10年前SNSに投稿した失言が人気絶頂のYouTuberに襲いかかってきます。これがキャンセルカルチャーです。今回はキャンセルカルチャーの解説とキャンセルカルチャーでキャリアが終わりかけたYouTuberを実例付きで紹介します。
Cancelledは「いらない、受け入れられない」という意味の表現です。“You’re cancelled.”なら「それはない」とか「おまえと縁を切りたい」です。詳しくはこちらをご覧ください。
キャンセルカルチャーとは?
キャンセルカルチャーとは人々がインフルエンサーやセレブに「おまえはcancelledだ」と言う現象を指します。不買運動や放送中の番組を中止させようとする運動にも発展します。
現代では誰でも、さまざまなSNSで自分の写真、発言、映像を投稿しその情報を不特定多数の人と共有しています。人気になったインフルエンサーやセレブが過去に投稿した発言や行動が問題視され、炎上する事件がたびたび発生します。そして怒った大衆に「あの人のキャリアは終わった」とされる現象がキャンセルカルチャーです。
ハリウッドセレブでは、ケヴィン・ハートが10年前のホモフォビアツイートが問題視され、すでに発表していたアカデミー賞の司会を辞退しました。
YouTuberでは美容YouTuberのジェフリー・スターの人種差別騒動がたびたび浮上しています。
コメディYouTuberシェーン・ドーソンの「猫事件」はシェーンの2014年収録のポッドキャストでの冗談が引き金で2019年に炎上しました。
美容YouTuberのローラ・リー、ガブリエル・ザモラ、ニキータ・ドラゴンなども過去の発言を掘り起こされて激しく批判されました。消費者からのクレームもあり、スポンサーや提携していた化粧ブランドが契約を打ち切る厳しい判断を下しています。
問題になるのは過去の発言だけではありません。際どい問題に無神経な発言をしてしまったセレブも集中砲火に遭います。バーブラ・ストライサンドはマイケル・ジャクソンから性的虐待されたと主張している被害者の男性2人に対し、配慮に欠ける発言をして批判されました。
And the latest celeb to be cancelled is…. https://t.co/3ZWlf7Z4Bt
— Chett Pease (@ChettPease) March 23, 2019
キャンセルカルチャーは人々の発言がすぐに広まり、発言に対する批判もSNSで流れる現代になって初めて出てきた現象でしょう。過去の発言を掘り起こすのも容易になりました。過去の発言との整合性を検証したり、発言が倫理的かどうかを確認するのは大切ですが、過剰に叩いて有名人のキャリアを終わらせようとする動きは妥当とは思えません。
Image: Alachua County