ワシントンポストのネット担当記者テイラー・ロレンズが記事にウソを書いていたと問題になっています。ロレンズはジョニー・デップ対アンバー・ハードの名誉毀損裁判に関する動画を作るYouTuberを批判する記事を書いていました。ロレンズに「金儲けをするために動画を次々に公開するクリエイター」と表現された二人のYouTuberが、ロレンズの記事には間違いがあると指摘しています。
YouTuberとネット担当記者の争いはこれまでにも紹介していますが、今回はネット担当記者の悪意を感じる騒動です。
ロレンズのウソ
ロレンズに中傷されたクリエイターは、エリタ・マジェイカ(Alyte Mazeika、チャンネル名LegalBytes、登録者数24万2000人)とアンブレラ・ガイ(ThatUmbrellaGuy、チャンネル登録者数33万3000人)です。いずれのチャンネルも裁判の報道が盛り上がる前から、ジョニー・デップ関連の動画を投稿していました。アンバーの弁護士エレイン・ブレダホフ(Elaine Bredehoft)が裁判中にアンブレラ・ガイの名前を出すほど、界隈では知られているチャンネルでした。
ロレンズの記事では「クリエイターに取材を申し込んだが返事がなかった」と書かれていました。ところがアンブレラ・ガイは、そのような申し込みはなかったとツイートしています。
The Washington Post LIED and DID NOT contact me before including me in their story on Johnny Depp, despite reporting they did so.
I noted this on Twitter today at 8:31p.
At 9:44p they decided to contact me, AFTER I noted this publicly. ( pic.twitter.com/gkGt0WuMKZ
— ThatUmbrellaGuy (@ThatUmbrella) June 3, 2022
その後、ワシントンポストは訂正をしていました。ところが、訂正内容にも誤りが含まれているとエリタに指摘されています。
What?! @washingtonpost I will say this AGAIN.
I was not reached out to by @TaylorLorenz for comment until after my tweet below. She reached out to me by IG DM AFTER she did on Twitter. Both DMs were sent to me AFTER I called her out here.
Please stop lying and take the L. https://t.co/5mylhJTU9f pic.twitter.com/ZfS7BUCeDF
— Legal Bytes 🍽💙 (@legalbytesmedia) June 4, 2022
ロレンズは取材を申し込んでいなかったにもかかわらず、虚偽の内容を書いていたようです。YouTuberたちとそのファンからウソを暴かれてしまったロレンズはその後Twitterアカウントを鍵付きにしていました。
YouTuberのニコラス・デオレオがツイートしています。
(2022年9月4日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
32万人もフォロワーがいるのに鍵付きにしてどうするつもりなのでしょうか。
ここまでの内容はBreaking Pointsが動画にしています。
大手メディアは、裁判で敗訴したアンバー・ハードを擁護する記事をたくさん出しています。裁判をすべて見てきた視聴者や弁護士YouTuberは報道のされ方に違和感を抱いています。
偏向報道への批判
弁護士YouTuberのNate The Lawyerです(YouTube登録者数22万2000人)。
極右=「アンバー・ハードはうそつき」
ほとんどの人々=「アンバー・ハードはうそつき」
CNN/MSNBC/ABC/CBS/NBC=「アンバー・ハードは女性だから信じましょう。ウソを信じましょう。」
これがジョニー・デップ裁判の扱われ方
Far Left = Amber is a Liar.
Far Right = Amber is a Liar.
Vast Majority of Public = Amber is a Liar.CNN/MSNBC/ABC/CBS/NBC = Believe Amber because she is a woman. Believe the lies.
This is the real story coming out of the Depp trial.
— Nate The Lawyer (@NatetheLawyer) June 4, 2022
ジョニー・デップ対アンバー・ハードの名誉毀損裁判の傍聴席にいたカナダ人弁護士のRunkle Of The Baileyです(YouTube登録者数20万6000人)。彼はジャーナリストの怠慢を指摘しています。
Also, I can tell you that I saw a lot of journalists show up for the Depp trial. But Judge A had said they have to wait in the same line as we mere mortals, aside from CourtTV.
You know how many of them slept outside?
Zero. They reported on me sleeping outside instead.
— Ian Runkle/Runkle of the Bailey @ YouTube (@IanRunkle) June 3, 2022
裁判所の外に寝袋を持って並ぶ弁護士は数名いましたが、ジャーナリストは不在だったようです。
こちらは弁護士ではありませんが、傍聴席から陪審員の表情を細かく観察していたジェームズです。
Imagine being alive in 2022 and holding the position that CNN, WashPo, and NYT are more trustworthy than independent media. 😂
— JAMES (@jamesfromcourt) June 2, 2022
チャンネルBreaking Pointsの司会者Krystal Ballの意見です(YouTube登録者数80万8000人)。
Too perfect that @taylorlorenz mocks the lack of journalistic standards for youtubers in an article where she blatantly lies and violates journalistic standards.
— Krystal Ball (@krystalball) June 5, 2022
こちらはロレンズとは無関係ですが、大手メディアのジョニー・デップ裁判の報じ方がいいかげんだと指摘する声があります。
This is why no one trusts the MSM.
You can edit it out but screenshots and online archives are forever @latimes when tf did Jason Momoa testify???????https://t.co/lNSQn0ARgc pic.twitter.com/QJTbGuGlNK— Mariam (@mimasdiaries) June 3, 2022
TikTokにはジェイソン・モモアが出廷したネタ動画が複数出ていますがジョニー・デップの名誉毀損裁判では俳優のジェイソン・モモアは証人になっていません。ロサンゼルスタイムズの記者はTikTokのネタ動画を見て、勘違いをしてしまったのでしょうか。ジェイソン・モモアが証言したとしっかり書いてしまっています。
大手メディアのネット担当記者の一部は「ジョニー・デップを擁護して大手メディアの報道を疑うのは、保守派メディアへの誘導のため」と陰謀論めいたことを言い出しています。
Distrusting the media on Johnny Depp vs Amber Heard
Is a conspiracy to push people toward the right-wing, according to the mainstream media.
LOL! You can’t make this mess up. pic.twitter.com/aJTiasEgka
— ThatUmbrellaGuy (@ThatUmbrella) June 5, 2022
むしろ大手メディアの記者がアンバー・ハードを無理に擁護しようとするのが、大手メディアの信頼性を下げる工作活動なのではという気もしてしまいます。
弁護士YouTuberのRunkle Of The Baileyは、大手メディアの誤情報拡散についてこのように私見を述べています(動画)。「ジョニー・デップ対アンバー・ハードの名誉毀損裁判について個人クリエイター、特に弁護士YouTuberが専門性の高い動画をたくさん公開していた。弁護士YouTuberのエミリー・D・ベイカーが代表例だろう。ジャーナリストは弁護士ほどの専門的な内容は書けない。現代では大手メディアよりも、もっと質の高い情報源が他にいくらでもあるので脅威に感じて攻撃しているのだろう。」