中国の工場オーナーたちがハイブランドの告発を次々にネットに投稿しています。数百万円で売られているあの高級鞄も、高価なスポーツウェアも実は中国製だよ、というのが彼らの主張です。
なかでもエルメスの鞄のほとんどの工程を請け負っていると話している動画が話題になっています。倉庫に足を運べば、高級ブランドの製品が20％ほどの価格で手に入る、そうです。
中国製について
高級ブランドは中国で商品を製造し、タグ付けや最後の工程だけイタリアやフランスですることでイタリア製やフランス製を名乗っている、というのがカラクリのようです。ルイ・ヴィトン、エルメス、シャネルなどのハイブランドからグッチ、スポーツウェアのルルレモンまでが代表的なブランドとしてあげられています。高級ブランドはかなりの利益率を上乗せして商品を売っているとされています。
ある動画は「エルメスの鞄は市場価格で約550万円($39,000)で販売されていますが、原価は約19万円($1,400)ですよ」と紹介していました。
関税戦争(Trade War)TikTokと呼ばれるこれらの動画の再生回数は伸び、「ハイブランド神話の崩壊」や「富裕層の見る目のなさ」などが指摘されています。アメリカの視聴者は「誰か実際に買って、本物かどうか検証してください」や「どこのアプリで商品を直接買えばお買い得なの？」と興味を示すコメントを残しています。
他にも「どうしても知りたいのですが、高級時計の工場は中国にありますか？」や「高級ブランドの香水の工場は中国にありますか？」などのコメントがあります。
本物は？
話題になった中国工場のTikTokアカウントは削除され、新たなアカウントが次々に出ています。どれが本物の投稿者なのか、もはや識別できません。こちらの動画では「このアカウントが本物です。他のアカウントはなりすましなので騙されないでください。」と話しています。
肝腎の商品も本物なのでしょうか？ ブランドのタグはなくても、同じ素材、縫製をして、品質が同じなのであれば高級ブランド品になるのでしょうか？ 本物だと思って購入しても粗悪品や偽ブランド品になってしまう可能性がありそうです。
これらの事情についてよく知っている、と話すのはこちらのTikTokユーザーです。彼女は「両親が中国の工場から買い付ける仕事をしていましたが、高級ブランドも偽ブランド品も同じ中国の工場で作られています。高校生のときUGGブーツを履いていましたが、タグがないものでした。けど、タグがないだけで同じ縫製で作られているものでした。イタリア製だから品質が保証されるわけではないし、中国製だから粗悪品というわけではありません。ブランド物を購入する際は気を付けましょう。」と話しています。
近年、ディオールの鞄が原価約6000円だとニュースになっていましたが、ブランド品の価値が問題に上がることが増えています。
ここまでの内容はファッションYouTuberのファッション・ロードマンが動画で紹介しています。
ファッション・ロードマンは「業界にいると知れられた事実ではあるけど、今になって暴露されたのは興味深いです。高級ブランドは鞄の原材料だけではなく、人件費、広告、流通にも経費がかかっているので、単純な話ではありませんが。」と話しています。
一方で、最近急にこの手の動画が大量に出てきたのは、トランプ関税に対する中国の対抗策の一つなのでは、という指摘もあります。
