「先が見えないとき、神様が光を照らしてくれます。ソウデス。祈れば、トランプ大統領の再当選は叶うのです。」と、アメリカのテレビ伝道師が言っているかは知りませんが、アメリカ各地で、トランプ大統領の支持者が熱烈な祈りを捧げる動画が話題になっているので紹介します。
アフリカの天使降臨か ポーラ・ホワイト
まずは、トランプ大統領のスピリチュアル・アドバイザーである伝道師ポーラ・ホワイト(Paula White-Cain)氏の儀式が独特だと話題になっていました。ポーラ・ホワイト氏は福音派のテレバンジェリスト1です。2017年のトランプ大統領就任式でも登壇していました。
2020年11月4日、ホワイト氏がトランプ大統領が再当選するように祈る動画が出回りました。
大統領のスピリチュアル・アドバイザーが、トランプ大統領の再選のために熱心な祈りの儀式をしています。
Presidential spiritual adviser Paula White is currently leading an impassioned prayer service in an effort to secure Trump’s reelection. pic.twitter.com/hCSRh84d6g
— Right Wing Watch (@RightWingWatch) November 5, 2020
ホワイト氏は講壇で手を上下させながら「勝利の宣言が聞こえる…主は終わりを告げている。勝利、勝利、勝利、勝利……」と連呼しています。さらに、異言(グロソラリア)2でアフリカの天使(御使)に語りかける様子も映っています。
この動画はツイッターでいじられ、さまざまなリミックスになっています。
エミネムの曲『Without Me』です。
well sorry @Eminem for that. But that’s the first instrumental track i thought about. pic.twitter.com/5uce3N3GSP
— Capitaine OSEF (@Soapmoine) November 5, 2020
映画『パルプ・フィクション』のヴィンセント・ベガも後ろに登場します。
(2022年6月26日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ホワイト・ストライプスの曲『Seven Nation Army』です。
Look! pic.twitter.com/2Jc9zbWWdw
— Wear A Mask ??? (@waddey) November 5, 2020
DJ iMarkkeyzがリミックスを作っています。チャイルディッシュ・ガンビーノの“This is America”の映像も入っています。
(2021年7月17日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ホワイト氏がピコピコハンマーでトランプ大統領を叩いています。
(2024年11月17日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
これは映画『Who’s Your Caddy?』の一場面よ。私は役になりきってグロソラリアを話しているの。演技よ! それでも、トランプ大統領の「スピリチュアル・アドバイザー」ポーラ・ホワイト氏のうさんくさい儀式より上手でしょう!
This is a scene of me from the movie “Who’s Your Caddy?” where I was pretending to be speaking in tongues. It was acting. A performance! And yet, still more realistic than Trump’s “spiritual advisor” Paula White in that prayer of deception she delivered tonight! #PaulaWhite pic.twitter.com/jYcnUBYTG3
— Sherri Shepherd (@sherrieshepherd) November 5, 2020
おっしゃる通りです。
ポーラ・ホワイトはアフリカを肥だめ呼ばわりした白人至上主義者が再選できるように神がアフリカから天使を送るように祈っている。こんな愚弄はないよ。白人の福音主義は、ヤク中の白人至上主義のようなものだ。
.@Paula_White said God is sending African angels to America to help get a white supremacist, who called their homeland a sh*thole, reelected.
You can’t make this kind of foolery up.
White evangelicalism is nothing but white supremacy in drag.
— Bishop Talbert Swan (@TalbertSwan) November 5, 2020
YouTubeにはホワイト氏が同じくテレバンジェリストのケネス・コープランド氏3とコラボした動画も投稿されています。
ポッドキャスト『ブレックファスト・クラブ』もホワイト氏の祈りの儀式を「白人の奇天烈な儀式」として紹介しています。
クラーク郡
トランプ大統領の再戦を祈っていたのは、ホワイト氏だけではありません。ネバダ州のクラーク郡の開票所にトランプ大統領の支持者が集まり、祈りを捧げていました。
クラーク郡の開票所に女性たちがやってきました。彼女たちは、選挙は公正に行われ、正義が勝つことを祈っています。
Women just arrived at the Clark County election department. They tell me they’re praying justice will be done and that righteousness prevails. pic.twitter.com/xi0Q9hOS51
— alyssa estrada (@anenews) November 6, 2020
この異様な様子もいじられていました。
ホームセンターが開く直前の9時59分に、実際はいらないキャンドルを買うために待つ私。
(2023年6月25日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
中華チェーン店が開くのを待つ午前9時
(2021年8月1日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの曲…
こちらは、ところ変わってフィラデルフィアの様子です。90年代に活躍したバンドレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの曲に合わせて、トランプ大統領の支持者が応援のダンスを披露しています。
(2021年6月20日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
保守系コメンテーターのYouTuberティム・プールは曲をこのように解説しています。
この曲は「白人至上主義の警官たちが、人を殺しても、おとがめなしだ」と歌っている。加工された映像かと思ったけど、本当にこの曲の歌詞を女性が口にしている。
This song is about cops being white supremacists, killing people, and getting away with it
I would have thought this was manipulated but you can see the lady singing the words https://t.co/NmKjnqWVmj
— Tim Pool (@Timcast) November 7, 2020
この動画にレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリスト、トム・モレロ氏がコメントしています。
こんなつもりじゃなかったけど。
Not exactly what we had in mind https://t.co/RydKGCk9RA
— Tom Morello (@tmorello) November 7, 2020
トランプ大統領の支持者が使うのは、曲の意図と違うようです。
流れている曲『Killing In the Name』のMVはこちらです。
選挙関連のニュースを見ても、信仰に篤いトランプ大統領の支持者を見ても、アメリカはどこまでも奥が深いなぁと思います。
前日には“BBQ Beer Freedom”と書かれたTシャツの紳士が開票所で抗議する様子が話題になっていました。
注
- テレバンジェリストはテレビなどで宗教講話をする説教師。
- 異言(グロソラリア)とは神がかり状態で外国語を話すこと。キリスト教では聖霊の働きによるものとされ、『新約聖書』「使徒行伝」などに書かれている。ホワイト氏の話している言葉は多分アフリカの言語ではなく何かのでたらめだが。
- ケネス・コープランド(Wikipedia)は手かざしでコロナウイルス感染症が治ると主張したのがニュースになりを本サイトでも取り上げたことがあるテレバンジェリスト。プライベートジェットを持つほど蓄財しているのは有名。