──セントラルパーク、ニューヨークを見晴らす、贅沢。432・パーク・アベニュー。
──大都会(メトロポリス)の緑豊かな上空400メートルに住まう。432・パーク・アベニュー。
そんなマンションポエムが口をついて出てしまう物件のご紹介です。誰しもいつかは住みたいと憧れる(?)マンハッタン島、セントラルパークの南に位置する432・パーク・アベニュー。ウィキペディアページも存在する有名物件です。
この物件の特徴
内覧できる動画はこちらです。美しい陽光が印象的な撮影です。
内部には特注品の家具や美術品が並んでいます。メーカーはベントレー、フェンディ、ルイ・ヴィトン、エルメスなど。
──ルイ・ヴィトンを生き、エルメスを過ごす「わたし」。432・パーク・アベニュー。
こちらの販売サイトによれば、この物件は9ベッドルーム、8バスルーム(詳しくは6バスルーム、2パウダールーム)、8255平方フィート(約770平方メートル)です。432・パーク・アベニュー(432 Park Avenue)の最上階(96階)ワンフロアを占有します。
9LDKの家ですが、なんと言ってもその特徴は長さ93フィート(約28メートル)のリビング・ダイニング、高さ12.5フィート(約4メートル)の天井、そして全面に作り付けになった10フィート(3メートル)四方の窓24枚です。360度遮るもののない眺望を楽しめます。
──天翔ける鳥たちもうらやむ眺望をこの手に。432・パーク・アベニュー。
お値段は$169ミリオン(約190億円)で、共益費は$24,012(約270万円)、月々の税金は$14,811(約150万円)です。この立地とこの広さで190億円は破格……なのかどうか、判断もつきません。億ションを超えた百億ションです。確実なのは、普通の家の予算では数平方メートル分にしかならないことです。
販売サイトの説明は
──この世にたった一つの逸品。比類なきトロフィー。初売出。家具と美術品の価格込。1
となっています。
近所にビリオネアズ・ロウ(Billionaires’ Row、億万長者通り)と呼ばれる地域(57丁目)がありますが、その地域の高層マンションすらも見下ろす立地です。億万長者の上をゆく、兆億長者の住まいです。
──ビリオネアズ・ロウのその先のレジデンスへ。432・パーク・アベニュー。
物件には背景が
432・パーク・アベニューはウルグアイ出身の建築家ラファエル・ヴィニョリ(Rafael Viñoly)の設計になる高層・高級マンションです。2015年の年末に完成しました。
426メートルはワン・ワールド・トレード・センターに次ぐニューヨーク市で第2位の高さです。英語版ウィキペディアページによれば、縦横比が15:1で極端に細い構造です。
そのためか、荒天の日は揺れると訴えている住民もいるそうです。実際、こちらの記事によれば、この形状の場合、風速毎時50マイル(秒速約22メートル)で6インチ(約15センチメートル)たわむそうです。このたわみは想定の範囲内なのですが、それ以外に施工不良も判明し、9月には集団訴訟に発展してしまいました(外部記事)。
──嵐の湖面に浮かぶ木の葉のような、舞台。432・パーク・アベニュー。
こちらの外部記事によれば、この物件は2016年にサウジアラビアの不動産王ファワズ・アルホケイル(Fawaz Al Hokair)氏が$87.7ミリオン(約100億円)で購入したものでしたが、2021年6月に売り出されました。これは欠陥建築だと言われるようになってきたから(不動産の価値が下がってきたから)のようです。
190億円は取得価格よりはまだかなり上ですから、それでも強気な価格設定かもしれません。2021年6月に売り出されてから半年、まだ売れていません。
──不動産の爆弾ゲームを味わう、至福。432・パーク・アベニュー。