.0
セレブ・エンタメ

Netflixの人気ドラマ『イカゲーム』が話題になったのは2021年です。YouTubeでは2022年にミスタービーストが参加者を募り『イカゲーム』に登場するゲームで競争させるリアリティ番組を撮っていました。

ミスタービーストに遅れること一年、2023年になって本家のNetflixがリアリティ番組の『イカゲーム:ザ・チャレンジ』を配信しています。246名の出演者が賞金$2.46ミリオン(約3億6000万円)をかけてゲームに挑んでいます。注目の番組なので、舞台裏がどうだったのか興味をそそられます。出演者たちが撮影秘話をSNSに投稿しているので紹介します。

スポンサーリンク

リアリティ番組『イカゲーム:ザ・チャレンジ』の舞台裏

出演者が過ごした宿舎のベッド数は213台、カメラは宿舎だけで105台設置され、「だるまさんがころんだ」の会場では30台のカメラで出演者たちを撮っていたそうです。

Squid Game: The Challenge Set TOUR! (Exclusive)

宿舎は窓も時計もない、時間の感覚がなくなる空間に設定されています。プロデューサーは出演者の精神状態を揺さぶるために敢えて時計や窓を外しているそうです。ベガスのカジノにいるような気分だったと語っている参加者もいます。

参加者の最年少は18歳、最年長は74歳だったそうです。主要なゲームは約10回、ミニゲームを含めると罠はそこらじゅうに仕掛けられていたそうです。リアリティ番組ではカットされている仕掛けもあったようです。

スポンサーリンク

出演者の声

出演者が多かったこともあり、撮影秘話を明かす動画が大量にSNSに投稿されています。一部を紹介します。

こちらの出演者はNetflixから出演費用は一銭も受け取っていないと話しています。しかし撮影場所までの往復費用はすべて払われたそうです。出演費用が出なくても、また番組に出るかと聞かれれば「もちろん出る」と答えています。

こちらでは撮影秘話を話しています。

出演者は10日間も太陽光を浴びなかった、唇がガサガサになったがリップクリームをもらえなかったので出演者はコンドームの内側に付いているローションを唇に塗ってしのいでいた、就寝中もベッド付属の蛍光灯が付いていたので熟睡できなかった、濾過した真水を与えられ出演者はミネラル欠乏になってしまった、出演者が死なないように途中からビタミン剤が与えられた、食事は1日1000キロカロリーほどしか与えられていなかったので身長2メートルの男性出演者は1週間で11キロ痩せた、ご褒美のバーガーを奪った出演者は一口だけ食べて他の人にも分けた(本人談)、出演者はみんな睡眠不足で食事も足りていないので精神的に追い込まれていた、出演者が理解に苦しむ言動をしていたのはストレスのせい、などと話しています。

こちらの出演者は食事や待機時間について話しています。水で作られたポリッジ(マズい)を食べ、ゲーム以外の時間も次どのような指令が出るかわからない状態で待っていたそうです。

ファイナリスト3名に入った出演者も舞台裏を話しています。「だるまさんがころんだ」は最も過酷だった、気温マイナス3度のなか同じ姿勢を15分から20分しなければいけなかったことなどを話しています。

ドラマ『イカゲーム』の世界観をそのまま体現している空間で出演者は過ごしていたようです。ずいぶん過酷な状況です。

YouTuberのレビュー

リアリティ番組をよくレビューしているYouTuberのkayla saysの動画を紹介します。

Squid Game: The Challenge is a Disaster

kaylaは「展開の進行が遅く、出演者は凡庸、少しでも主人公格かな?と思って応援していたらすぐに失格になるなるので後半になると誰を応援したら良いのかわからなくなる、残り20名になってもほとんど登場しなかった出演者が映り込み『あんた誰?こんな人いた?!』と思う、もっと展開を早くして良いし、出演者の人数を絞っても良かったのでは」とレビューしています。

脱落者が多い『イカゲーム』を通常のリアリティ番組の感覚で視聴するのは無理があるようです。視聴者はお気に入りの出演者が敗退するたびに悲しい思いをするはめになります。

ドラマの『イカゲーム』を気に入った層に、バトル型リアリティ番組を観させようという戦略だったのでしょうが、視聴者の求めるものと制作側の提供するものがミスマッチになってしまったように思われます。

ドラマ好きは共感を求めますが、バトル型リアリティ番組を好む人は過酷なゲームで脱落者が出るスリルを楽しみます。ドラマ好きは共感相手がなくて宙ぶらりんになってしまいます。かといって、バトル型リアリティ番組好きへのアピールも十分ではなかったかもしれません。出演者の話では撮影環境は番組で描かれているより過酷で、もっと過酷さを強調できたはずです。

訴訟の可能性?

ところで視聴者の人気を集めた出演者たちは楽しい舞台裏を話していますが、一部の出演者は番組制作陣を相手に訴訟を検討しているようです。イギリスのカーディントンスタジオで撮影が行われた初回のゲーム「だるまさんがころんだ」の環境が問題になっています。一部の出演者は長時間に及ぶ撮影のせいで低体温症や神経損傷を患ったと訴えているようです。

出演者たちの話によれば、「だるまさんがころんだ」の撮影は4時間から6時間ほど続いたそうです。気温が下がるなか同じ姿勢を無言で続けるのは困難だったのでしょう。

弁護士YouTuberのAttorneyTomが訴訟の可能性を紹介しています。

Squid Game: Lawsuit Challenge | Interview with a Contestant

AttorneyTomの動画では『イカゲーム:ザ・チャレンジ』の出演者が舞台裏を話しています。出演者は「だるまさんがころんだ」で最初にゴールしたうちの一人だったそうですが、それでも撮影開始から4時間半が経過していたそうです。制限時間ギリギリにゴールした出演者はさらに長い時間拘束されていたことになります。さらに出演者は免責同意書にサインをしているので撮影陣を訴えるのは難しいだろうと解説しています。

ミスタービーストに大きく後れをとり、出演者からは不満の声が出て、ドラマ視聴者の好みには合わず、リアリティ番組好きの評価も低く、Netflixは大失敗をしたようです。

出演者の大半は酷使されたあげくギャラもなく帰ることになり、弱肉強食で拝金主義の社会を風刺したドラマから派生した作品が弱肉強食の拝金主義を体現していたのは皮肉な話という声もあります。

しかし、Netflixが配信した原作の『イカゲーム』も結局は商業主義の産物です。もっと稼ぐために『イカゲーム:ザ・チャレンジ』を作ってきたとしても予想の範囲内ではあります。

タイトルとURLをコピーしました