伝説の詐欺イベントFyre Festivalが帰ってきました! 悪びれもせず、Fyre Festival 2と名付けられています。しかも、日程は未定、場所も未定、参加アーティストは存在するのか不明の詐欺的イベントのチケットが完売したのです。
ファイア・フェスティバル(Fyre Festival)は2017年にケンダル・ジェンナーやベラ・ハディッドなどのモデルが宣伝していた音楽祭です。カリブ海に浮かぶ島でリゾートを楽しみながら参加できる優雅なイベントと宣伝されていました。
ところが蓋を開けてみると、素敵なコテージだと宣伝されていた宿泊場所は大雨で浸水したテント、来ることになっていたアーティストは不在、約束されていた豪華な食事やドリンクがないどころか普通の食事も不足しトイレも足りない、という詐欺イベントでした。
インフラが不十分な島で行われ、帰りたくなった参加者がすぐに帰れなかったのも問題を大きくしていました。
主催者のビリー・マクファーランド(Billy McFarland)は訴えられて2018年に詐欺で有罪となり、収監されていました。いまだに被害者(投資家、チケット購入者、現地スタッフ)への返金はされていません。
2022年になり刑期を終えたマクファーランドは、新たなイベントFyre Festival 2(ファイア・フェスティバル2)を発表しています。刑務所に入れられていたのに、全く懲りていないようです。
ファイア・フェスティバル2
マクファーランドはInstagramにこのように投稿しています。
(2023年11月19日:削除されたInstagram投稿をキャプチャ画像で置き換えました。)
ファイア・フェスティバル1と同じカリブ海でイベントをする予定、とだけ話しています。時期は2024年を目標にしているようですが、どのようなイベントになるのかは具体的に説明されていません。
初回売り出しのチケットは1枚$499(約7万3000円)は2日で完売になっています。今後もチケットは販売されますが、段階的に価格はつり上がり、最終的に1枚$7,999(約117万円)になります。
その後、マクファーランドは初回のチケットの完売を報告しています。さらに、ファイア・フェスティバルのアパレルの販売を始めて、宣伝をしています。
(2023年11月19日:削除されたInstagram投稿をキャプチャ画像で置き換えました。)
誰が買ったのか?
派手に失敗して、詐欺で有罪になったビリー・マクファーランドが宣伝しているチケットを購入するのはどのような人たちなのでしょうか?
YouTuberのペンギンズ0(チャーリー)は「こんなチケットを購入する人は騙されて当然だ。犯罪レベルの頭の悪さだ。ビリー・マクファーランドは生涯で正直に話をしたことがないんじゃないか。とんでもないウソつきだ。」と話しています。
チャーリーの意見に同意せざるを得ません。数年前の大失敗に終わった詐欺イベントと名前が同じで主催者も同じイベントに飛びつくとは、道ばたに落ちているウ○コを踏みに行き、地雷原に自分で突っ込んでいくようなものです。
YouTuberのファイア・フェスティバルことタナコンにも第二弾のウワサが出ていますし、おかしなものに金を落としたい人は一定数いるようです。
おそらく、話のネタにしたいからでしょう。「ファイア・フェスティバル2に参加したら、宿はないし、アーティストは誰も来ないし、食べ物もないし、草むらで用を足さなきゃいけない! 最悪!」とSNSに投稿すればいいねがたくさん集まるでしょう。
ファイア・フェスティバルの失敗はドキュメンタリーになり、NetflixではSNS投稿も取り上げられていました。運がよければ自分のSNSアカウントの映像を多くの人が見ることになるかもしれません。「最悪!」と投稿すれば自分に影響力があって友達もたくさんいることを誇示できると思う人が参加しているのでしょう。ある種の目立ちたがりです。
言い換えれば、金と暇が有り余っているのを誇示するのが目的です。これほど金と暇の誇示にうってつけのイベントはありません。現代では娯楽の多くがスマホで手に入ります。スマホはほとんどの人が持っていますから、多くの娯楽に特別感がないことになります。
歌ならスマホで誰でも聴けますから、イベントに参加者するのはアーティストの歌を聴くためではありません。詐欺イベントに参加するのは、水浸しのテントで途方に暮れ、トイレの前で長蛇の列を作るためです。こんなことができるのは、金持ちだけです。これは究極の顕示的消費です。「君たち貧乏人にはファイア・フェスティバル2でボロボロになるような金も暇もないだろう?」と優越感に浸りたいのです。
現代の金持ちは金と暇を誇示し、特別感を演出する手段に飢えているようです。詐欺フェスでボロボロになったり、水深2000メートルの潜水艇の中でぺちゃんこになったり、宇宙ステーションに行ってSNSで金を配ったりするよりもっと魅力的な特別感を売り出せば大儲けできるビジネスチャンスがありそうです。そういう商売に高い税を課して、頭が悪い上に金を持っている人からうまくお金を回収する方法の開発が必要です。
Image: Song Theory Fyre Festival 2 Should NOT Happen!