アイライナーのヴァンス上院議員 NABJでは差別発言連発のトランプ元大統領

社会・政治

2024年米国の大統領選が過熱しています。ヴァンス上院議員は相変わらず過去の言動が取り沙汰され、トランプ元大統領は全国黒人ジャーナリスト協会に出席し醜態をさらしています。

ハリス副大統領は献金の額でも世論調査でもトランプ元大統領を大きく引き離しています。よぼよぼのバイデン大統領と争うのは余裕とあぐらをかいていたトランプ元大統領はここにきて焦っているようです。

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インド系妻とイルカとサルのキ♂タマとアイライナーと

トランプ陣営の副大統領候補に選ばれて以来、過去の発言が掘り返されたり、ソファとヤッたことがあると自伝に書いたとでっち上げられたり、J・D・ヴァンス上院議員はイジられまくっています。

2016年時点ではトランプ元大統領に批判的で、トランスジェンダーの友人もいたそうですが、2022年に上院議員になって以来、トランプ氏以上にトランプ氏的な発言で注目を集め、見事(?)副大統領候補の座を射止めました。

しかし、ヴァンス上院議員にはソファとヤッたこと以外にも弱点があります。妻がインド系なことです。トランプの支持者の中には少なからず人種差別主義者がいるようで、ヴァンス上院議員の妻も攻撃されています。これに対して、上院議員は「妻は白人ではありませんが、ウシャ(妻の名前)を愛しています、良き母です。」と奥歯にものが挟まったような反論をしています。

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(2024年11月10日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

人種差別をやめろと発信してもいいはずですし、支持者の意見に迎合するなら白人妻を募集中!と発表してもよいはずですが、この煮え切らない発言は一体何なのでしょう。

イェール大学のロースクールにいたころにはトランスジェンダーの友人がいたヴァンス上院議員と妻でしたが、政界入りを機に疎遠になったそうです。ヴァンスは友人でも家族でも大切な人でも権力を手に入れるために裏切る、と投稿されてます。

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(2024年9月29日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)

ヴァンス上院議員は自分の母やきょうだいにメディアで発言することを禁じているとも報じられています。

「ヴァンスはソファとヤッた」というウソでみんなが大盛り上がりをしていると、追加の燃料が投下されました。

ヴァンス上院議員がイルカに(性的に?)襲われる女性の動画について「ネットなんてなけりゃよかった」とツイートしているのが発見されたのです。このスクリーンショットが話題になりました。

Woman(女)とdolphin(イルカ)が太字になっています。もしこのスクショが上院議員自身のPCやタブレットでとられたものだとすると、ツイートを太字になっているキーワードで検索していたことになります。もちろん、誰かが検索した結果を上院議員が持ってきただけかもしれませんが、「なけりゃよかった」ネットは当然、そんなことはお構いなしで上院議員が「女 イルカ」で検索したと騒ぎ、大いに盛り上がりました。何を期待しているとこんな組み合わせで検索するんだろう……。

結果、こんなヴァンス上院議員が最高に喜びそうな画像でSNSがあふれかえることになりました。

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そのほか、ヴァンス上院議員の設立したベンチャーキャピタルがバイオテクノロジー企業に投資しており、その企業が実験用のサルのキ♂タマを焦がす事故を起こしたという見出しの記事まで出て、ヴァンス上院議員はいくらでも殴っていい人になってしまったようです1

これは批判ではありませんが、ヴァンス上院議員はアイメイクをしてるのでは?という投稿もあります。

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写真を比較すると、確かにアイライナーが確認できます。

トランプ元大統領もふざけたオレンジ色のファンデをつけていますし、男性はメイクをしないという常識を打破する姿勢は歓迎できますね。伝統的家族観と伝統的な男性の役割を取り戻せという主張に整合的なのかは今ひとつよくわかりませんが2

彼がジェームズ・ドナルド・ボーマン(James Donald Bowman)、ジェームズ・デイヴィッド・ハメル(James David Hamel)、ジェームズ・デイヴィッド・ヴァンス(James David Vance)、J・D・ヴァンス(J. D. Vance)と名前を頻繁に変えてきたことについても当てこする声があります。トランスジェンダーの人が名前を変えることを右派がしばしば攻撃してきたからです。宗教も福音派から紆余曲折してカトリックになったと指摘されています。

あまりにも評判が悪いので、実はヴァンスはトランプ再選を阻むために放たれた刺客かと疑う声も出ています。

(注:冗談です。)

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NABJに登壇したトランプ

一方、トランプ元大統領は、ハリス副大統領の出馬を受け、黒人女性の票が流れることを警戒しているようです。

黒人票が欲しい元大統領は全国黒人ジャーナリスト協会(National Association of Black Journalists)のイベントに参加していました。開始早々、過去の人種差別発言を列挙され「この場にふさわしくない人」と言われてしまった元大統領は気分を害しています。事実を指摘されただけですが、ウソばかり言ってウソの世界に住んでいる元大統領には受け入れがたいのでしょう。

1月6日の議会乱入事件の犯罪者についてなぜ恩赦を与えるのか、と質問され「もちろん。無罪ならそうする」と答えた元大統領ですが、記者から「彼らには有罪判決が出ていますよ」と返されています。会場からは笑いが起こっています。

元大統領はよく不法移民たちが「黒人の仕事(black job)を横取りしている」と発言しています。仕事を奪われたくなければ、俺に投票しろと呼びかけていますが、具体的に「黒人の仕事」とは何かを問われ、「あらゆる仕事だ!」と答えています。

さらにヴァンス上院議員は職務を全うする準備はできているのかと問われ、「副大統領に影響力はない(ので関係ない)」と答えています。こんなところでも殴られるみじめなヴァンス上院議員。

元大統領は、カマラ・ハリス副大統領の人種についても不適切発言を放ち「カマラは長らくインド人のアイデンティティーを主張していたが、ここにきて突然、黒人アイデンティティーに切り替えている。カマラが黒人だとは知らなかった。」と言っています。記者からは「彼女は歴史的黒人大学を卒業していますし、ずっと黒人だと言っていましたよ。」と返されています。

ハリス副大統領に黒人票が流れるのを抑える目的があったようですが、逆効果の発言をして予定より早めに退散しています。

NABJの会場にいた記者はこのように話しています。

全編はPBSの動画で視聴できます。

ここまでの内容はインターネット・トゥディが紹介しています。

Trump's New TRAINWRECK Interview – TechNewsDay

インターネット・トゥディは「予定開始時刻よりも開始が遅れたのは機材のせいだと言われていたが、実際はファクトチェックを挟むか挟まないかで小競り合いが発生していたかららしい。しかもわずか30分で切り上げている。」と紹介しています。

事前に予定されていた討論会についてもトランプ元大統領はごねています。決まっていたABC司会ではなく、保守系のFOX主催にして会場にトランプ支持者を入れた状態なら討論会に応じるとここへ来て提案しています。いつでもどこでも討論会に応じると話していた元大統領ですが、カマラ・ハリス副大統領相手にはそうもいかないようです。

共和党の議員やトランプ支持者を指して変な人(weird)と侮辱するのがはやっています。ティム・ウォルツ知事がテレビで発言したのが最近の流行のきっかけですが、2020年頃からweirdはMAGAを指して言われる言葉でした。

  1. この企業は幹細胞を使った治療法を開発していて、実験用幹細胞の多くに胎児由来のものがあるが中絶禁止を掲げる候補がそんなことをしてよいのか、という問題もこの記事は提起している。
  2. 20年以上前、ゲイの出会い系掲示板を通じてヴァンス上院議員と出会ったと語る男性を紹介した記事もあるが、話が古すぎるうえ、この男性の発言以外に証拠がない。会ってはみたが不気味なやつだったのですぐにフッたとこの男性が語ったと書かれているところに、ヴァンス上院議員が殴っていい人になってしまっている現状が垣間見える。
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