Rabbit R1は詐欺だとCoffeezillaが告発 製品だけでなく会社が怪しい 実態のない「グリーン」なNFTを売っていた?

YouTuberニュース

世間はAIブーム真っ盛りです。テック企業がAI関連の新サービスを発表すればどれもニュースになり、株価は急上昇、期待と不安が入り交じり、もはやバブル状態です。

ソフトウェアに注目が集まりますが、AIを取り込んだ新しいガジェットに期待している向きもあります。そんな中、出てきたのがRabbit R1です。スマホの半分ぐらいのサイズで、入出力は音声中心です。便利なアシスタントだと宣伝され、2024年1月のCESで発表され話題になっていました。

ところが、蓋を開けてみると商品は明らかな未完成品でした。しかも創業者には詐欺の過去があるらしいと告発されているので紹介します。

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Rabbit R1

こちらがRabbit R1の商品発表動画です。CEOが自ら説明しています。

Introducing r1

価格は$199で、話しかければ検索や音楽の再生ができ、メモや翻訳もできます。Uberも呼べるしDoorDashで注文もできるそうです。その上、予約やナビ、友人へメッセージを送る機能まであります。

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使えないガジェット?

発売後、多くのテックレビューYouTuberも動画を投稿しています。

Rabbit R1の辛口なレビュー動画

Rabbit R1の辛口なレビュー動画

散々です。「かわいらしいがまるでだめ」「レビューに値しない」などタイトルだけですでに危険信号です。

よく考えてみるとRabbit R1の機能は全部スマホかスマートウォッチで済みます。アプリをインストールすればできることばかりです。

なぜRabbit R1がいるのか、正直わかりません。スマホでもスマートウォッチでもない商品を作ろうとしたのかもしれませんが、ポケットに二個目のスマホを入れるのも変ですし、手首にはつけられないし、首からぶら下げるのでしょうか? ひもを通す穴はなさそうです。何かよほど便利なのでしょうか?

インフルエンサーのNFT詐欺や物販詐欺を告発してきたYouTuberのコフィズィラもRabbit R1を入手して使用していましたが、宣伝内容とは異なる結果になっています。

Rabbit R1は「AIを搭載しているのであらゆる需要に対応できる」と宣伝されていましたが、実際コフィズィラが使用してみたところ、「サービスのメンテナンス中です」と音声が流れるのみです。

Rabbit Gaslit Me, So I Dug Deeper

Rabbit R1は本物のAIではなく、柔軟性がないコードでサービスと連携する仕組みだったため、連携しているUberやSpotifyのアップデートがあると使えなくなるシステムになっていました。

さらなる疑惑

こちらがRabbitは製品が使い物にならないだけでなく、さらなる詐欺をしているのではないかと告発しているコフィズィラの動画です。2024年5月21日に公開され執筆時200万回以上再生されています。

$30,000,000 AI Is Hiding a Scam

コフィズィラはラビット(Rabbit Incorporated)の以前の社名Cyber Manufacturing CoはNFT「GAMA」を売り2021年11月に$6ミリオン(約9億4000万円)を集めていたことを指摘しています。

CEOのジェシー・リュー(Jesse Lyu)は「GAMA」について「革命的な暗号通貨であり、カーボンニュートラルどころか初のカーボンネガティブの暗号通貨になる。新時代のビットコインだ」とクラブハウスで話している音声を動画に挿入しています(動画8分50秒から)。

この暗号通貨はカーボンネガティブで、どういうことかというと、クリーンエネルギーでコインを作っているからで、だからコインを持っているということは電力網に電気を供給しているということで、その電力でコインが作られていて、つまりコインを持っているということはカーボンネガティブな世界に貢献しているということで、そうすることでクリーンエネルギーが供給できて……

のような堂々巡りのよくわからない説明です。

ところが資金を集めたCyber Manufacturing CoはラビットR1を販売する2か月前に社名を変更しています。「GAMA」の持ち主には返金の申し出はなく、ラビットR1の開発資金に流用されたのかさえ不明です。

ジェシー・リューはBaidu百科によれば1990年生まれで、2016年にForbes「30歳以下の30人アジア版」に選ばれたとありますが記事は出てきません。

Rabbit Inc.は「NFTの払い戻しは所有者が合意しなければできません。GAMAの計画を断念したとの発言に抗議します。そもそもGAMAはオープンソースですので、コミュニティーからのフィードバックに基づきコミュニティーにお返ししたものです。」と回答しています。

そもそも、Cyber Manufacturing Co.はGAMAの計画は、1万人のクルーを宇宙に送り出してエネルギーを獲得する(!)という最終目標を掲げていたのだそうです。Discordではリューは最終目標は宇宙ステーションゲームを作ることだと言っていて(?)、NFTとは自分は無関係だと主張していた(!)とのことです。

こんな夢のようなホラ話を売り込む人なので、ガジェットが使い物にならなくても驚きはありません。AIがブームになっているので、NFTブームで詐欺を働いた変な人たちが今度はAIをかたって次から次へと出てくるでしょう。

暗号通貨についてもRabbit R1についても疑惑がありますが、コフィズィラの取材依頼に対して「技術的な知識がない者に説明をする義理はない」と冷たい声明を出しています。詐欺は済んだのでもう店じまいをするつもりかもしれません。

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