美容YouTuberのジェームズ・チャールズ(James Charles、21歳)が元プロデューサーに訴訟を起こされています。ジェームズを訴えたのは、ケリー・ロックリン(Kelly Rocklein、26歳)です。ロックリンは23歳だった2018年に半年間ジェームズの動画編集者兼プロデューサーを務めていました。
以下の内容はおおむねSL04Nの動画に基づいています。
(2022年7月17日:削除されたYouTube動画をキャプチャ画像で置き換えました。)
ロックリンの訴え
ロックリンは不当解雇、未払賃金などを理由にジェームズを訴えています。
ロックリンの訴えは以下のとおりです。
- ロックリンは2018年4月に動画編集者として雇われたが、仕事を評価されプロデューサーに昇格した。しかし、ジェームズは新たな編集者を雇用しなかったので、ロックリンは二人分の仕事をすることになった。1日12時間ほど仕事をしていた。残業手当や福利厚生は与えられなかった。
- 2018年9月4日、ロックリンはネイルサロンで気を失い倒れた。その後、医師に「脳しんとう」と診断された。
- 脳しんとうによる体調不良で、動画の締め切りに間に合わなかった。ジェームズはロックリンの体調よりも、動画の公開が遅れたことを気にしていた。
- 2018年9月19日、ロックリンは一方的に解雇を伝えられた。
- 解雇は不当である。残業代を含めたじゅうぶんな給与を利子つきで支払うこと、損害賠償をすること、裁判費用を支払うことなどをジェームズに要求する。
ジェームズの反論
2021年5月10日、ジェームズはTwitterに動画を投稿します。ジェームズは「ロックリンへ取材した記事が近日中に出る。」と話しています。
こういった訴訟はエンタメ界でよくありますが、裁判まで行かず和解することが多いです。なぜなら、裁判費用が高額になるから。和解するのは容易ですが、メディアでわたしを中傷するような人に対しては、その選択肢はありません。全面的に法廷で争います。
— James Charles (@jamescharles) May 11, 2021
ジェームズは記事の内容を警戒して、先手を打って動画を投稿したようです。翌日、米INSIDER誌から記事が公開されます。
ジェームズを告発する記事
INSIDERの記事リンクはこちらです。
James Charles’ former creative director is suing him for a slew of allegations, including disability discrimination after she says she got a concussion and dozens of hours of what she says is unpaid overtime.https://t.co/vzCgvI2iz1
— Kat Tenbarge (@kattenbarge) May 12, 2021
記事の要点は以下のとおりです。
- ロックリンは月$5000(約50万円)の給料を受け取っていたが、昇給した後、年俸$75,000(年額約750万円、月額約60万円)の給料を受け取っていた。残業代と福利厚生はなし。
- ロックリンはジェームズから「コーチェラ音楽祭の衣装でお尻を出すから、毛を剃って」と頼まれた。
- ジェームズは日常的にNワードを言っていた。ジェームズはロックリンを「ビッチ」と呼んだ。
- ジェームズはロックリンの労をねぎらってルイ・ヴィトンのネックレスを贈った。
ジェームズ側がINSIDERの記事を潰そうとしたというロックリンの主張も書かれています。
INSIDERの記事を読んだ人の間で話題になっていたのは、ジェームズが「お尻の毛を剃って」と頼んだことです。たしかにジェームズはコーチェラ音楽祭で露出した衣装を着ていました。
ジェームズは、ロックリンの話は虚偽だと話しています。真相は当事者にしかわかりません。
ロックリンについて
ロックリンがYouTuberを訴えたのは、今回が最初ではありません。ロックリンはYouTuberでモデルのエリカ・コステルを訴えて和解しています1。エリカは炎上系YouTuberジェイク・ポールの元交際相手です。
2021年4月にロックリンは、エリカ・コステルに「勝訴して、次も勝ちにいく」とツイートしています。
(2024年8月5日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ジェームズが設定した給与に不満だったと主張しているロックリンを怪しむ人もいます。
(2021年12月12日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ロックリンの過去ツイートを掘り返していた人は、ロックリンの不適切発言を見つけています。
(2022年12月4日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ジェームズは未成年のファンと不適切な交流をしていたのが発覚して炎上し、謹慎中の身です。法廷争いで有利になるように、ロックリンはメディアにジェームズの悪い情報を流したようです。
海外YouTuberの業務体系を見ていると、幼なじみや家族をマネージャーやアシスタントに雇用している例が多くあります。マフィアさながらの結束力を漂わせることもあります。ジェームズが起こされたような訴訟を警戒して「信用できる人をそばに置く」習慣があるのでしょうか。ジェームズがロックリンにルイ・ヴィトンのネックレスを贈ったのは懐柔するためだったとも思われます。アメとムチの使い分けは、まさにマフィア的です。