『ウェット・アス・プッシー(略称WAP)』で知られるラッパー、カーディBが元警備員エマニ・エリスに訴えられ24ミリオンドル(約35億円)を要求されています。法外な額ですが、一体カーディは何をしでかしたのでしょうか?
裁判の背景
元警備員は2018年2月24日、ビバリーヒルズの産婦人科を極秘で訪れたカーディに「デブ」などと暴言を吐かれ、唾を吐かれ、顔に傷を負ったと主張しています。カーディが暴行、傷害、故意に精神的苦痛を与えたとして損害賠償24ミリオンドルを求めて2020年になり提訴しています。提訴から5年でようやく裁判になり、法廷での様子は全米に中継されています。
カーディによると元警備員はスマホでカーディを撮影し近づいてきたので「撮らないで!」と反応しただけと反論しています。当時、カーディはオフセットとの間に第一子を妊娠中でした。まだ妊娠を公にしていなかったので、無断で撮影されリークされると警戒したのでしょう。
彼女たちの口論は数十秒間ほど続き、騒ぎを聞きつけた受付係と婦人科医が止めに入っています。今回の裁判で受付係も婦人科医も「両者とも興奮していたが、カーディが警備員に暴行を加える様子は見なかった。警備員の顔に傷はなかった」と主張しています。
裁判は8月26日に始まっています。その中でカーディの発言がおもしろいと話題になっています。
おもしろ発言
元警備員はカーディに「デブ」と言われたと主張しているので、原告の弁護士はその発言を引き出したいのですが、カーディは全く隙を見せません。「デブとは言っていません。クソ女(bitch)とは言いましたが。」、「警備員体型。」、「ビルを守れそうな立派な体格だと思います。身長は同じくらいですが、体重は2倍はある。」、「よくお育ちになっている。」と言い換えています。
原告の弁護士があまりにも変な質問を連発するのでカーディが「もしもーし?(hello?)」と言うと、「はいはい、こちらにおりますよ(hello, I’m here!)」と弁護士が答えるというとんちんかんなやりとりがありました。カーディはしょっちゅう「🙄」みたいな表情をしています。
他にも元警備員は「カーディの長い爪で顔をひっかかれた」と主張していますが、カーディは「妊娠中なので、抵抗できません。妊娠中はあらゆることができなくなりますよ。ディスアビリティと言えます。」と反論しています。
こちらの動画で発言が紹介されています。発言内容も興味深いのですが、表情も豊かで、法廷から笑い声も上がっています。カーディは狙わずともエンターテイナーです。
こちらでは珍発言がランク付けされています。髪型が毎日変わるので、弁護士にどうしてと質問され照れながら「ウィッグです」と発言する様子もランク入りしています。
ここまでの内容はRent Freeがまとめています。
2025年9月2日判決が出て、カーディは勝訴しました。
Cardi B has won the civil assault lawsuit brought against her by a security guard, Rolling Stone reports.
(https://t.co/IYL08evXcm) pic.twitter.com/vqS8vPzNh3
— Pop Base (@PopBase) September 2, 2025
判決が出る以前から、世間一般での受け止めは決まっていました。いわゆる「世論の裁判(court of public opinion)」では、カーディ側が一貫して優勢でした。
元警備員が24ミリオンドルという高額を要求した背景は理解できませんが、元警備員は外見だけではなく人格まで批判されています。元警備員はカーディを見て興奮して名前を呼んでしまったと話しているのでファンだったようですが、警備員にあるまじき行為です。
負けてしまった元警備員は大損になりそうです。どんな勝算があったのでしょうか。