テイラー・スウィフト現象で友人と決別、「許す」とメッセージ 一方キムへの恨みが歌に

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テイラー・スウィフトが新アルバム『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』を発表しファンは狂喜しています。アメリカの音楽業界で一人勝ちになっているテイラーですが、その人気を支えるファンに特異な現象が起きているので紹介します。

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友人を失う

テイラーのファンはスウィフティーズと呼ばれています。こちらの動画ではスウィフティーズあるあるとして「着る服はテイラーのマーチ、テイラー関連のタトゥーを入れている、好きな曲が流れると号泣」などを話しています。

新アルバムが発表されれば集まって聴いています。こちらは曲『ジ・アルケミー』がテイラーが2023年から付き合い始めたトラビス・ケルシーについて歌っていると気付き熱狂している動画です。

スウィフティーズがこれほどテイラーに思い入れを深めるのは理由があります。「恋人ができたとき、テイラーにも恋人がいた。私が別れたとき、テイラーが失恋の曲を発表した。私と同じ経験をして、同じ心境を歌ってくれているから大好き」と語るファンは多くいます。自分一人が抱いていると思っていた感情をタイミング良くテイラーが歌ってくれる親近感が心地よいようです。

このようにファンとのパラソーシャル関係を換金できたテイラーが世界を回るエラズツアーを発表すれば、チケットの価格は$22,000(約340万円)まで高騰します。限りある給料からチケット代やホテル代を工面してスウィフティーズは会場に向かっています。

そんなスウィフティーズが周囲と、周囲がスウィフティーズと経験した軋轢を紹介しているのがThe CUTの記事『Why Friendships Are Ending Over Taylor Swift』です。

ある人はInstagramストーリーズに「テイラー・スウィフトのファンたちの熱狂が理解できない。」と投稿したところ大学時代の親友(スウィフティーズ)と疎遠になったそうです。数か月後、「許す」とメッセージが送られてきたそうですが、以前のような関係には戻れないそうです。「許す」って。疑問を発することすら大罪なのか……。

あるスウィフティーは知人から「私はあなたより音楽の趣味が高尚なの」と言われ、交流を止めたそうです。他にも友人を失った例が紹介されています。「私は見た目は白人で通る黒人ハーフだけど、その私でもテイラーの世界は白人女過ぎる」と語る女性や、祖母が亡くなった悲しみをテイラーの曲と重ねていたので、友人がテイラーのことを悪く言っていたので自分の悲しみを見下されたように感じた女性が出てきます。

テイラーは現代人(主として白人の女性)の心の支えになり、宗教のような存在になり、対立の原因にもなっているようです。トランプ元大統領が政権を握っていた時期に、思想の違いで親戚や友人の間で大げんかになったという現象を思い出します。

トランプ現象との類似はこの記事でもほのめかされていて、テイラーはアイデンティティ・ポリティクスから利益を得ているという意見まで紹介されています。まるで、おおっぴらに誇ることができなくなった「白人性」を恐れることなく誇示できる場がスウィフティーの連帯であるかのようです1

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キムへ復讐

テイラーは2023年のタイム誌の取材でも「キム・カーダシアンにウソをつかれ中傷された」と恨み節を語っていましたが、今回のアルバムでもキムに向けたと思われる曲『thanK you aIMee』があります。

TAYLOR SWIFT ENDS KIM KARDASHIAN…(this is so good)

キムはテイラーの曲のせいでInstagramのフォロワー数を10万人減らし、コメント欄は荒れています。テイラーとスウィフティーズを敵に回すと痛い目に遭うとキムは学んだことでしょう。

『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』は悲しい曲が多いと言われていますが、同時にこれほどテイラーの面白さが出ているアルバムはないと評判です。

好きなアーティストのおかげで救われる一方、好きなアーティストのせいで友人と疎遠になる現代のアメリカを反映した話です。どこまで彼女の一強状態は続くのでしょうか。どんな人気者もいずれ人気に陰りは出るものですが、それがいつどのようにして起こるのかは誰にもわかりません。

  1. 想像をたくましくするなら、イギリス人男性ばかりと付き合ってきた「ミス・アメリカーナ」がアメリカンフットボール選手と付き合い始めたのは「アメリカを再び偉大に」したと解釈できるのかもしれない。
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