インフルエンサーがファッションやコスメのブランドに招かれて豪華な旅行をすることがあります。Tarteコスメティックスは大量のTikTokerをタークス・カイコス諸島の旅行に招待して話題になっていました。
ファストファッションのシーイン(Shein)もインフルエンサーを中国の工場へ招待していました。インフルエンサーたちは「最新鋭の工場で労働環境は良く、好印象だった」と宣伝していました。
ところがその動画を見ていた一部の視聴者から批判の声が上がります。シーインはすでにジャーナリストによって労働基準法を無視した劣悪な労働環境が告発されてきたからです。激安の服を販売できるのは、縫製工場で勤務するの人々の賃金が低いからではないかと指摘されています。
悪い評判を一掃するために起用されたインフルエンサーたちは懸命にシーインの擁護をしていますが、批判の声はおさまりません。
中国へ行ったインフルエンサー
インフルエンサーたちは広州市にあるシーインの巨大施設「イノベーション・センター」を訪れていました。イノベーション・センターの管理職や社員、工場勤務の人々に話を聞いています。
インフルエンサーは最新の設備や労働環境の良さに関心している様子をSNSに投稿しています。シーインの公式アカウントも投稿しています。
工場見学の動画が投稿されると、すぐに批判の声が出ていました。
シーインが告発されている内容はこちらのSpillの動画でわかりやすく紹介されています。
批判されるインフルエンサー
批判の声を紹介します。
I was at a loss for words honestly 😭 they took her to the model unit equivalent of the sweatshops like this can’t be pic.twitter.com/aJtWcSycEh
— joe biden’s face lift (@thisisnefertiti) June 22, 2023
(2024年1月1日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
ジャーナリストもインフルエンサーの動画にコメントを残したようです。
(2023年11月19日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
インフルエンサーは見学者を受け入れるための見せかけの工場で騙されてしまったのではないか、と人々はウワサしています。
インフルエンサーの反論
シーインのプロパガンダに参加していると批判されたインフルエンサーのダニは反論動画を投稿していました。※動画はすでに削除されています。
動画でダニは「批判している人たちのクローゼットの中身の90%は最悪の労働環境のもとで作られている。私は中国へ行き、自分の目で見て、実際に話を聞いて事実を語っている。批判している人たちは外人嫌悪なのでは。」と反論しています。
(2023年7月17日:削除されたツイートをキャプチャ画像で置き換えました。)
米国では中国企業に対する警戒心が高まっていて、そのせいだと言いたいようです。
今回の騒動についてTea Spillが動画にまとめています。
古着屋に行けばシーインの服がよく売られているそうですが、一度着てタンスの肥やしになるような質だからなのかもしれません。ファストファッションは環境破壊にもつながっています。質の良い物を買えば長く着られるので、環境には多少良いのでしょう。
一方で、今回の問題に関連してシーインの服を買っている人々を批判する声もありました。しかし、高い質の良いものを買えと言われても買えない人もいます。
シーインの服の購入者を批判するのは違うでしょう。服が高すぎる、安すぎる、などいろいろな問題がありますが、高すぎれば手を出せない人がおり、安すぎればどこかで誰かにそのしわ寄せが及んでいるのかもしれません。インフルエンサーの宣伝はさらにその問題をややこしくしている印象です。
参考:vox Shein is the future of fast fashion. Is that a good thing?
BBC Shein suppliers’ workers doing 75-hour week, finds probe