XXXtentacion(エックス・エックス・エックス・テンタシオン)は多才なラッパー(アーティスト)でした。ラップの型にはまらず、様々な実験的な作風に挑戦していました。
XXXTentacionの音楽性
人気が集まり始めたのは2013年からサウンドクラウドで発表した自作曲でした。
知名度が上がったのは2017年8月にリリースされたデビューアルバム『17』で、米ビルボード200にて2位をマークし、初週で8万6千枚を売り上げた頃です。
作品にはうつ病や孤独、自殺願望に苦しむ内容が含まれます。初期にはセックスや暴力的な内容もありました。
ライブ会場の熱狂が伝わってくる動画です。
セカンドアルバム『?』は2018年5月にリリースされ、米ビルボード200にて1位を獲得しています。セカンドアルバムは米レコード協会からゴールドディスク認定をされています。
セカンドアルバムからのシングル『changes』はYouTubeで現在2.6億回再生されています。
XXXtentacionは2018年6月18日に強盗に拳銃で襲われ、亡くなりました。
インタビュー動画
2016年4月27日に投稿されたPodcast 「No Jumper」(司会者はAdam22)のインタビュー動画です。
彼の死後、2018年現在動画は830万回再生されています。抄訳となります。
XXXTentacion:刑務官とは良い関係だった。んで、雑居房で一緒になったのがホモ野郎だったんだよ。待って! ゲイの人、全員を悪く言ってる訳じゃないよ! 同性婚には賛成してるし、誰にでも人を自由に愛する権利がある。俺はストレートだけどホモフォビアじゃない。あのホモ野郎が悪いだけだから誤解しないで。俺をレイプしようとする奴は容赦しないだけ。
こっちを見るな、って言ってるのにジロジロ見てきやがったから、痛い目に合わせたよ。コンクリートの角に思いっきりそいつの頭を打ち付けてやった。
Adam22:そんな事して、問題になっただろ?
XXXTentacion:刑務官になんで殴ったって聞かれたから、あいつが俺の尻を触ったからだとウソをついたんだ。その後、1日くらいhole(おそらく懲罰房だと思われます)に入れられた。マットもなく、ただのコンクリートの部屋に一人きり(外部との接触が一切ない状態)でずっといると頭がおかしくなったと思う。まぁいずれにせよ、あの頃の俺は頭おかしかった。
インタビューで印象的だったのは、付き人全員が早々にヘッドフォンを外し、だらだらハッパを吸っている中XXXTentacionだけはヘッドフォンを付けたままインタビューに応じていたことです。まだ、動画当時はアンダーグラウンドラッパーでありましたが、Podcastでのインタビューに正直に誠実に答えようとする熱意とプロ意識を持った人物だと感じました。
社会貢献活動も
これは2018年にXXXTentacionが児童養護施設に洋服、靴、PS4、テレビなどを贈った際の動画です。
子どもたちに将来の夢を質問していき、励ましている姿が映っています。上のインタビュー動画では、(XXXTentacion自身は)子どもの頃将来の夢はなかった、と話しています。
生前は交際していた女性への暴行や過去の犯罪歴などもあり決して良い評判ばかりではありません。しかし、少しずつ成長し良い影響を人に与えられる人物になろうと努力しているのを感じます。
自分の夢を持つ大切さ
これはXXXTentacionの最後のInstagram Liveで話している動画です。
自分の夢を追うんだ。周囲が良いと思ってる事じゃなく、自分が本当になりたい目標を持つんだ。
バカな行動をするのがカッコいいと思われる時代は終わりにしよう。不良になって殺人や拳銃事件を起こすのは、バカで間違ってる。もっと、希望と夢を持って生きていくのをカッコ良く思うようにしよう。
自分の価値は自分で思っている以上にある。誰にでも可能性がある。俺はそう信じてる。
もし俺が死んでしまっても、このメッセージに影響されて500万人の子どもたちが幸せに生きてくれたら嬉しいし、生きた意味があったと思う。
数多くのファン、そして著名人にも彼の音楽は愛され、才能を認められていただけに、夢半ばで命を奪われてしまったのは残念でしかありません。ファンにむかって「夢をあきらめるなよ。希望をもてよ。」と励ましている姿は(XXXTentacionが幼少の頃から辛い境遇にあっただけに)より説得力があり、強烈なメッセージとなります。