2020年5月25日、ミネアポリスでジョージ・フロイドさんが警官に取り押さえられて亡くなった事件以来、全米各地で抗議活動が行われています。デモに紛れて暴徒が街を破壊し略奪も起こっています。
一般の人だけではなく、多くの俳優、スポーツ選手、歌手、YouTuberたちも抗議デモに参加しています。俳優のジェイミー・フォックスやニック・キャノンはミネアポリスでデモに参加し、歌手のアリアナ・グランデやホールジーはロサンゼルスのデモに参加していました。実際のデモに参加できなくてもSNSで有益な情報を拡散したり、多額の寄付をしたりしている多くのセレブリティがいます。そんななか、偽善的な行いを暴露されてしまった残念なインフルエンサーたちを紹介します。
電気ドリルを借りて…
観光地サンタモニカで目撃されたインフルエンサーの動画です。
サンタモニカの店舗で暴徒にガラスを割られないように補強の板を取り付けていたところ、この女性が現れて電気ドリルを借りて写真を撮ってもらって、終わったら車で走り去っていった。お願いだからこんなことしないで。
(2022年2月20日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
仕事中の人に声をかけ、電気ドリルを借りて写真を撮った後メルセデスに乗って去っています。ボランティア活動をしているように見せかけるとは図々しい人もいたものです。
問題は
1) 仕事をしている人をないがしろにして、彼女がこの非常事態を自分の宣伝に利用していること
2) 人種および階級差の問題に無神経なことインフルエンサーたちへ、見せかけの良い行動ではなく、ちゃんと社会に貢献してください。
The problem here is that she’s 1) using this terrible situation to promote herself instead of the man who’s actually helping and 2) completely insensitive to racial / class tensions. Influencers: use your platform for ACTUAL good, not the PERCEPTION of good.
— ewu (@ewufortheloss) June 1, 2020
ニューヨークタイムズの記者でTikTok専門家のテイラー・ロレンズの投稿です。
みんな彼女を「典型的なインフルエンサー」って読んでるけど、もっと悪質だと思う。彼女は、このような投稿をして有名になった人。
(2021年1月31日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
添付されたツイートは「ブラック・ライブズ・マターの活動家たちはロサンゼルスのすべてのビルを破壊しても収まらず広告まで手を出し雄叫びを続けている。」と書かれています。抗議運動に無理解な様子を示しています。
電気ドリルの写真を撮って何を主張したかったのかわかりません。SNSで批判されたあと、彼女はTwitterとInstagramを非公開にしてしまいました。
彼女は「インフルエンサー」として批判されていましたが、実際は右派系メディアのインターンをしていると判明しました。
(2024年6月23日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
動画が炎上したため、解雇されたようです。
こちらも略奪に遭った店舗の前で撮影しているインフルエンサーが批判されています。
白人女性にはがっかりさせられる。抗議活動は写真撮影の機会じゃないんだよ。
(2020年7月5日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
この人は略奪に遭った場所はInstagramの投稿にぴったりだと思ったのか、運動着で悩ましげに頭を傾け彼氏に写真を撮ってもらっている。
冗談もいいかげんにしろ。
This human being thought looted property would make for a good Instagram post, so she’s posing with a thoughtful head tilt in athleisure while her boyfriend takes her photo.
ARE. YOU. KIDDING. ME.
?: @nicolebaio pic.twitter.com/wZrrOrxGNr
— Jack Appleby (@JuiceboxCA) June 1, 2020
貪欲なインフルエンサーたちは、どのような機会でも写真撮影の機会を逃しません。彼女たちがどのようなメッセージを発信したのか知りたいです。
ファッションショーの感覚?
抗議活動をしている人々と警官との衝突も報道され、トランプ大統領はデモを鎮圧するために軍の動員も検討していると述べました。催涙弾やゴム弾に被弾する可能性もあり、抗議デモに参加することは危険を伴います。しかし、一部のインフルエンサーにとってファッションショーに参加する感覚のようです。
1) 抗議活動ではなく写真を撮ってるだけ
2) オール・ライヴズ・マター????1
(2020年6月5日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
あの写真のためにスタイリストやメイクアップ・アーティストも雇ったんだって??
(2020年6月5日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ポスターやペン、衣装代もかかったと話しているインフルエンサーに呆れる声が多く見られました。
こちらのインフルエンサーたちは「お酒飲んでから参加する!」、「暴動スタイルで行こう」というメッセージが公開され批判されています。
インフルエンサーのビッチども失せろよ。
(2020年8月16日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
白人ビッチはコーチェラの気分なんだね
(2020年11月8日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
…オシャレを忘れないインフルエンサーたちです。
寄付…しています
こちらは寄付をしたふりをして批判されたインフルエンサーのカーラです。
彼女はInstagramストーリーで「寄付をした証拠」としてPayPalのレシートを公開していました。
10万円の行き先はミネソタ州に拠点がある非営利団体Minnesota Freedom Fundです。不当に逮捕された人々のための保釈金を募っています。このレシートが別のインフルエンサーのスクリーンショットを転用したものだ、と指摘されています。
元のレシートを公開していたのは、こちらのインフルエンサーです。
指摘された後、カーラはレシートの投稿を削除しました。
レシート転用はケチですね。お金に余裕がなかったのでしょうか。
最近、「あのインフルエンサーやブランドはBLM活動に参加しないの? 声明を出さないのはレイシストだから?」と声が上がることがよくあります。問題に関心がある人は普段から定期的に寄付を行うものでしょう。問題がクローズアップされてからフォロワーに圧力をかけられて慌てて寄付をするのは違う気がします。
今回の抗議活動を他人事だと思っている「インフルエンサー」たちの騒動でした。
Photo by Cody Black, Koshu Kunii