2020年4月のできごとですが紹介します。
カーリントン(ジョージア州)の高校生ステファニー・フリーマン(Stephanie Freeman)とジェフリー・ヒューム(Jeffery Hume)のTikTok動画が問題になっていました。
2人が人種差別的な動画を投稿していると同級生が告発したのです。
そんなに再生されないと思うけど、私の学校の人がどれほど人種差別的か知ってほしいと思う。女性の名前はステファニー・フリーマンで高校4年生です。
(2020年10月31日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
シンクにNワードと書いた紙が置かれています。コップの下には紙が置かれ内容が当てはまる場合にコップの水をシンクに流し入れています。
今日はNワードを作るぞ。まずは、黒か? あいつらは黒い。 次は父親がいないか? いない。 次はスイカを食べ、フライドチキンを食べるか? その通り。 では賢明な判断をするか? しない。 最後に盗みをするか? あいつらは白人を標的にした盗みをする。
人種差別を堂々と行うこの動画はTwitterだけで450万回以上再生されました。人々の怒りを買ったフリーマンとヒュームの個人情報は晒され、厳しい非難の対象になります。
こちらの投稿は、2人のInstagramのアカウント名を公開して、批判しています。
(2020年10月10日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
その後、フリーマンは高校を退学になり、ヒュームは所属していた独立系レスリング団体から解雇されます。
こちらは、2人が通っていた高校の声明です。
こちらはヒュームが所属していたレスリング団体の公式アカウントです。
抄訳:WWA4レスリングは人種差別を容認しません。2020年4月16日をもってジェフリー・ヒュームの資格を剥奪しました。
— WWA4 Pro Wrestling School (@WWA4ATL) April 17, 2020
以上の内容はチャンネル、ワッツ・トレンディング(What’s Trending)が動画にしています。
フリーマンとヒュームの動画は、瞬く間にソーシャルメディアで拡散され、学校が退学処分を言い渡すまでの時間はわずか1日でした。早急な判断を求められた学校側への批判も相当なものだったのでしょう。未成年とはいえ、不適切な動画を公開した2人は厳しい制裁を受けています。
個人情報を晒すのは問題
しかしこの制裁と、制裁のやり方が行き過ぎだったのではないかという声が出ていました。
明らかに行き過ぎていた例がYouTuberのTea Seshです。Tea Seshはこのようにけしかけています。
Twitter民、仕事だ。
Twitterユーザーの「仕事」と言えば、個人情報晒しといじめです。当然フォロワーはこれを受けて動き始めました。
これに対し、同じくYouTuberのニコラス・デオレオが行き過ぎを非難します。
考えなしに書いたな。Tea Seshみたいなやつらはクズだ。子どもたちの学校や志望校にフォロワーをけしかけて攻撃させてる。ネットでバイラルになるキモい投稿なんかよりずっとこっちの方が悪い。個人情報を晒しネットいじめをしてることに弁解もしていない。
(2020年5月25日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
明らかに規約違反でネットいじめを扇動してる。
(2020年5月25日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
これを受けて、Tea Seshは釈明を始めました。
何であれ個人情報晒しはよくないと思います。校長先生のところに動画を送れば充分でしょ。
I do not support the doxxing of anyone. Sending the video to her principal is enough.
— Tea Sesh ?◢ ◤ (@TeaSeshYT) May 18, 2020
フォロワーをけしかけて、単に校長先生に動画を送らせようとしただけ、という言い訳は苦しいでしょう。気軽に他人の人生をむちゃくちゃにしてしまっていることに無自覚なようです。
最後に、daphoenixdivaの意見です。
この女の子が人種差別主義者のクソなのは確かにそう。でも、高校を退学になってそれで人生むちゃくちゃになって当然かっていうとね……「おいガキ、無知だな」って言うのに個人情報を晒すのが必要だと思う? そんなことはない。
こういう差別的な動画は本当に嫌なんだけど、でも反応する前にちゃんと考えなきゃって思う。
(2021年3月14日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
この事件が起こったのは2020年5月にブラック・ライブズ・マター運動が全米に広がる前です。差別的な投稿を容認しない雰囲気は今の方がこの事件の当時よりも増していると思いますが、その陰でいじめも過激化していないことを願わずにいられません。