青い着色料を飲み続けたカナダ人のTikToker、COLTY ?(コルティ)の動画が話題になっています。
初日の動画です。「これから数日間、青い着色料(食品添加物)を毎日飲み続ける」と話しています。飲むのは水のみで、牛乳やジュースなどは禁止だそうです。一滴でコップ一杯の水を青く染められるような強力な着色料を、毎日一容器分を飲み干すと話しています。
青い着色料を飲み続けると尿や肌、便が青くなるってネットで見た! 本当か試したいんだ。
(注意:以下、食欲のなくなる映像です。ご注意ください。)
こちらは飲み続けて10日目の投稿です。部屋の照明が青いので、顔色まで青く見えます。
結果はこうなりました。
- 尿は青くなった
- 便も青くなった
- 肌も青くなった
歯も青くなってますね。心配になりますが、これは歯磨きをしたら戻りました。
一色のものしか食べない
ある一色のものしか口にしないチャレンジはYouTubeでも定番の動画です。2018年末頃から見られる流行です。
こちらはピンクの食べ物だけを食べています。
こちらは家族チャンネルのシスvsブロー(SIS vs BRO)の動画です。
子ども向けのチャンネルで、よく見られる動画のテーマです。一色のものしか口にしない動画は、単純にチャレンジが面白いというもので、体を一色に染めようというものではありません。この点がコルティの動画と違います。
YouTuberも挑戦
YouTuberのルーク・アバクロンビー(Luke Abercrombie)の動画です。コルティと同じようなことを試してみました。ルークは一度に大量の着色料を飲んでいます。
臓器まで青くなったらどうする⁈ ブルーブラッドとかジェフリー・スターみたい1! 万が一、臓器提供することになって私の体を開けたら、中が真っ青ってこわいよね! うぇ……吐き気するんだけど。2013年以来、吐いてないから勘弁して。
結果、尿は青くなりませんでした。一度に大量の着色料を飲んでも変わらないようです。
InformOverloadもコルティのTikTokを動画にまとめています。
本当に色がつくの?
大便は着色料がそのまま出てくるなら色がついていることもありそうです。たとえば、こちらのグリッターピル(glitter pill)と同じように。
ルークは尿が青くならなかったと言っているので、コルティの言っていることは怪しいかもしれません。しかも、尿や大便に色がついてしまうことはあるとしても、皮膚に色がつくなんてことはあるのでしょうか? ウソなのでしょうか?
ところが、こちらの論文に、多量の着色料を摂取したら、実際に青くなったことが報告されています。米国のある病院での症例報告です。
この病院では経腸栄養剤を着色料で青色にしていました2。あるとき、たまたまある患者に大量の食用色素を投与してしまいました。最初はチアノーゼ2が疑われたのですが、経腸栄養を停止して24時間で患者は元に戻り、後遺症は出ませんでした。
この症例で、24時間で元に戻ったということは、皮膚に色がついたのではなく、皮膚を通して色のついた血液が透けて見えていたのだと思われます。コルティもそうなのではないかと思われます。ルークの言うとおりブルーブラッドです。血液にも色がつくくらいなら、尿も青くなるでしょう。
それでは、髪の毛はどうでしょう? 髪の毛は血液が通っているわけではありませんから、多少なりとも色がつきうるのは、食用色素を飲み始めてから伸びた根元の部分だけだと思われます。
通常の量を超える着色料を摂取して健康を害さない保証はありません。よい子の皆さんはまねしないでください。