認知機能の低下?珍発言連発の前職トランプと現職バイデンは合わせて158歳の米国大統領選挙2024

社会・政治

2024年のアメリカは大統領選挙の年です。選挙に向け、現実もネットも政治色が強くなっています。与野党ともに早々と大統領候補が決まり、2020年と同じ顔ぶれでの再戦となりました。

2020年にもすでに高齢すぎると批判されていた2人は4年ずつ歳をとり、年齢相応に衰えを見せています。トランプ元大統領は遊説中の様子がクリップになり「認知症が加速している」と指摘され、バイデン大統領も挙動がおかしいとの声が出ています。

トランプ元大統領は77歳、現職バイデン大統領は81歳と高齢なので仕方がないのでしょう。2025年1月の就任時点では、2人ともさらに1歳ずつ上がります。高齢者を中心に回る米国政治の最近の動きを、ネットで話題になったことを中心に紹介します。

スポンサーリンク

ロバート・デニーロとケンカ

ジミー・キンメルの番組にゲスト出演したロバート・デ・ニーロはトランプ元大統領のことを「大バカ野郎」と表現していました(動画)。

番組の内容を聞いたらしく、トランプ元大統領はトゥルース・ソーシャルに怒りの投稿をしています。

トランプ錯乱症候群(Trump derangement syndrome)とはトランプ支持者が「反トランプ派がトランプ氏に怒る様子」を指して言う言葉です。

批判したロバート・デニーロは80歳です。ケンカを売る方も買う方も高齢化が進んでいます。大統領候補者討論会はご長寿早押しクイズと化しそうです。2020年と同じくクリス・ウォレス(76歳)に司会をしてもらえばますます長寿を祝う雰囲気が高まります。

スポンサーリンク

ケイティ・ブリット

バイデン大統領の一般教書演説は3月7日に行われました。大統領の一般教書演説には野党からの反論演説が行われるのが慣例です。今年は共和党のアラバマ州選出の上院議員ケイティ・ブリット(Katie Britt)が反論演説をしました。ところが、この反論演説に批判が集まっています。

ブリット議員は、バイデン政権の国境政策を批判する中で、人身売買の被害者の女性の話を出し、「このような事態を起こしてはなりません。ここはアメリカ合衆国なのですから。」と語っていました。しかし実は、この女性は米国内ではなく、メキシコ国内で誘拐され、使役されていたのでした。しかも、バイデン政権下ではなく、ブッシュ・ジュニア政権下の出来事だったと指摘されています。

案の定、人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』でパロディにされてしまいました。演じたのはスター女優スカーレット・ヨハンソンです。

こちらは、「過去の自分に演説をやめさせようとする未来からタイムスリップしてきたケイティ・ブリット」です。

彼女は一体どんな地獄を見てきたのでしょう。スカイネットによる人間狩りでしょうか、幼馴染を救うには離ればなれになるしかないと悟ったのでしょうか? スポーツ年鑑を奪わないといけないのかもしれません。

おじいちゃん、ひどい

一方、トランプ陣営の選挙集会では、ひょっとしたら選挙戦を彩る感動的な光景になるかもしれなかった小さな出来事が発生していました。トランプ元大統領の娘で元補佐官のイヴァンカ・トランプが息子を連れて選挙集会に訪れたのです。イヴァンカは満面の笑みで父親に声をかけ、息子にも挨拶をさせようとしましたが……

……無視されてしまいました。直後、すごい顔をしています。「おじいちゃんが選挙集会をするから、会いに行きましょ」と言って息子1を連れてきたのに、孫に気づかないのか、顔を忘れてしまったのか、挨拶もしない父親を見たら、こんな顔にもなります。母と息子の2人には心底同情します。ひどい。

ああ勘違い

孫に気づかないのはいいのですが(よくない)、事実誤認があるのはいけません。こちらのツイートでは、トランプ元大統領が2016年に大統領選で戦ったクリントン候補のメール疑惑について、「ハードディスクを強い酸で破壊したんだ」と語っています。

クリントン陣営はBleachBitを使ったのですが、これは漂白剤(bleach)ではなく、ソフトウェアの名前です。漂白剤ではデータの消去はできません。トランプ元大統領は新型コロナの治療のため漂白剤を注射したり飲んだりして記憶が消去されてしまったのでしょうか? 

飲まなくても記憶は消えますね。

蹄鉄理論

個人情報の流出の可能性があるため、TikTokを米国内で禁止、もしくは米国企業による買収をさせる法案が提出されています。トランプ元大統領も任期中は推進した政策ですが、最近は反対に転じています。その結果、不思議な事態が発生しました。

法案は下院で民主・共和両党の支持を受け、圧倒的多数で可決されました。反対したのは民主党内でも特に強硬な改革派のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員やイルハン・オマル議員らのグループと、共和党内でも特に強硬なトランプ派のマージョリー・テイラー・グリーン議員やマット・ゲイツ議員のグループです。思想的に正反対に見える最右派と最左派の意見が一致したようです。これが蹄鉄理論なのでしょうか。複雑怪奇です。

腰の据わらないベン・シャピーロ

右派メディアThe Daily Wireの顔であるベン・シャピーロが変節ぶりを批判されています。元々、ベン・シャピーロは保守派ですが、トランプ元大統領とは一線を画す立場をとっていました。

ところが、トランプ元大統領が数々の民事訴訟で多額の賠償金の支払いを迫られると、支援のため資金を集めると発表します。

どんな心境の変化なのでしょうか。この数年でベンの身に起こった外からわかる変化は、ヒゲを伸ばし始めたことぐらいです。

何もしない人は、何もしない!

もはや存在を記憶している人がいるのかわかりませんが、マイク・ペンスという人がいました。トランプ政権で副大統領を務めましたが、特に目立った功績はありません2

大統領の不興を買って更迭される閣僚が非常に多かった政権で、4年の任期のほぼすべての期間で大統領に全く異を唱えることなく職をまっとうした数少ないスタッフの一人です。しかしその最後になって選挙結果をひっくり返せと指示されたにもかかわらず、特に何もアクションを起こさず選挙結果を承認し、クーデタの企てを失敗に終わらせました。何もしなかったことが功績という希有な人です3

そんなペンス元副大統領ですが、共和党の大統領候補者予備選に出て、人知れず撤退していました。本当に何もしない人。通常、予備選に出た候補者は正式な候補者が決まればその候補者への支持を表明するものですが、支持を表明しないと発表しました。

徹底して何もしないつもりのようです。

ニッキーを止める者は「誰もいない」

共和党の予備選で最後までトランプ元大統領に食い下がったのはニッキー・ヘイリー元国連大使でした。スーパーチューズデーの結果を受けて撤退しましたが、それ以前、ネバダ州の予備選で珍事件が発生しています。ネバダ州はトランプ元大統領に候補者としての資格を認めませんでした。

その結果、ヘイリー元国連大使が1位になるかと思いきや、「これらの候補の誰でもない」が1位になってしまったのです。トランプ支持者が投票したのでしょう。その結果、こんな冗談が発生しました。

なお、ヘイリー氏もトランプ元大統領への支持表明はしていません。ちなみに、ヘイリー氏が国連大使になったのはトランプ政権下でした。

バイデンが選挙で勝ったのはオバマ?

バイデン大統領が選挙で勝った相手はオバマ元大統領だそうです。本当です。何しろトランプ元大統領がそう言ってるんだから間違いありません。

トランプ元大統領は前回の選挙で一体誰と戦ったのでしょうか?

そのほか、ペロシ元下院議長とヘイリー元国連大使を混同したりメラニア夫人を「メルセデス」と呼んだり、混迷を極めています。

こちらの動画ではトランプ元大統領の言い間違え、おかしな言い回しの数々をまとめて紹介しています。

Trump Repeatedly SHORT CIRCUITS at Speech in North Carolina

一方、バイデン現職大統領は高齢で再選を目指すのはどうなのかとの記者からの懸念に「アメリカで最も職務を全うするのにふさわしい人物であるから」と答えています。

Biden shouts at reporters, confuses Mexico with Egypt as he defends mental competence

足どりもおぼつかない候補者の2人ですが、選挙の行方には注目です。

  1. 報道によれば、長男である第二子らしい。
  2. 副大統領という職そのものが、目立った職掌のない閑職だという考え方もある。
  3. もし当初から大統領に異を唱えていたら早々に更迭され、イエスマンが副大統領になり、選挙結果をひっくり返していたかもしれない。最後の最後まで何もしなかった、ペンス元副大統領のギリギリのバランス感覚は、評価に値する。
タイトルとURLをコピーしました