今、他のYouTuberに強く批判され、嫌われているYouTuberがいます。
その人の名はスージー・ルー(Suzy Lu)です。スージーはスコットランド出身のYouTuberで、登録者数は37万4000人です。チャンネルでは人気アニメ『NARUTO -ナルト-』や『僕のヒーローアカデミア』にリアクションしたり、ゲーム動画を投稿しています。
2019年のYouTubeリワインドに一瞬だけ顔を出し、世界中から「コイツ誰だよ」と言われた人、それがスージーです1。
彼女は自分のチャンネルでは著作権を侵害する動画を作っておきながら、彼女を批判する動画を(彼女の動画の一部を挿入しているので)著作権侵害だとして取り下げさせたり、ハラスメントだとしてペナルティを加えるようYouTubeに要請したりしていたのです。彼女が嫌われているのは、傍若無人な迷惑行為をYouTubeからのおとがめなしでやってきたからです。
スージーの横暴
こちらは、著作権侵害の申し立てを乱用してきたスージーを告発しているジョン・スワンの動画です。元動画はYouTubeのガイドラインに違反しているとして削除されてしまいました。再編集をして、投稿しなおされています。
スージーは人気アニメのリアクションをしています。動画のスージーはほとんど動かず、話もせず、アニメ動画をぼーっ…と見ています。
計測したところ、18分7秒の動画のうちスージーが話したのは合計3分30秒間でした。動画の81%にスージーは手を加えてません。フェアユース2ではなく、ほぼ違法アップロードしているようなものだ、とジョンは指摘しています。
さらに、スージーは過去に「自分を批判してきた動画」をYouTubeのガイドライン違反だと主張して削除要請をしていました。YouTubeはスージーの要望を聞き入れ、該当の動画をいくつも削除しています。
YouTuberのジョッシュ・ペスカトーレです。
彼女はスージー・ルー。リアクションを専門にしているYouTuberで次のカルロス・マザになるつもりらしい。彼女はYouTubeとコネがあると吹聴しており、ハラスメントに関するガイドラインを強化すべく「ヘイトチャンネル(コメンタリーチャンネル)」を一掃するためにYouTubeと画策しているようだ。
(2020年8月2日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
カルロス・マザは左派系メディアのVoxで働いていた記者でした。2019年6月に彼はツイッター上で「右派系ニュースチャンネルを運営するスティーブン・クラウダーに長年いじめられてきた。このようなハラスメントを行うチャンネルをYouTubeは見逃している! YouTubeはスティーブン・クラウダーを追放するべきだ!」と主張しました。
この騒動は海外の大手メディアでも報道され、YouTubeはガイドラインに新たな規約を設けることになりました。この改訂はYouTubeのいじめやハラスメントの予防のためとされていますが、表現の自由が脅かされたり3、動画の内容が大幅に制限されたりするのではないかと警戒されていました。
カルロス・マザは「無駄に騒ぎ立て、規制のきっかけになったので迷惑なことをした人物」だと、結果的にYouTuberの間では嫌われています。カルロス・マザは騒動後、Voxを解雇されています。
スージーはYouTubeとコネを持つと自慢している「特権的YouTuber」なので、スージーの意見が通されやすい現状は不公平だと批判されています。スージーを批判しているのは主としてスージーよりも登録者数の少ないチャンネルです。そのチャンネルの動画を「自分の気に入らない内容だから」コネを駆使して削除させる行為を繰り返してきたのがスージーです。嫌われるのも無理はありません。
またもや削除される
スージーの偽善的な行いを批判したジョン・スワンの動画も削除されてしまいました。
またスージーが攻撃を仕掛けてきた。戦いの始まりだ。
(2020年8月2日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
【速報】著作権侵害の申し立てを不正使用する常習犯スージー・ルーがまた削除を申し立てした。今回は人々に賞賛されたジョン・スワンの動画。スージーのような著作権侵害の申し立てを武器として使い小さいチャンネルを攻撃するクリエイターについてYouTubeは説明責任があるんじゃないか。
(2020年8月2日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
スージーについてYouTuberが話していると、大物YouTuberのキームスターも声を上げます。
YouTubeへ。スージー・ルーというクリエイターが今、批判されている。一年ほど前から彼女を批判している動画が、フェアユースにも関わらず次々と消されてしまっているんだ。しかも、スージーのチャンネルではアニメ動画を全編公開している、これはフェアユースじゃない。彼女は自分が気に入らない動画はいじめだと削除させている。けど彼女がアニメにリアクションしている動画は著作権侵害には当たらないのか? YouTubeの社員は、スージーのファンなのか、スージーに都合良く利用されているだけなのか分からない。コメンタリーYouTuberたちは批判しているよ。調べてみてくれ。
OPEN LETTER to @TeamYouTube @ytcreators @SusanWojcicki @Fwiz @toml ( Please Investigate ) pic.twitter.com/JMC2NxKNr7
— KEEM ? (@KEEMSTAR) April 9, 2020
スージーの動画を見るチャンネル
スージーの横暴に怒ったコメンタリーYouTuberたちは、「スージーがリアクションしている動画にリアクションするチャンネル」を立ち上げます。
たくさんの良質な動画が「スージー・ルーのリアクションにリアクションするチャンネル」に公開されているよ!
(2020年6月6日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
話題のチャンネルはこちらです!
ピューディパイが先日公開したアニメにリアクションする動画と、スージーの動画を比較しています。ピューディパイの方が多く話をしています。
(2020年8月2日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
こちらがピューディパイがアニメ『遊戯王』にリアクションしている動画です。
YouTubeの回答は?
YouTubeはジョンの動画はハラスメントであり、動画の削除は妥当だと回答しています。
朝一にこの回答を見たよ。YouTubeのコメンタリー界や風刺をしている動画一般にとって良くない判断だ。再編集した動画はそのままで安心した。第二弾はもうすぐ公開だ。
(2020年8月2日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
YouTuberのAugieRFCの意見です。
みんなに言っておく、追い出されるのはイカレタ某ジョーンズ氏や「極右」の思想の人々だけじゃない。
そのうち僕らのような「普通の」人々も追い出されてしまう。いつになるのか、考えただけで恐ろしい。
(2020年12月28日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
YouTuberジョン・スワンの投稿です。
再投稿された動画の再生回数が、不当に消されてしまった最初の動画を上回ったよ、3日で!
スージー・ルーさん、真実は検閲できないよ!
(2020年8月2日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ハラスメントの範囲がはっきりしないので、スージーのように「コネのある」YouTuberは有利になり、コネがないYouTuberは不当に扱われてしまっています。これまでも、登録者数の多いYouTuberが優遇されていることが指摘されてきました。今後、不公正は解消されるのでしょうか。
注
- 筆者は、コメンタリーYouTuberたちに批判されるようになって初めて、スージーの存在を知った。なぜほとんどの人が知らない彼女を抜擢したのか、YouTubeの謎である。
- フェアユースとはアメリカ合衆国の著作権法の規定で、公正な利用であれば著作権の侵害にあたらないとするもの。
- 際どい冗談が含まれる動画が収益不可になるので特定の単語が使用できなくなるなど。