長年の親友と決別したYouTuberの葛藤 バイセクシャルは罪か?

YouTuberニュース

何年も親友だった人が実は自分のことを「差別」し、「地獄に行くほど罪深い人」だと腹の内で思っていたと分かったら……

YouTuberのアンドレア・ラセット(Andrea Russett)のTwitterとInstagramの投稿がきっかけで論議を呼んでいます。

アンドレアとサンドラ
左から「親友だった」アンドレアとサンドラです。

アンドレアはYouTube登録者285万人の23歳です。

Tana Mongeau SHADING Andrea Russett on Apologies in Advance

自身の名前を冠したTV番組『Apologies in Advance with Andrea Russett』が2017年に38エピソード放送されました。残念ながら1シーズンで終わっています。

サンドラはInstagramに7万人フォロワーがいます。

recovered youtube jZko5lOZ95M

(2021年3月14日:削除されたYouTube動画をキャプチャ画像で置き換えました。)

仲良く動画に出演しています。

スポンサーリンク

予期せずカミングアウト

アンドレアの投稿です。

recovered instagram BoAoUwWgGEO

(2021年3月7日:削除されたInstagram投稿をキャプチャ画像で置き換えました。)

内容の抄訳は以下のとおりです。

私は4年前、サンドラにバイセクシャルであることを告白しました。(驚いた? こんな風にカミングアウトする予定じゃなかったけど、しょうがない。)ともかく、私が最初にカミングアウトした相手はサンドラでした。

私が両親にバイだと打ち明けようか考え泣いているときもそばにいてくれました。サンドラは私の一番の理解者で私にとって家族同然でした。

去年、ゲイであることを公言している友人とサンドラが単立教会(特定の教団や教派に属さない教会のこと)に行った帰りの車中で「信仰」(宗教観)についての話になったそうです。

会話の中で彼は「僕はゲイだから地獄に落ちると思う?」と聞いたそうです。

サンドラは「うん。」と答えます。

そのうえ 「転向療法(心理的または精神的介入を用いて、個人の性的指向を変更しようとする疑似科学的試み。)を受ければ救われるよ。」と話したそうです。

転向療法(Conversion Therapy, The Beaverton)
この話を聞かされて愕然としました。でもサンドラ本人の真意を確かめたかったので、直接話をすることにしました。

「私はバイだから地獄に落ちると思う?」

サンドラは私の目を見て、「うん。」と答えました。さらに、サンドラが「ゲイはゲイでいることを選択している」という考えであることもその時知りました。

「今までずっとその考え方だったの?」と聞くとこれも、「ずっとそうだった」そうです。

その瞬間どれほど傷ついたか言葉では表せません。

私の人生で誰よりも信頼してきた人なのに。いま私には、今までサンドラとしてきた会話を思い返したり、私が女の子と一緒に過ごしたりしている時、実際サンドラは私のことをどう思っていたんだろうと想像することしかできません。私のことをどれほど「罪深い人」だと思って批判的に見ていたのだろう。

あまりにも悲しい出来事なので、今後このことについてはもう何も言いません。

打ちひしがれて、困惑しています。なぜ、その考え方(宗教観)にも関わらず、私とルームシェアすると判断したのか。まったく理解できません。

これからはありのままの私を受け入れてくれ、愛してくれる人たちと時間を過ごしたいと思います。似たような問題で悩んでいる人がいたら、独りじゃないと伝えたい。

誰を愛したってあなたの人としての価値は変わらない。

「人とどう接するかが人格を表す。」

スポンサーリンク

サンドラの動画

サンドラの過去の投稿です。

Instagram

(2019年1月19日追記)現在は消されてしまった投稿ですが、写真には左からサンドラ、リッキー・ディロン(Ricky Dillon, YouTube)、アンドレア、トレヴァー・モラン(Trevor Moran, YouTube)が並んでいました。リッキーはasexual、トレヴァーはゲイで、サンドラ以外はLGBTQ+(AVEN)ですが、どんな心境で写真を投稿していたのでしょう。

【2021年3月5日追記】その後、トレヴァーはトランスジェンダー女性だと告白しています。

Trevi Moranがトランスジェンダーの女性だと告白
YouTuberで歌手のトレヴィ・モラン(Trevi Moran)がトランスジェンダーの女性であると告白しました。 トレヴィは、かつてトレバー・モラン(Trevor)という名前で活躍していました。2009年からYouTubeに動画を公開して...
My Testimony (From Hollywood to Jesus)

32分に及ぶ動画ですが、アンドレアと仲違いした経緯やアンドレアに対する謝罪などはありません。

淡々と自身の生い立ちからキリスト教が身近にあったこと、L.A.に移住した一時期信仰心が薄れていたこと、自分を見つめ直すため実家に戻って神の存在を感じて以来、不安は無くなり幸福になったと話しています。 L.A.と実家を行ったり来たりしていますが、現在は実家があるシカゴに住んでいるようです。

「L.A.は罪深い街で、私は数々の罪を犯した」と話しているのが印象的でした。「たとえスーパーのレジ打ちのバイトが自分の人生になっても神がいる限り幸せ」と言っています。

信心深い姿が伝わってきます。

インスタグラムのプロフィール欄にはペトロの手紙5章8–9とあります。これは新約聖書の「身を慎んで目を覚ましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、だれかを食い尽くそうと探し回っています。信仰にしっかり踏みとどまって、悪魔に抵抗しなさい。あなたがたと信仰を同じくする兄弟たちも、この世で同じ苦しみに遭っているのです。それはあなたがたたちも知っているとおりです。」(新共同訳)です。アンドレアのファンやLGBTQ+の人々からの批判にあっているのでしょうか。

動画は低評価、好評価共に非表示になっています。(低評価があまりに多い場合、投稿者が非表示にすることがあります。)なぜか、コメント欄にはサンドラに賛同する意見しか見受けられません。かなり不自然な印象です。

その後

最後にカミングアウトした後のアンドレアのツイートです。

アメリカに住む人々の多様性を垣間見られた出来事でした。

サンドラの意見をアンドレアが知ることがなかったら、2人の友情は続いていたと思いますか? 難しい問題です。

Image:The Beaverton

タイトルとURLをコピーしました