安心して交際できる相手を見つけるのが日に日に難しくなっています。プライバシーを尊重して、他人と距離を取り、ウワサで情報を得るようになると、不確かなものやウソを掴む可能性も高くなります。結局、友人や親戚の経験談や助言こそ最も信頼できるものなのかも知れません。
そんな古式ゆかしい情報を得るために集まった女性のための男性評価アプリがTea(Tea dating advice)でした。Teaは女性たちがこれまでデートした男性について高評価をしたり危険信号を発信したり、情報共有をするためにできたアプリです。

Tea app
2025年7月24日時点ではダウンロード数一位の人気アプリになっていたTeaですが、ユーザーの情報が大量にリークして問題になっています。
アプリのユーザーは女性に限定され、使用するために身分証明書をアップロードする必要がありました。これらの個人情報は確認後に破棄されるはずでした。しかし、データは残っていただけではなく、暗号化されていなかったので第三者が容易にアクセスできたようです。いわゆるvibe-codedで作られた脆弱なアプリだったようです。
デート相手を評価
そもそも、過去のデート相手を一方的に評価すること自体、問題になっていました。アプリを開発したショーン・クックは「母親が元犯罪者やなりすましに引っかかり、ゾッとした経験から女性が安心して交際相手を探せるようにしたかった」と背景を話しています。
TikTokでもリサ・ティーサさんの体験談「私は誰と結婚したの?」シリーズが話題になるほど、よく知らない相手と交際したり結婚したりする恐ろしさを共有する人が多くいます。
そんな問題を解決するために、危険な男性はデート市場から排除してしまおう、という目的で女性たちは集っていたようです。素性を隠している性犯罪者や既婚者、既に交際相手がいる浮気者を除外するのが狙いのようです。
しかし、女性の口コミは検証できません。もし、トリシャ・ペイタスのようなウソつきが男性を一歩的に中傷していたとしても、男性側は知るよしもなく、投稿の削除を要請することもできません。
なかにはDVの被害に遭った女性たちが貴重な口コミをしている場合もありますが、他人から事実の検証はほぼ不可能です。アプリが話題になればなるほど、怒りを持った人たちが出てくるのも理解できます。
リークした
当初リークしたのは画像データ7万2000件、うち1万3000件は女性たちの身分証明書でした。リークは住所も含まれ、電話番号や、個人的なメッセージ内容も含まれています。リークした情報は2024年2月までに登録した女性のものだったそうです。その後、さらに110万件分のDMの内容も流出しています。このためTeaアプリはDMのサービスを停止したようです。
TeaアプリはGoogleのバックエンドFirebaseを使用していたのですが、アクセス制限や暗号化をしていなかったため、外部からアクセスし放題だったようです。リークはすべて掲示板サイト4chanに転載され、女性蔑視的な人々に晒されたようです。悪意のある人々は、女性ユーザーの顔写真を利用してどの人が魅力的かのランク付けゲームを始めています。
ここまでの内容はオプティマスが動画で紹介しています。
オプティマスは「男女が相互に根深い不信感があるので勃発した事件のように思う。リークした女性ユーザーの写真はふくよかな女性や、メンタルを病んでいそうな写真をあえて選んで大々的に晒している場合があって悪質。相手が反論できない場で男性の顔写真を利用してウワサを拡散する女性と、リークした女性の外見をいじったり個人情報を晒したりする男性の事件なので、相互不信はますます深刻だし、結局、だれも信用できないってことだ」と結論付けています。
Xには「認証が済めば削除するとしていた写真が残っているので信用問題になる」といった意見や、「女性が安全を求めて使ったアプリなのに、男は女性の個人情報を晒してハラスメントする結果に」とする意見が投稿されています。
安心するデート相手を探すのは困難なのだと痛感する騒動でした。