変なクリスマス映画が多すぎる!毎年量産される奇妙な映画とは?

おもしろネタ

「キリスト教徒以外もいるから『メリークリスマス』のかわりに『ハッピーホリデーズ』と言えだと? けしからん! 伝統を無視しおって、まったく最近の若い者は……」と嘆いておられる方はいらっしゃいませんか? そんな方も安心な、登場する誰もが一点の曇りもない笑顔で気兼ねせず「メリークリスマス」を連呼する映画があります。それがホールマークのクリスマス映画です。

クリスマス映画といえば『ホーム・アローン』や『グリンチ』など名作・人気作がたくさんにありますが、その陰には大量のクソ映画があります。米国にはクリスマス映画が大量に供給され大量に消費される生態系があるのです。その中心にあるのがホールマークの生産するクリスマス映画です。

ホールマーク(Hallmark)はグリーティングカード事業で有名な企業ですが、ドラマ制作・放映も行っています。クリスマスと言えばホールマークのクリスマス映画、というほど大量に供給されています。販促活動の一環なのでしょうか?

YouTuberのドリュー・グッデンは毎年クソクリスマス映画をレビューしています。本記事ではドリューのレビューを紹介します。

スポンサーリンク

2018年の出会い『クリスマス・メール』

ドリューが本格的にクソクリスマス映画に向き合ったのは、ケーブル契約をした2018年の12月でした。彼は、ホールマーク・チャンネル(Hallmark Channel)に出会います。ホールマークはこの時期、毎日のようにクリスマス映画を放送しています。

ドリューに言わせれば、ホールマークのクリスマス映画はこのような筋書きです。

都会でキャリアをばく進する主人公が、仕事の関係で地方に行き、そこで恋に落ちる。そして、そのまま地方で暮らす。クリスマス映画なので当然、登場人物たちはこれでもかと「メリークリスマス」を連呼する。

ドリューによれば、ホールマークのクリスマス映画はクリスマス映画の合格点の水準です。ホールマークのクリスマス映画以上のできならいい映画、ホールマークのクリスマス映画以下は見るに堪えないものになるそうです。

クリスマス映画を連日観てきたドリューはアイオン・テレビジョン(Ion Television)で放送された映画『クリスマス・メール(Christmas Mail)』に出会います。この映画がホールマークのクリスマス映画の水準を下回る作品でした。実にひどかったそうです。

ドリューは「初めて見たとき映画の後半からしか観られなかったから、300円でDVD買ったよ。」と話しています。すでに10回観たドリューに言わせれば、「人生で最低だけど最高の出会いになった、ひどいんだけど素晴らしく、珍奇だけど美しい映画」だそうです。納得できないのは、予算が$2.5ミリオン(約2.5億円)だったのに、250円しかかかっていないように見えることです。

I Think I Found The Weirdest Christmas Movie

映画のおかしい点は書けばキリがありませんが、「食事の時間だぞ〜!」と子どもを呼ぶが、料理は完成していないどころか加熱も始まっていない場面がある、エキストラが家に入れずにカメラ目線で棒立ちになっている場面があるなどがあります。

ドリューは2021年もしっかりクリスマス映画を酷評しています。

Peacock's Insane Christmas Movies

しかし、この記事を書くため筆者も十本弱クリスマス映画ばかり観ていたら胸焼けがしてきたので、2021年の最新作は紹介できません。

十本弱の経験からすると、確かにホールマークのクリスマス映画はできが悪くないようです。俳優が美形で、ストーリーもお約束にきれいに当てはまり、違和感を持たせません。ホールマーク映画ではない映画はホールマーク映画よりもストーリーに不自然さを感じさせることがよくあります。ドリューの言うとおり、ホールマークのクリスマス映画は一つの水準であるようです。

ホールマーク映画には「古き良きアメリカ」が感じられます。本当の意味での悪人はおらず、悪い出来事は起こらず、決まり悪い感じもせず、安心して観ていられます。社会にはもっと様々な人がいるはずなのにそれが無視されている、という気もしなくはないのですが、そういうややこしいことは脇に置いておいて、ホールマーク映画を観ようじゃないか、という気持ちもよくわかります。

なお、筆者の発見したホールマークのクリスマス映画の特徴は、主人公の親世代の男性(主人公の父親、交際相手の父親など)はどういうわけか高確率で故人になっていることです。筆者はホールマーク映画を見慣れすぎたせいで、父親世代の男性とロードトリップに出かけるストーリーに違和感が出て大変でした。もちろん、ホールマークではないクリスマス映画です。読者の皆様がホールマーク映画とそれ以外の映画を見分ける必要が出てきたら、この特徴をぜひご利用ください。

余談ですが、こちらではYouTuberのカーティス・コナー(Kurtis Conner)が映画『Homeless For The Holidays』を酷評しています。

"Homeless For The Holidays" is an Infuriating Christmas Movie

冒頭テレビ局のレポーターが「クリスマスですがこちらのお宅はつい先日差し押さえになりましたぁ!」とにこやかに宣言し、映画の主題を教えてくれます。しかし、いくらローカルテレビ局でもこんなことしないだろうと思わされます。

子役が棒読みで表情が最初から最後まで死んでるのも奇怪です。プロダクションと両親に搾取されてるのに感づいてるのかな。

タイトルとURLをコピーしました